最も長い歴史をもつ判例実務誌
〔解 説〕
1 本件は,就労中に事故に遭って負傷した労働者であるXが,使用者であるYの安全配慮義務違反によって上記事故が発生したと主張して,Yに対し,債務不履行に基づく損害賠償等を求めた事案である。
2 Xは,Yに雇用され,工場においてプレス機の操作に従事していたところ,同プレス機に両手を...
〔解 説〕
1 本件は,被告人Aが,代表者を務めていた被告人株式会社Bの業務に関し,従業員らと共謀の上,法務大臣の許可を受けずに,消費者金融業者から長期間支払が遅滞するなどした不良債権を廉価で大量に購入し,6名の債務者に対して支払を請求し,合計142万円を回収して,債権管理回収業を営んだとい...
〔解 説〕
1 本件は,裁判員裁判による第1審の無罪判決を,高裁が事実誤認を理由として破棄し,その判断の当否が争われた事案である。被告人は,空路マレーシアから帰国したが,空港税関の検査により,バッグの中のチョコレート缶から覚せい剤合計約1kgが発見され,覚せい剤営利目的輸入罪と関税法違反の罪...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1)甲事件は,Xが,Yに対し,暴力団を脱退したとして生活保護の開始申請をしたところ,処分行政庁から,Xは現在も暴力団員であって,資産収入を活用しておらず,生活保護の開始要件を満たさないことを理由として,生活保護の申請を却下する旨の処分(本件却下処分)を受けたため...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,勤務先の同僚Aとパチンコ屋で偶然出会った後,午後10時15分ころから翌日の午前4時30分ころまで2つの店で共に飲酒した。自車の中で仮眠した後,Aは午前8時50分ころ,酒気帯びの状態で,Xを同乗させて自動車の運転を開始したが,その際,AはXに対し,「じゃあ,...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件のうち,損害賠償請求事件(以下「第1事件」という。)は,名古屋刑務所刑務官らが,受刑者3名(X1,A及びX5)に対する違法な暴行,保護房収容,極度に緊縛しての革手錠施用により,X1に外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺障害を生じさせ(以下「X1事件」という。...
〔解 説〕
1 事案の概要
労働組合Zは,会社Xとの間で行ったZの下部組織であるU分会の分会員(Xの従業員)の平成18年度冬季賞与(本件賞与)に関する一連の団体交渉におけるXの対応等が不誠実であり,労組法7条2号の不当労働行為に当たるとして,T労働委員会に対して不当労働行為救済申立てをした...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,X1が,Yが占有するゴルフ場においてプレー中に,コース脇にあるふたのない本件マンホールに転落して傷害を負ったとして,工作物責任もしくは一般不法行為責任に基づく損害賠償として,X1が,治療費,休業損害,慰謝料等の,X1が勤務する医療法人社団であるX2が,代...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,平成18年4月,Z証券会社が販売するS社発行の仕組債(ノックインフォワード型日経平均リンク債券,本件債券)をY銀行の媒介により1億円で購入した。この金融商品(本件債券)は,約定の観測期間(3年)内にノックイン事由(日経平均株価が当初価格の50%を下回ること...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1)本件は,Xが,Yの開設する病院(Y病院)で胃癌との診断を受けて胃の亜全摘手術を受けたところ,術後に胃癌ではなかったことが判明したことについて,Y病院の担当医師らには,病理診断を誤った過失,術前の検査結果を踏まえての症例の再検討を怠った過失があると主張して,Y...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,発明の名称を「量子井戸半導体レーザ素子」とする特許発明につき特許権を有するXが,Yに対し,Yが製造・販売する量子井戸半導体レーザー素子(以下「Y製品」という。)は,当該特許発明の技術的範囲に属し,当該特許権を侵害しているとして損害賠償を求めた事案である(...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案はY連盟の会長理事選任を巡る紛争である。
Y連盟は,我が国におけるスキー界を統括し,代表する団体として,スキーの普及及び振興を図り,もって国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする財団法人である。Y連盟は,平成22年10月17日,評議員会を開催し...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Yらの父である亡A(外国人。1919年〔大正8年〕生まれ)に対する保証債務履行請求権を譲り受けたXが,Yら4名が当該保証債務(以下「本件保証債務」という。)を相続したと主張して,Yらに対し,保証債務の履行を求める事案である。
本件においては,亡Aに対す...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Yにおける平成4年から平成21年までに開催された定時株主総会における利益処分案又は剰余金処分の承認にかかる決議が無効であることの確認を求める訴訟であり,このような訴訟が訴権の濫用に当たるか否かが問題となった事案である。
Xは,宅地建物取引業等を目的とす...
〔解 説〕
1 事案の概要
X(抗告人)は,株式会社三井住友銀行,株式会社みずほ銀行,株式会社三菱東京UFJ銀行,株式会社りそな銀行を第三債務者として,Y(相手方)が第三債務者に対して有する預金債権につき,各第三債務者の取扱店舗を特定することなく,いわゆる預金額最大店舗指定方式により,差押...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被告人が,①東京都公安委員会が作成する公文書である駐車禁止除外指定車標章を偽造したという有印公文書偽造,②覚せい剤を自己使用したという覚せい剤取締法違反及び③けん銃実包を所持したという銃砲刀剣類所持等取締法違反の各事案であり,このうち,①については,被告...