最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
はじめに
第1 原告適格(1)
第2 原告適格(2)
第3 原告適格(3)
第4 原告適格(4)
第5 被告適格(1)
第6 被告適格(2)
第7 会社の代表者
第8 訴えの利益(1)
第9 訴えの利益(2)
第10 訴えの利益(3)
第11 訴えの利益(4)
第12 訴えの利益(5)
第13 出訴期間(1)
第14 出訴期間(2)
第15 管轄
第16 請求の趣旨
第17 訴額
第18 担保提供命令
第19 訴訟手続(処分権主義・弁論主義との関係)
第20 株主総会の決議の取消しの訴えにおける裁量棄却
第21 判決の効力
第22 登記の嘱託
[目次]
はじめに
第1 責任能力が問題となる事案の難しさ及び本稿での検討の進め方について
第2 50条鑑定等の被告人の精神状態に関する専門的証拠の採否の方針について
第3 手続の進行段階ごとの検討
福島県内に居住する老齢基礎年金ないし老齢厚生年金の受給者らが,国に対し,厚生労働大臣の国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律(平成24年法律第99号)に基づく年金減額改定処分につき,同法が憲法25条,29条1項及び13条に違反するから減額は無効であると主張して,減額改定前と改定後の年金額との差額等の支払を求めた公法上の当事者訴訟の控訴審において,原告らの請求を棄却した原審の判断が維持された事例
1 同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定は,憲法13条に違反すると認めることはできないが,憲法24条1項・2項及び14条1項に違反するとした事例
2 同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定を改廃しないことが,国家賠償法1条1項の適用上,違法であると認めることはできないとした事例
間接交流を認めた原審判を取り消し,試行的面会交流の実施を積極的に検討し,その結果をも踏まえて直接交流の可否等を検討させるべく,事件を原審に差し戻した事例
限定的ではあるものの一定程度の意思能力がある可能性がある本人について,本人の精神の状況について鑑定をしないままされた後見開始の審判は,家事事件手続法119条1項に違反し,原審に差し戻しても鑑定を実施することは困難であるとして後見開始の申立てを却下した事例
1 同族企業における株主代表訴訟の事例
2 会社への損害賠償を求める株主代表訴訟において原告側が要した弁護士費用は,同訴訟により会社に賠償すべき損害にならない,とされた事例
鑑定処分許可状に記載された鑑定人とは別の医師が同鑑定人の立会いなく行った本件解剖は,同許可状によって許可されたものとはいえない瑕疵があるが,同鑑定人が教授を務める大学法医学講座においては,所属医師のうち同教授が定めた当番の医師が解剖を行い,同教授以外が解剖を執刀する場合でも同教授が鑑定人として嘱託されるのが通例とされており,本件解剖もこの運用に基づいて行われ,本件解剖の時点では,同教授や解剖した医師らに,このような運用が許されないものであるとの認識はなく,令状主義を潜脱する意図もなかったことが明らかであることなどから,本件解剖の手続における瑕疵は,解剖した医師の公判供述の証拠能力を否定する理由にならないとした事例
少年が特殊詐欺の受け子をしたとされる詐欺未遂保護事件において,詐欺未遂罪の成立を認定して少年を第2種少年院に送致した原決定につき,詐欺の故意を認めた判断に重大な事実の誤認があるとして,これを取り消した事例
司法書士業等を営む者の不動産所得について所得税法157条1項を適用して同族会社との間の不動産賃貸借契約により得た賃貸料を適正賃貸料に引き直して算定するなどとしてされた所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分について,同不動産賃貸借契約は同項にいう「これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらず同項を適用することはできないとして,その一部を取り消した事例
恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)の後に行われた配置転換について,心理的負荷の強度(総合評価)が「強」と評価され,労働者災害補償保険療養補償給付及び同休業補償給付に対する不支給決定が取り消された事例
保育園を運営する法人が園児にアレルギー反応やアナフィラキシー症状を発症させる事故を2回にわたり起こしたことについて慰謝料等の損害賠償が認められた事例
1 外国為替及び外国貿易法違反の罪により逮捕,勾留,公訴提起され,その後,検察官から公訴取消しの申立てを受け公訴が棄却された者らが,警察による逮捕並びに検察官による勾留請求及び公訴提起などが違法であるとして求めた国家賠償請求訴訟について,警察による逮捕並び検察官による勾留請求及び公訴提起はそれぞれ合理的な根拠が欠け国家賠償法上の違法があるとされた事例
2 警察官による取調べについても,不当な誘導や弁解録取書作成の過程で求められた訂正をしたかのように装った行為があったと認められ国家賠償法上の違法が認められた事例
マンションの敷地の一部である斜面地が崩落し,斜面地直下の市道を通行していた者が崩落に巻き込まれ死亡した事故について,通行人との関係で,マンションの管理会社及び同会社の従業員で本件マンションの管理業務主任者に本件事故の発生を防止する義務の違反があるとして不法行為責任を認めた事例
じん肺法所定の管理四の決定を受けた亡Aが,生前,国に対して損害賠償を請求し,国との間で成立させた裁判上の和解は,その後亡Aがじん肺死したことによる損害につき,国に対して損害賠償請求することを妨げる趣旨のものであるとは解されない
ピアがファイルの一部を所持していることを確認するUNCHOKEの通信は,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律5条1項にいう権利の侵害を構成するものとはいえないとされた事例
特定少年である少年が,包丁2本を携帯したという銃砲刀剣類所持等取締法違反保護事件において,同種非行による保護処分歴等を考慮して犯情を評価し,少年院送致が許容されるとした上,資質上の問題性等を踏まえて少年を第1種少年院に送致し,犯情に鑑み収容期間を2年と定めた事例