最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 本件は,Xが,Yに対し,土地所有権に基づき,Y(成田空港建設に反対する権利能力のない社団)が明渡請求の対象土地(本件底地部分)上に所有する建築物(本件建築物。「天神峰現地闘争本部」と称される鉄骨造3階建ての建物その他)を収去して本件底地部分の明渡しをするよう請求した事案である...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,厚生労働省大臣官房統計情報部社会統計課長補佐として勤務する国家公務員(厚生労働事務官)の被告人が,平成17年9月10日,日本共産党を支持する目的で,東京都世田谷区所在の警視庁職員住宅の集合郵便受け合計32か所に,同党の機関紙である「しんぶん赤旗2005年...
[解 説]
1 Xは,本件家屋(鉄骨造陸屋根地下1階付10階建の店舗用賃貸ビル)を所有しており,本件家屋に設置された昇降機設備につき,平成19年5月18日の売買によりXから第三者に譲渡された旨の動産譲渡登記が経由されている。他方,平成20年度固定資産課税台帳には,本件家屋につき,当該設備を含...
[解 説]
1 本件は,三重県度会郡南勢町と同郡南島町とが平成17年10月1日に合併した同郡南伊勢町(Y1)の住民であるXが,旧南勢町の町長であったZがその在職当時に同町に存した不正経理問題に関し是正措置を執らなかったことが不作為による不法行為に当たることを前提に,Y1の町長であるY2に対し...
[解 説]
1 本件事案の概要
本件は,JR西日本福知山線脱線事故(本件事故)の際,同事故車両に車掌として乗務し,同事故による精神症状を契機として休職中であった原告が,被告に対し,労働契約上の信義則に基づいて,(1)①原告を被告京橋車掌区に所属する車掌職として就労させることを目的とし,段階...
[解 説]
1 本件は,権利能力のない社団に対して債務名義を有する債権者が当該社団の所有(正確には,構成員全員の総有であるが,便宜,社団の所有という。)に属する不動産の強制競売を申し立てる方法が問題となっている事案である。すなわち,権利能力のない社団は,不動産の所有が認められるとしても,当該...
[解 説]
1 本件は,いわゆる「ドロップシッピングサービス」を提供している被告と同サービスの利用契約を締結して,契約金等の名目で金員を支払った原告らが,同サービスが特定商取引に関する法律(以下「特商法」という。)51条に定める業務提供誘引販売取引に当たり,特商法58条1項に基づき同契約を解...
[解 説]
1 事案の概要
Yは,弁護士過疎地であった奄美群島内に日本弁護士連合会のひまわり基金の支援を受けた公設事務所として設立された奄美ひまわり基金法律事務所(以下「奄美ひまわり事務所」という。)の初代所長として,平成17年3月から平成20年4月まで弁護士業務を行っていた者である。
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[解 説]
1 X1は,飲食店業等を目的とする会社であり,X2は,X1の代表取締役であるが,X2は,平成20年10月25日,冬期雇用安定奨励金を詐取したという被疑事実により逮捕,勾留されたが,同年11月14日,不起訴処分となった。
Yは,平成20年10月27日の報道番組「スーパーニュース」...
[解 説]
1 本件は,農業継承者であり相続人である甲が,遺産分割審判の申立て及び寄与分を定める処分の審判の申立てをした事案において,原審及び抗告審は,甲に対する寄与分は遺産分割の対象となる遺産(1から18の土地建物,1から5の動産類,株式の相続時の価額合計5201万6000円)の4割(相続...
[解 説]
1 本件は,Y(株式会社)の作成・提出した金融商品取引法所定の関係書類に虚偽記載等があったことを原因としてYの株価が下落して損害を被ったというX(Yの株主)が,その後に民事再生手続が開始されたYに対して当該損害賠償請求権を再生債権として届け出たことから,その査定をめぐって争われて...
[解 説]
1 本件は,Xが,本件商標(判決別紙「本件商標」記載の文字と図形の結合商標であり,指定商品は判決別紙「指定商品目録1」記載のものである。)の商標権者であるところ,Yが,本件商標は,引用商標(「ヨーグルトン」の片仮名を標準文字で表記した商標であり,指定商品は本件商標の指定商品中「食...
[解 説]
1 事案の概要
被告は,「elle et elles」の欧文字を横書きしてなり(本件商標),第17類「被服,布製身回品,寝具類」を指定商品とする商標権者である。原告は,本件商標に係る商標登録について,不使用を理由とする当該登録の取消しを求めた。特許庁は,本件審判の請求の登録前3...
[解 説]
1 事案の概要
原告(反訴被告。以下「原告」という。)は,カリフォルニア州ロサンゼルス郡上位裁判所(以下「本件米国裁判所」という。)に,被告(反訴原告。以下「被告」という。)を相手方として離婚等請求事件を提起したところ,本件米国裁判所は,原告と被告の婚姻を解消する旨の判決をした...
[解 説]
1 本件は,個人経営の店舗で従業員等を使用して行われたゲーム機(パチスロ機)賭博について,①組織的犯罪処罰法の加重処罰規定(同法3条1項)の適用要件である「団体の活動」として行われたものといえるかどうか(判示事項1),②没収・追徴の対象となる「犯罪行為により得た財産」(犯罪収益。...