最も長い歴史をもつ判例実務誌
知事の許可を条件とする農地の売買契約においてなされた、転売したときには売主は転買人のために右許可申請手続をする旨の合意の効力
注文主が請負代金の一部を支払ったのみで、残余は請負建物を賃貸して得る権利金、敷金、賃料をもってあてる約束がある場合と請負建物の所有権の帰属
合資会社の無限責任社員が、当該会社を当事者としないで、無限責任社員と称する者を相手どり「その者が右会社の無限責任社員でない」ことの確認を求める訴の適否
1 債権者が継続的金融取引きの中途において主債務者の破綻の事実を知りながら連帯保証人の不知を奇貨として巨額の融資をなした場合と連帯保証人の責任 2 債権者が右主債務者の破綻の事実を重過失によって知らずして巨額の融資をなした場合と連帯保証人の責任
抵当権の登記のある建物について借地法の買取請求権が行使された場合、建物の引渡義務と買取代金支払義務とは同時履行の関係にあるか
賭場開帳図利罪において、賭客が賭博に供する目的でその手もとに所持していた場銭及び現に行なっている賭博に賭した賭銭を没収することの可否
1 借地上の建物が譲渡担保に供された場合同時にその借地権についても譲渡があったとみることはできない 2 右の場合借地権者は譲渡担保権者名義の登記ある建物の存在をもって第三者に借地権を対抗することができる
1 転売を目的とする石油類の売買行為を公益法人の目的の範囲内の行為と認めた事例。 2 民法第722条第2項の過失相殺を認めた事例
1 日本住宅公団東京支所建築部工事長付副参事と指名入札業者の推薦の職務権限 2 収賄罪の成立と贈賄者が職務権限の直接の相手方たることの要否
1 適正賃料認定の事例 2 右適正賃料の半額にも満たない弁済供託も当事者間において増額請求にかかる賃料額に争ある場合には一部弁済として有効である
既に履行遅滞にある金銭債権について月賦弁済契約がなされた場合には、特に月賦金の支払を怠ったときは期限の利益を失う旨の過怠約款がない場合でも債務者が月賦金の支払を怠り、且相当期間を定めてなされた債権者の催告に応じないときは、債権者は一方的意思表示により分割弁済の利益を奪うことができる。
さきの調停において成立した「申立人は前項の養育費受領の上は道義上それ以上の養育費を相手方に請求しない。」との調停条項は、その後の扶養料の額を定めるについて有力な斟酌事由となるが、それにとどまるものといわなければならないと判断した事例
旧法中朝鮮人男が日本人女との間の婚外子を認知している事案につき、あらたに日本人女から提出した出生届を、子はすでに韓国国籍を有する者であるとして、受理しなかった町長の措置は不当でないとした事例
1 銀行業者が不当利得した金銭を利用して得た運用利益と民法189条1項の適用 2 不当利得された財産に受益者の行為が加わることによって得られた収益についての返還義務の範囲 3 銀行業者が不当利得した金銭によって得た法定利率による利息相当額以内の運用利益につき返還義務があるとされた事例
1 請求の基礎に変更があるか否かと裁判管轄の存否 2 公法人たる地方公共団体と民法第44条の適用 3 市議会の議決あるいは予算措置のない注文の確認と市長の職務行為 4 市と多額の物品の売買契約を締結しようとする者の調査義務 5 鋼材を運送業者に委託して引き渡す者の注意義務
1 無断欠勤を理由とする休職の期間満了による解雇が無効であるとの主張が排斥された事例 2 休職辞令の誤記と解雇の効力
1 夜間に道路中央線附近を横断する歩行者を認めた自動車運転者と右歩行者との各注意義務 2 右自動車と衝突して死亡した歩行者とその父母の受くべき慰藉料額 3 自動車損害賠償保険金を損害に充当すべき順序
1 遺言執行者解任の審判と遺言公正証書の有効無効の判断 2 弁護士である調停委員の遺言執行者の就任 3 相続人に対する民事訴訟の提起および告発と遺言執行者の権限