最も長い歴史をもつ判例実務誌
貸借地上の建物が買戻特約付で第三者に売り渡された場合において、右建物の敷地について貸借権の譲渡または転貸がなされなかったものと解された事例
木柵などが設けられてはいるが、容易に人が立入ることのできる工事現場において、特殊自動車(クレーン車)を後退させた運転者に注意義務を認めた事例
1 甲債権者の抵当権実行手続に記録添付された強制競売申立債権者乙が、甲の債務者に対する全債権額を代位弁済したとき、任意競売申立を取り下げうるのは、甲か乙か 2 右の場合甲のなした取下を有効として、乙の強制競売手続を追行し、競落許可決定をした原審の措置を、甲の取下は無効としつつ、任意競売手続においてなされたものとして、維持した事例
抵当権設定登記、所有権移転請求権保全仮登記につき被担保債権の弁済後に各権利移転による附記登記がなされた場合の右各登記の抹消請求の相手方
離縁の訴につき被告たる養親の住所が知れないためその最後の住所地の裁判所に訴が提起された後、養親の住所が判明した場合に、民事訴訟法第31条により事件を住所地の裁判所へ移送した事例
受取人白地の約束手形が、詐取されて流通におかれた事案につき、振出未完成を理由に該手形の第三取得者に対する振出人の手形上の責任が否定された事例
損害保険代理店を併せ営んでいる自動車販売業者が自動車の割賦購入者から将来の自動車保険の保険料を預った行為が、保険募集の取締に関する法律第12条、同施行規則第5条、第6条に違反しないとされた事例
1 被用運転助手の無断運転による事故につき、使用者責任を認めた事例 2 自動車の売却斡旋を依頼された者が、私用運転中これを破損した場合の不法行為責任の有無
1 懲戒解雇された公営企業の未成年の職員がその地位の確認を求める訴について訴訟能力を有するか 2 懲戒解雇処分が無効でないとされた事例
1 権利保護の利益に関する主張につき民訴法139条1項を適用した事例 2 依願解傭処分無効確認の訴につき権利保護の利益を否定した事例
被告人が甲、乙と共謀のうえ銃砲および実包を所持したという事実と、被告人が、甲、乙と丙との間における当該銃砲および実包の売買について仲介斡旋し、丙がその銃砲および実包を所持するに至ったことを容易ならしめて丙の所持を幇助したという事実との間には、公訴事実の同一性がないとされた事例
捜索差押許可状が、憲法第35条の要請している差押物件の明示を欠いた違法な令状であり、かつ同令状に基く捜索差押が、同令状の指示する範囲を著しく逸脱した恣意的、無差別的なもので重大な違法のある執行であったとして、その結果得られた証拠能力を否定した事例
1 被相続人の財産増加について相続人の協力があったとしても、その増加部分を特定できない場合は、遺産分割の際に考慮される一切の事情の中で斟酌するに止めるのが相当である。 2 家具、什器、衣類等の遺産で、その経済価値が乏しく、当事者も相続財産に加えないことに異存のない場合は、相続財産の範囲に含ませずに分割しても違法ではない。 3 農地の賃借権の生前贈与を受けた相続人が農地開放により国からその農地を売渡されたとしても、その対価は賃借権の価額を除外したものであるから、右賃借権が消滅してもこれに相当する利益は所有
非訟的な裁判の不服申立については、裁判所は当事者の挙示する不服申立の限度に拘束されることなく事件全般について審理判断をなしうるのである、すでに当事者の一方から現に抗告がある以上、その後における他方からの抗告は二重抗告となり不適法である。
家事審判手続では、事件ごとにその種類や具体的状況に応じた審理方法がとられるのであって、関係人に対し法定の手続での審尋を受ける権利を保障するわけでなく、また、法律上一定の方式による事実審理を要するものでもない。
別居夫婦の間でした、母が子を養育監護する旨の協議は適法であり、かつ、その場合父は監護権能を行使し得ないと判示した上、父の委託により事実上右子を監護している第三者に対し、民法第766条により監護に関する処分として子の引渡を命じた事例
被相続人に対する相続人の暴行が、その態様程度のみからすれば民法第892条所定の「重大な侮辱」又は「著しい非行」に一応該当し得る場合でも、その責任の一半が被相続人に存する場合には、推定相続人廃除の原因とはならない
通名に特にむずかしい文字が用いられ、それ自体難読を理由に改名の対象となり得る場合は、たとえ通名の使用が長期にわたり通名がその人の社会生活上その標準となっていても、戸籍上の名を許可すべきでない。
1 米国カリフォルニア州法および同州判例では、婚姻中に出生した嫡出推定は、夫が完全に不在で妻と一切の交渉をもちえないこと等を示す十分な証拠によって覆すことができる。 2 右に基づき米国人(カリフォルニア州)夫と婚姻中の日本人妻が夫帰米後日本において他男(日本人)との間に生んだ子につき、嫡出推定をうけない子と認定した上、他男に対して認知の審判をした事例