最も長い歴史をもつ判例実務誌
〔解 説〕 1 本件は,人材派遣等を業とする被上告人に雇用され,派遣労働者として派遣先社内におけるパソコンのトラブルに対応する等の業務を行っていた上告人が,被上告人に対し,時間外労働に対する賃金(以下「時間外手当」という。)及びこれに係る労働基準法(平成20年法律第89号による改正前のもの。以...
〔解 説〕
1 本件は,大手消費者金融会社であるYにおいて,国内の消費者金融子会社を再編する手続の一環として,完全子会社である貸金業者のAが顧客であるXに対して有する約定利率に基づく残債権の譲渡を受けた事案について,Xが,Aとの取引は引直し計算をすると過払いになっており,この過払金等返還債務...
〔解 説〕
1 本件は,Xの監査役であるYが,Xの取締役であったX補助参加人らによる新株予約権の行使は,行使条件を変更する取締役会決議が無効であるにもかかわらずそれに従ってされたものであって,当初定められた行使条件に反するものであるから,上記新株予約権の行使による株式の発行は無効であると主張...
〔解 説〕
1 本件は,被疑者の弁護人の人数について,刑訴規則27条1項本文によれば原則3人を超えることができないとされているところ,申立人が同項ただし書の「特別の事情」があるとして弁護人の数を6人とすることの許可を地方裁判所に請求したのに対し,地方裁判所がした請求却下決定に関する抗告棄却決...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,神奈川県,横浜市及び川崎市(以下「本件各地方公共団体」という。)が,相互間で締結した広域中間処理リサイクル施設設置推進事業に関する覚書に沿い,産業廃棄物中間処理等を事業目的とする財団法人かながわ廃棄物処理事業団(以下「事業団」という。)を設立した上,これ...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,市立中学校の中学3年生であったX1が,同校の柔道部の練習において,同校の教諭であるY1と乱取りを行っている最中,突然意識を失い,急性硬膜下血腫の傷害を負ったことについて,Y1は柔道指導の名の下に制裁を加える意図で故意又は少なくとも重大な過失によって傷害を...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,A町が,公有地の拡大の推進に関する法律(以下「公拡法」という。)に基づき,Bの所有していた土地を約4380万円で買い取ったことにつき,A町の住民であるXらが,その買取価格は公拡法7条の定める買取価格を超えるものであり,同価格を超える公金の支出は違法である...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 本件は,Xが,Y会社との間で,Y会社発行の株式を買い付ける旨の株式取得申込契約を締結し,Y会社のXに対する株式買付金支払請求権に係る強制執行認諾文言を含む公正証書を作成したことにつき,意思表示の無効ないし取消しを主張して,執行力の排除を求める請求異議の事案...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,リース会社のユーザー及び連帯保証人に対するリース料相当損害金の支払請求事件(甲事件)とユーザー及び連帯保証人のリース会社,サプライヤー及び販売代理店に対する損害賠償請求事件(乙事件)とが併合された事件である。
Aは,Y3(サプライヤー)の販売代理店とし...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,小下顎,舌根沈下,上気道閉塞(狭窄)の3主徴が見られ,一般に気管内挿管が容易ではないピエールロバン症候群を発症していた男児(低酸素脳症発症当時1歳1か月)が入院中に呼吸状態を悪化させて低酸素脳症の重篤な後遺障害を残したことについて,医師が適切な処置をしな...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,退任取締役が退職慰労金の不支給を理由として裁判所に救済を求めた,いわゆる退職慰労金請求に関する裁判例の1つであり,原告らの請求どおりの退職慰労金相当額の損害賠償が認容された事例である。
同種の裁判例は数多いが(とりわけ,東京地方裁判所商事研究会編『類型...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xが,Xの有する本件商標「ECOPAC」(指定商品:第20類〔プラスチック製の包装用容器〕等)について,商標法50条に基づいて,不使用を理由とする当該登録の取消しを認めた審決の取消しを求めた事案である。
審決は,本件商標に係る商標権の通常使用権者(本件...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,①被告Y1に対し,原告が制作したK社の新店舗告知のテレビCM原版(新店舗名部分が空白の原版)について,被告Y1が無断で当該原版を使用して新たに新店舗告知のテレビCM原版(新店舗名を挿入した完成版)を制作し,そのプリント(CM原版のコピー)を作成し...
〔解 説〕
1 事案の概要と主な争点
本件は,原告が,被告に対し,不正競争防止法2条1項3号の不正競争(他人の商品の形態を模倣した商品の譲渡)をしたとして,同法3条に基づき,被告商品の販売等の差止めを,同法4条に基づき,損害賠償を,それぞれ求めた事案である。
本件の主な争点は,原告商品が...
〔解 説〕
1 Xは,司法書士であり,その所属する司法書士会であるYから司法書士法61条の規定に基づく注意勧告を受けた者である。本件は,XがYに対し,当該注意勧告の無効確認を求めるとともに,当該注意勧告に至るまでの一連のYの違法な行為により精神的苦痛を受けたとして,200万円の慰謝料の支払を...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) Xは,Y及びA(ないしB)との間で,建設工事の請負等を目的とする共同企業体を結成する旨,決算の結果欠損金を生じた場合には,Yが5割,Xが3割,A(ないしB)が2割を負担する旨の合意(以下「本件合意」という。)をした。
Yは,共同企業体の代表として工事を落...
〔解 説〕
1 事案の概要
検察官は,被告人が情を知らない中古車販売業者らをして被害品であるパワーショベル(ユンボ)を運搬させて窃取したとの事実を訴因に掲げ,被告人の行為が窃盗の間接正犯に該当すると主張した。これに対し,被告人は,中古車販売業者らに被害品の搬出を依頼した事実はないとして,無...