最も長い歴史をもつ判例実務誌
建物の一部の賃借人が他の部分を不法に占拠して賃借部分と併用している行為が著しい不信行為であるとして無催告の賃貸借契約の解除が許容された事例
債務者が債権者からの金員支払請求に対し支払確保のため振り出された手形の返還との引換給付の抗弁権を有する場合と履行遅滞の成否
1 地主所有の果樹が生立する農地買収の適否 2 自作農創設特別措置法第3条第5項第2号の規定による買収と買収面積の制限の有無
倒産状態にある債務者が生計費および子女の教育費をうるため借財し、右貸主に対し唯一の動産を譲渡担保となした行為を、詐害行為にあたらないと認めた事例
旧公益事業令の失効により従前の経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第5条第1項(別紙乙号第29号)該当の所為につき被告人を免訴すべきか
訴訟費用の負担を命ずる裁判が不服申立期間の満了により確定した場合における刑訴法第500条第2項所定の申立期間の起算点
1 客引きの目的で駅構内に立ち入る行為と、軽犯罪法第1条第32号違反罪の成否 2 軽犯罪法第1条第32号違反罪と、鉄道営業法第37条違反罪との関係
1 公職選挙法第221条第1項第1号の供与の罪を共謀した者の間における金銭等の授受と同条同項第5号の交付、受交付の罪の成否 2 前項の場合において、交付を受けた者が共謀の内容に従って他に供与もしくは交付したとき、前項の交付、受交付の罪と共謀による供与、交付の罪の関係 3 前項の場合において、他に供与、交付したものが、交付を受けたものの一部であるとき、第1項の交付、受交付の罪と共謀による供与、交付の罪の関係
公有水面埋立法第31条に基づく知事の処分は国の行政機関としての処分で、その処分の違法を理由に当該地方公共団体に損害賠償の請求をすることはできない
仮処分決定に対し異議の申立がなされた場合、その仮処分が仮処分制度の目的を逸脱し、その執行によって債務者に回復できない損害を生ずるおそれがある場合には民訴法第500条・第512条を類推してその執行処分の停止または取消を許すことができる
20数倍の家賃増額請求を受け第一審裁判所においてこれを正当と容認された場合、判断に明らかな欠点がない限り、たとえ右判決が確定しなくとも、右判決後の催告に対し増額債料を支払わないときには遅滞の責を負う
1 会社整理開始による債務弁済禁止の保全命令と同会社にたいする給付訴訟 2 手形上の支払場所の記載と満期前の遡求のため呈示すべき場所
自己所有の土地の公道への道路が建築基準法に定める巾員に充たないことを理由として提起された民法第213条の囲繞地通行権確認の訴と不法行為の成否
1 自剣法による売渡後農地の転売と旧所有者の不当利得返還請求権 2 創設農地の転売に旧地主の同意を必要とする慣習法もしくは慣習の存否
登記の抹消または回復登記につき承諾請求を受けた登記上の利害関係人は抹消または回復登記義務者の態度にかかわらず独自の立場で抹消または回復登記原因の存否を争うことができる
賃借人がその妾である女と共同して賃借家屋を使用する旨を定めた調停に基づき、妾関係が解消し、賃借人が立退いた後も女が右家屋を占有する権原を有すると認めた事例
1 代理人が直接代理行為をせず、第三者をして代理させてした行為が有効と認められた事例 2 売買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記のされたときに所有権の移転があったと認められた事例 3 権利の所在と登記とを一致させるためには虚構の仮登記に基づく本登記も許される
1 賃借家屋の増額賃料支払が信頼関係の破綻にあたると認めるに足りない特段の事情があるとされ解された事例 2 賃貸借契約にもとづく家屋明渡請求訴訟における数個の賃貸借終了原因の主張と請求の個数
監督官庁の許否がないため所有権移転の効力が生じない売買契約が締結された寺院の所有不動産につき取得時効の完成が認められた事例
建物に抵当権設定後借地法による買取請求権が行使された結果土地、建物の所有権が同一人に帰属するにいたった場合における法定地上権の成否
