最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
第1 はじめに
第2 シンポジウムの概略
1 概要
2 開催経緯等
第3 プログラムと結果概要
1 第1日目
2 第2日目
第4 成果と所感
1 国際シンポジウムの意義
2 シンポジウム開催に当たってのチームワーク
3 今後の展望
[目次]
第1 はじめに
第2 本年のテーマ「特許権侵害訴訟における特許の有効性」について
第3 模擬裁判の共通事例
第4 模擬裁判の結果
第5 おわりに
[目次]
第1 本稿の研究テーマ
第2 責任能力の判断枠組み等
1 最高裁判例の整理
2 心理学的要素の内実について
3 責任能力判断に関する基本的考え方
第3 責任能力の有無・程度について当事者間に争いがない事案における争点整理の在り方(本件)
1 事案の概要等
2 原審と控訴審の判断の分岐点と問題点
3 あるべき争点整理について
4 公判において問題点に気付いた場合の対応
1 裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」の意義
2 裁判官がインターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワーク上で投稿をした行為が裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たるとされた事例
給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分について,法定納期限の経過後に当該源泉所得税の納付義務を成立させる支払の原因となる行為の錯誤無効を主張してその適否を争うことの可否
公立高等学校の教職員が卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を命ずる旨の職務命令に違反したことを理由として,教育委員会が再任用職員等の選考において上記教職員を不合格としたこと等が,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないとされた事例
保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人等からあった場合に,その旨を未決拘禁者に告げないまま,保護室収容を理由に面会を許さない刑事施設の長の措置が,国家賠償法上違法となる場合
被相続人の二女が,被相続人の長女に対し遺産の分割を求めた事案において,相続開始時点における共同相続人であった被相続人の亡妻が,本件相続における自己の法定相続分2分の1を含む全財産を長女に包括遺贈する旨の遺言をし,長女がこれを承継した後,上記遺贈について二女が長女に対し遺留分減殺請求権を行使したとの事実関係の下で,遺言者の財産全部に係る包括遺贈に対して遺留分権利者が減殺請求権を行使した場合に遺留分権利者に帰属する権利は,遺産分割の対象となる相続財産としての性質を有しないから,本件相続における遺産分割の対象は亡妻が相続した相続分2分の1を除く部分に限られるべきである旨の長女の主張を排斥し,遺産全部を分割した事例
1 商標法違反被告事件の起訴後勾留中,弁護人による中止の申入れを挟み前後44日間にわたり行われた余罪(殺人)の取調べ(判文参照)が,被告人の意思によって出頭を拒み,又は出頭後,いつでも退去することができる状態で行われたものでなく,任意の取調べとは認められず,任意捜査として社会通念上相当と認められる限度も超えているとして違法とされた事例
2 取調べの録音録画記録媒体を信用性の補助証拠として採用した原審の手続に違法があるとはいえないが,原審裁判長が同記録媒体を任意性又は信用性の立証のみに用い,実体判断には用いないと宣明し,当事者双方がこれを了承するなどの手続経過(判文参照)によって採用された同記録媒体で再現された被告人の供述態度等から直接的に犯罪事実(被告人の犯人性)を認定した原判決に刑訴法317条違反があるとされた事例
営利目的で覚せい剤をスーツケースに隠匿して日本国内に持ち込もうとしたが税関で発見された事案において,隠匿物は金塊であると認識していたとの被告人の弁解は,未必的な認識の限度では排斥できないとしながらも,覚せい剤営利目的輸入罪の故意を認めた事例
職務質問を受けていた被告人が,所持していたバッグの所持品検査を拒否し,知人を呼び出して,そのバッグを渡すために知人に向かってバッグを投げたため,被告人から約4メートル先の地面にそのバッグが落ちたところ,警察官らが被告人の承諾なく,ファスナーが閉まっていた当該バッグを開披し,内容物であった覚せい剤を取り出して写真撮影をしたことは,当該バッグについて所持品検査をする緊急性が認められず,令状主義に関する諸規定を遵守しようとする意識のなさが強くうかがえるなどの本件の事実関係(判文参照)の下では,違法の程度が重大であり,当該バッグから発見された覚せい剤等の証拠能力は否定すべきであるとして,原判決を破棄し,無罪の言い渡しをした事例
家出や無断外泊を繰り返しながら家内盗やさい銭盗を繰り返したことを内容とするぐ犯保護事件及び強制わいせつ保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定に対する抗告につき,本件ぐ犯及び非行の悪質性はいずれもさほど高くないとの判断を前提に,少年の非行性が直ちに施設内における矯正教育を必要とするような深刻なものであるとは認められず,少年に対して,在宅処遇の可能性を十分に検討すべきであるのに,これをせずに直ちに少年を第1種少年院に送致した原決定の処分が著しく不当であるとして,原決定を取り消し,差し戻した事例
少年に保護処分歴がなく,示談が成立している恐喝保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定に対する処分不当を理由とする抗告について,本件非行の悪質さ,少年の問題性の根深さ,保護環境の状況等を指摘し,原決定の判断は相当であるとして抗告を棄却した事例
生活保護の受給中に外国への渡航費用を支出した者に対する生活保護法63条に基づく支給済みの保護費の返還決定及び同法78条に基づく支給済みの保護費の徴収決定が違法であるとされた事例
1 上司の暴行により傷害を負った旨の被害届を警察に提出したこと等の懲戒解雇事由があることを理由とする普通解雇の有効性が否定された事例
2 無効な解雇を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例
1 原告所有の私有地と国有地の境界付近の土地の所有権確認の訴えにつき,当該国有地を管理する市の被告適格を認めた事例
2 明治期に作成された一筆間数帳や旧土地台帳附属地図等の資料に基づいて私有地と国有地の境界を確定した事例
北陸新幹線融雪・消雪基地機械設備工事の請負契約において受注者による入札談合があった場合の発注者による違約金債権の行使につき,信義則違反等・過失相殺の主張がいずれも認められなかった事例
企業提携についての基本合意の締結後,最終合意に向けて交渉が進んでいたとき,最終的に,被告らが原告の提示した内容での最終合意を拒否した事案において,①最終合意が締結されたとは認められない,②基本合意には最終合意をすべき具体的義務まで定められていないから被告らに債務不履行又は不法行為はない,③最終合意をしなかった被告らに契約締結上の過失はないとして,被告らには,原告に対する損害賠償義務がないとの判断がされた事例
腰痛等により整形外科等に通算500日以上入院した患者の入院保険金請求が,当該入院はいずれも保険金支払事由としての「入院」に当たらないとして棄却された事例
児童福祉法27条1項3号に基づき児童自立支援施設に入所中である少年に対し,1年半の間に通算90日を限度として強制的措置をとることができる旨の決定を求めた強制的措置許可申請事件において,少年の行状や資質等を考慮し,これを許可した事例