最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 平成16年法律第14号(改正法)による改正前の租税特別措置法31条の下では,個人がその有する土地等又は建物等で所定の所有期間を満たしたものの譲渡(長期譲渡)をした場合に,それにより生じた所得には分離課税がされる一方で,損失が生じたときには,これを他の所得と損益通算することが認...
[解 説]
1 本件は,長野県南安曇郡三郷村及び合併により同村を承継した安曇野市(以下「市」という。)が,自らが過半を出資する法人に融資した金融機関等との間で,融資によって生ずる損失を補償する旨の契約(損失補償契約)をそれぞれ締結したことにつき,市の住民であるXが,上記各契約は地方公共団体に...
[解 説]
1 事案の概要
ミャンマー国籍を有する外国人の男性であるX1は平成4年に他人名義の旅券を利用し,ミャンマー国籍を有する外国人の女性であるX2は平成5年に短期滞在の上陸許可を受け,それぞれ本邦に入国した。X1及びX2は,その後本邦で知り合い,婚姻し,平成12年に子X3が出生したが...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,漁港区域内の土地及び水面上に現存する建物2棟及び桟橋を取得したというX(有限会社)が,漁港漁場整備法(以下「法」という。)39条1項に基づく漁港区域内の公共空地及び水面の一部占有許可申請についてZ(漁港管理者から権限を委任されている神奈川県東部漁港事務所...
[解 説]
1 事案の概要
夫の暴力から逃れるため,小学生の子どもを連れて,Y市内にある自宅から出たXは,A市婦人相談所での一時保護を経て,平成18年9月,Y市内にある賃貸アパートに入居し,同年10月,Y市福祉事務所長から,生活保護を開始するとの処分(本件保護処分)を受けるとともに,そのこ...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,平成13年4月23日から平成14年7月2日までの間,A商事に委託して商品先物取引を継続的に行い,1281万5795円の損失を被ったところ(A商事は,本件先物取引の委託手数料として1425万7900円を得ている。以下,この商品先物取引を「本件先物取引」とい...
[解 説]
1 事案の概要
B医師を術者とする医療チームは,平成13年3月2日,故C(当時12歳)に対し,心房中隔欠損症及び肺動脈弁狭窄症の根治術を実施した。本件手術において,原告は,人工心肺装置の操作を担当した。本件手術中,脱血不良が生じたことから,被害者は,脳内が鬱血した状態に陥り,重...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,タクシー業を営む株式会社Xが,不当労働行為救済命令等の再審査申立てに係る中央労働委員会(以下「中労委」という。)の命令について,国Yに対し,当該命令の取消しを求めた事案である。
Xの従業員で組織された労働組合である被告補助参加人Zは,東京都労働委員会(...
[解 説]
1 事案の概要
Xは,証券会社であるY社で株式の信用取引をしていたが,いわゆるライブドア不祥事を機に株価が急激な低下をした際に,Y社は,信用取引契約に基づいてXの買い建玉をXの了承を得ずに全部売却してしまった(本件強制売却)。本件の第1事件は,Xが,本件強制売却を可能にする信用...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,Xが,Yに対し,Yの発行する週刊誌に3号にわたって掲載されたXに関する各記事がXの名誉を毀損するもので,これらの各記事の執筆,編集,掲載を行ったYの行為がXに対する不法行為を構成すると主張して,損害賠償の支払と謝罪広告の掲載を求めた事案である。
本件の...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,Z1が保険契約者として保険会社であるY1との間で締結していた被保険者をZ1,死亡保険金受取人をZ2とする本件生命保険契約に基づく保険金請求権について,Z1から本件質権の設定を受けたというXが,Y1に対し,Z1がその後に死亡して発生した死亡保険金請求権はX...
[解 説]
1 事案の概要
被告は,発明の名称を「光照射処理装置」とする本件特許の特許権者である。原告は,請求項1に係る本件発明1等に係る特許について,引用発明1及び2並びに周知技術に基づいて容易に想到することができたものであるとして特許無効審判を請求した。原告は,審判段階で,引用発明1に...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,「いなば和幸」の文字から成り,指定役務を「飲食物の提供」とする本件商標に係る原告の商標登録について,被告補助参加人(補助参加人)が,本件商標は,「とんかつ和幸」の文字から成り,指定役務を「とんかつ料理の提供」(本件役務)とする補助参加人の登録商標(引用商...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,建築基準法上の道路位置指定を受けた私道(本件私道)の所有者であるXらが,当該私道と接している土地(被告土地)の所有者だが本件私道の所有者ではないYに対し,Yが被告土地上に建築した賃貸アパート(被告建物)に出入りする者を私道通行させることにより,Xらの本件...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,被告人が,実弟である被害者と自宅で口論になり,被害者の使っていたコップを床にたたきつけて割るなどした上,被害者の携帯電話を二つに折って投げ捨てたことから,これに立腹して被告人に駆け寄った被害者から,手拳で1回顔面を殴打され,さらに,後退しつつ前かがみにな...