最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
第1 はじめに
第2 民訴法17条の趣旨
1 旧民訴法31条の制定
2 旧民訴法31条の運用
3 現行民訴法17条への改正
第3 民訴法17条に類似する規定
1 国際裁判管轄に関する規定(民訴法3条の9)
2 民訴法以外の立法例
第4 要件・考慮要素・効果(一般論)
1 要件
2 考慮要素
3 効果
第5 考慮要素の具体的検討
1 裁判例について
2 当事者・代理人の住所等
3 証人の住所
4 検証物の所在地
5 鑑定人の住所・鑑定の対象物の所在地
6 当事者の資力・属性等
7 事案の性質
8 専門部・集中部の存在
9 管轄原因
10 関連訴訟の係属
11 管轄選択権の濫用
12 その他の事情
13 各考慮要素の関係
第6 民訴法17条の類推適用による自庁処理
1 問題点
2 自庁処理の許否
3 要件・判断基準
第7 17条移送についての審理
第8 おわりに
[目次]
第1 検討裁判例の事案と判断の概要
第2 強盗罪における暴行・脅迫の程度とその認定
第3 強盗致傷罪における強盗の機会の認定
第4 結びにかえて
離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることが権利の濫用に当たるとされた事例
弁護士法23条の2第2項に基づく照会を受けた者の報告義務確認請求を控訴審において損害賠償請求に予備的に追加することの可否,同確認訴訟の訴えの利益の有無及び報告拒絶の正当理由の有無
1 法定担保物権は,目的物の所在地法と被担保債権の準拠法との双方が共にこれを認める場合にのみ成立し得る
2 債権先取特権は,目的物の所在地法に相当する準拠法としては,客体である債権自体の準拠法による
3 公海上で起きた異国籍船どうしの船舶衝突について,不法行為に基づく損害賠償請求権の準拠法は,衝突船舶の旗国法を累積適用すべきである
1 死後認知によって相続人となった者の遺留分を侵害する遺言がなされ,これに基づき共同相続人間で遺産分割がなされた場合に,死後認知の認容判決の確定から1年以内に,遺留分減殺の意思表示をした被認知者は,民法910条の価額支払請求によって,自らの遺留分の回復を図ることができる
2 1の場合において,被認知者は,遺留分減殺請求に関する判例法理に従い,遺言によって遺留分を超える遺産の相続を受けた共同相続人に対して,遺留分額を超える価額の割合に応じて,民法910条の価額の支払を請求することができる
原告の名誉を侵害する投稿があったフェイスブックのアカウントに,投稿の12日前から投稿日までは特定のIPアドレスからのアクセスしかないが,投稿の13日前に別のIPアドレスからのアクセスがあった場合において,当該特定のIPアドレスが原告の権利の侵害に係る発信者情報に当たらないとされた事例
原審申立人(妻)が,原審相手方(夫)に対し,財産分与を求めた事案について,原審相手方が当選した宝くじの当選金約2億円の購入資金は夫婦の協力によって得られた収入の一部から拠出されたものであるから,本件当選金を原資とする資産は,夫婦の共有財産と認めるのが相当であるとした上で,その分与割合については,原審相手方が小遣いの一部を充てて宝くじの購入を続けて本件当選金を取得したこと等に鑑み,原審申立人4,原審相手方6の割合とするのが相当であるなどとして,原審相手方に財産分与を命じた事例
養育費の額を変更する始期について,義務者が権利者に対して養育費減額の調停を申し立てた時ではなく,それ以前の別件審判事件において,義務者が権利者に対して養育費の支払義務がないことを主張した上で,実際に養育費の支払を打ち切った時とした事例
兄弟姉妹間の扶養について,扶養義務者が扶養権利者に対して支払う扶養料を生活保護基準によって算定し,扶養権利者を扶養してきた扶養義務者の他の扶養義務者に対する過去に負担した扶養料の求償を認めた事例
審判前の保全処分として子の引渡しを命じる場合には,審判前の保全処分により子の引渡しの強制執行がされてもやむを得ないと考えられるような必要性があることを要するなどと解した上で,本件ではこのような疎明がないとして,未成年者らの監護者を仮に相手方と定め,抗告人に未成年者らの引渡しを命じた原審を取り消し,相手方の申立てを却下した事例
「摩擦熱変色性筆記具及びそれを用いた摩擦熱変色セット」という名称の本件発明につき,当業者において,引用発明1に引用発明2を組み合わせる動機付けを欠き,仮に組み合わせることを容易に想到し得たとしても,それのみでは相違点5に係る本件発明の構成に至らず,さらに引用例3等記載の構成の適用を動機付けられたとしても,そのように,引用発明1に基づき,2つの段階を経て相違点5に係る本件発明1の構成に至ることは,格別な努力を要するものであるとして,容易想到性を否定した事例
1 商標権のみなし侵害の事案において,商標権者の登録商標に関し「指定商品又は指定役務」及び被告人の侵害行為に関し「被告人の付した登録商標に類似する標章」の各摘示を欠く罪となるべき事実を認定した原判決が理由不備であるとされた事例
2 インターネットのオークションサイトにおいて「PhotoshopCC2014用の説明とソフト本体」などの標章を付して広告をした被告人の行為が,ソフトウエアの説明であるマニュアルだけでなくソフトウエアそのものを商品とする広告を内容とする情報に標章を付して提供して商標を使用したと認められた事例
1 コンピュータグラフィックス(以下「CG」という。)の素材となった写真の被写体である児童と全く同一の姿態,ポーズをとらなくても,当該児童を描写したといえる程度に,被写体とそれを基に描いたCG画像等が同一であると認められる場合には,平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ等処罰法」という。)2条3項の「児童の姿態」に該当する
2 児童ポルノ製造罪の成立には,被写体の児童が,児童ポルノ製造の時点及び児童ポルノ等処罰法施行の時点において18歳未満であることを要しない
暴力行為等処罰ニ関スル法律違反,道路交通法違反保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定に対する処分不当を理由とする抗告に関し,少年に対しては,直ちに施設に収容しなければならないほどの高い要保護性があるとまでは認められず,試験観察によって少年の動向を観察して在宅処遇の可能性を検討することもなく第1種少年院に送致した原決定の処分は,短期間の処遇勧告を付した点を踏まえてもなお,著しく不当であると判断して,原決定を取り消して本件を原裁判所に差し戻した事例
無料の資料請求サービスを利用して資料請求を行った外国人に対して,外国籍であるということのみを理由に資料の送付を拒否することは,不当な外国人差別(国籍差別)に当たるとして,不法行為の成立が認められた事例
ニュース番組の放送について,当該放送によって摘示された匿名の人物の属性等に関する情報を総合すれば,その人物がXであると特定され,当該放送の内容はXの名誉を毀損したと認められた事例
裁判所により選任された職務代行者に対する報酬は,事業協同組合が負担すべきであるとして,予納金を納入した原告による不当利得返還請求が認められた事例
自動販売機内部から火災が生じたとしてその製造業者に対して製造物責任法3条に基づく損害賠償を請求するなどした事案において,同自動販売機内部から出火したと認めることはできないとして,請求が棄却された事例
1 決定時15歳の少年に係るぐ犯保護事件において,事案の内容,少年の資質上の問題点,家庭環境等を考慮し,少年を児童自立支援施設に送致した事例
2 児童相談所長が,向こう1年半の間に通算90日を限度として強制的措置をとることの許可を求めた強制的措置許可申請事件において,通算90日もの日数の必要性は認め難いとし,1年半の間に通算30日を限度として強制的措置をとることを許可した事例