1 消費生活協同組合法第96条による選挙の取消請求期間を徒過した後、民事訴訟で右選挙の無効を主張しうるか 2 消費生活協同組合の理事の職務執行停止の仮処分執行中、職務代行理事がした同組合の唯一の不動産処分の効果 3 消費生活共同組合の組合長の法的地位
出版記者が著作者の原稿に校正の限度をこえた改変を加えたことは、個人としての思想や政治上の立場にとらわれたもので、他人の表現の自由を侵し情状が重いとして懲戒解雇がみとめられ、地位保全仮処分申請が却下された事例
昭和37年東京都条例第103号公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第5条第1項所定の「卑わいな言動」に当る事例
甲の事前運動罪及び乙に対する供与罪と甲の事前運動罪及び甲・乙共謀による丙ら35名に対する供与罪との間、並びに、乙の甲からの受供与罪及び丙ら35名に対する供与罪と甲・乙共謀による丙ら35名に対する供与罪との間にはそれぞれ公訴事実の同一性があるか
1 刑訴法146条に基づく証言拒否が正当と認められた事例 2 数個の尋問事項に対する証言拒否罪の罪数 3 証言拒否罪の成立と刑訴規則122条2項の証言命令の要否 4 刑訴規則122条2項の証言命令があったとされた事例 5 刑訴法146条にいわゆる刑事訴追と起訴猶予 6 刑訴法160条と同法161条との関係 7 自己が刑事訴追を受ける虞のある証言にあたらないとされた事例
自庁処理の必要性の有無の判断は、当該家庭裁判所の専権に属し、自庁処理をすることは勿論自庁処理をしないことについても不服申立は許されない
遺産分割のための相続財産の評価は分割時を基準とすべく、そのときまでに加えられた遺産に対する改良費は、分割によりその物を取得する相続人に対し遺産分割の手続外で償還請求権を行使し得るから、分割審判において、考慮する必要はない
父の氏に変更を求める非嫡出子の側と改氏に反対する本妻の側の各事情を比較検討し、婚姻関係の保護という面から、後者の意思を尊重すべきであるとして、その申立を却下した事例
1 老齢の親に対する感熟者(有職者)たる子の扶養の程度は、子が従来の社会的生活、社会的地位を害しない範囲で、生活を節して生じた余裕をもってこれに充てるべきものと解するを相当とする 2 長女のもとで扶養されている起居不能の老母に対し、その引取扶養を望む長男の主張を斥け、金銭扶養を命じた事例
被相続人の妻と姉2人の間における遺産分割審判事件において、家庭裁判所が職権により、他に存する戸籍上の相続人につき、それが虚偽出生届に基づくものであるから相続人ではないと判断し、なお、相続遺産の範囲について審理確定して分割の審判をした事例
韓国戸籍上韓国人間の嫡出子である子の親子関係不存在確認事件につき、準拠法として法例第17条および同第18条1項の趣旨を類推して、両親には大韓民国法を、子には日本法を適用し、かつ、親子関係存否確認の方法は手続法的な問題であるから法廷地法によるべきであるとして、家事審判法第23条の審判をした事例
マレーシア国人夫と日本人妻間の夫婦関係調整事件につき、離婚原因発生当時の夫の本国法たるイギリス国際私法の原則上、法廷地法たる日本法を適用して、家事審判法第24条により審判離婚をした事例
共犯者に対する処分との比較、その他の状況からみて原決定の処分は著しく不当であるとし、中等少年院送致の原決定を取り消した事例
少年法第6条第3項による送致事件において、送致事実に虞犯事由が認定できる場合は、通常保護事件と併合のうえ、同法第18条第2項の決定のほか保護処分決定等検察官送致決定を除いたどのような決定もなしうるとし、両事件を併合したうえ6ヶ月の強制措置を許容し、事件を児童相談所長に送致した事例
9歳の姪になしたわいせつ行為の露見を怖れ、同女を殺害した少年に対し、その行為は遇発的一過性の犯行と認められ、また社会的不適応傾向や非行性の固定化が認められない等の事情を考慮すると保護処分による矯正教育が相当であるとし、少年法第55条による移送をした事例
1 上訴申立後原審において新たに勾留状を発して被告人を勾留することができるか 2 右の場合、新たに勾留するには、刑訴法第61条の勾留尋問をする必要があるか