最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 事案の概要
(1)①事件は,都立高等学校の教諭であった上告人が,卒業式における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命ずる旨の校長の職務命令に従わず,上記国歌斉唱の際に起立しなかったところ,その後,定年退職に先立ち申し込んだ非常勤の嘱託員及び常時勤務を要する...
[解 説]
1 本件は,宗教法人であるXが,本件土地は民法239条2項にいう「所有者のない不動産」として国庫に帰属していたところ,Xが法人格を取得した昭和30年から20年間これを占有して時効取得したと主張して,Y(国)に対し,Xが本件土地について所有権を有することの確認を求めた事案である。
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[解 説]
1 事案の概要
本件は,ミャンマー国籍を有する外国人であるXが,ミャンマー及び本邦において反政府活動に従事していたこと等により,帰国すれば迫害を受けるおそれがあることから,入管法2条3号の2並びに難民条約1条及び難民議定書1条にいう難民に該当するとして,Xにされた難民の認定をし...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,警視庁公安部所属の司法警察職員が,ある在日朝鮮人に対する薬事法違反教唆被疑事件(以下「本件被疑事件」という。)の捜査のため,原告らの住居等を捜索場所とする捜索差押許可状5通(以下「本件各許可状」という。)の発付を請求し,裁判官により発付された当該許可状...
[解 説]
本件は,農薬等の製造販売等を事業内容とするA社の従業員であったX(死亡当時農業用製品事業部マーケティング担当部長)が,A社から,不正行為(不正経理,着服等)の疑いで合計10回の事情聴取を受けた後に自殺したことについて,Xの妻である原告が,福岡中央労働基準監督署長(処分行政庁)に対...
[解 説]
1 事案の概要
(1)本件は,Xが,Yに対し,冷凍食品等の商品を売却したなどと主張して,売買代金48億9161万0515円と年6分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
(2)商社であるXは,冷凍食品を扱うY及びAとの間で,XがYにA向けの冷凍食品を継続的に売却し,...
[解 説]
1 本件は,通信事業に関するソフトウェア製品の開発等を行っていた株式会社であった原告の取締役を務め,原告の一事業部(本件事業部)の事業部長でもあった被告Aが,原告を退社して原告の競業会社である被告会社に移籍する際に,原告において同一事業部に所属していた従業員を勧誘し,被告会社に移...
[解 説]
1 Yが経営する病院(Y病院)の担当医師は,Xらの妻ないし母親である患者が,平成18年6月6日16時29分に男児を出産後出血が継続し,非凝固性出血が現れて総出血量が1280mlとなった18時23分の時点でDIC(播種性血管内凝固症候群)を疑い,18時29分の時点で輸血が必要と判断...
[解 説]
1 本件は,被告が,名称を「球技用ボール」とする発明に係る原告の特許(請求項の数・全10項)のうち,本件発明1~4,6~9に関する無効審判請求をしたところ,特許庁が,上記発明は進歩性を欠くとして特許を無効とする審決をしたことから,原告がその取消しを求めた事案である。
一般に,球...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,指定商品を被服等(第25類)とする図形からなる登録商標(本件登録商標)を有している。原告は,被告が本件登録商標に類似する標章(被告各標章)を付したTシャツ等(被告各商品)を販売し,原告の商標権を侵害した旨主張して,被告に対し,被告各標章を付したTシャツ等...
[解 説]
1 本件は,X株式会社(原告・控訴人)が,Y銀行(被告・被控訴人)に手形割引を申し込み,手形割引の準備のために額面合計680万円の約束手形2通(以下「本件各手形」という。)を預けていたところ,その後にXが民事再生手続開始の申立てをして再生手続開始決定を受け,Y銀行において,Xと...
[解 説]
1 被告人は,2件の住居侵入及び窃盗及びそのうちの1件の住居侵入及び窃盗と同じ場所,それに引き続く時間帯に行われた現住建造物等放火(以下「本件放火」という)で起訴され,2件の住居侵入及び窃盗の事実は認めたが,本件放火については,その犯人であることを争った。
原裁判所は,本件が裁...