最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 本件は,不動産競売により土地を取得したXが,同土地の土壌が汚染されていたにもかかわらず,評価人,執行官及び裁判所書記官がいずれも過失によって土壌汚染を看過し,評価書,現況調査報告書及び物件明細書に土壌汚染の事実が記載されなかったために損害を被ったとして,被告に対し,国家賠償法...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,原告ほか6社(以下,承継関係等は省略する。)が,価格カルテルを理由として,平成17年改正前の独占禁止法に基づき,平成15年に公正取引委員会から排除勧告を受け,原告が,当該勧告に応諾し,納付命令(以下「本件納付命令」という。)に従って課徴金を納付したところ...
[解 説]
1 本件事案の概要
本件は,派遣社員として就労していた原告が,派遣元会社及び派遣先会社である被告らが原告と派遣元会社との間の派遣労働契約(本件派遣労働契約)及び被告ら間の労働者派遣契約(本件労働者派遣契約)に基づいて原告を派遣先会社に派遣したことが偽装派遣であることを前提に,(...
[解 説]
1 企業の業務効率化に関するコンサルティング及びシステム開発等を業とする株式会社であるXは,学習塾を経営する株式会社であるYとの間で,同社の勘定系基幹システム,学習塾の生徒及び講師の管理を行うためのシステム(以下「本件教室管理システム」という。)及び生徒の成績の管理を行うためのシ...
[解 説]
1 本件は,ZからZのY1に対する病院内の清掃業務を目的とする本件準委任契約1に基づく報酬債権及びY2に対する会社内の清掃業務を目的とする本件準委任契約2に基づく報酬債権の債権譲渡を受けたというXが,Y1ら(Y1及びY2をいう)に対し,当該報酬債権である本件債権の支払を求めるほか...
[解 説]
1 証券会社である被告は,同社専用の不動産投資ファンド「レジデンシャル─ONE」を,平成15年6月(1号)から平成19年11月(46号)までの間に,延べ20,541名の顧客に総額527億円販売した。レジデンシャル─ONEは,顧客からの出資金に金融機関からの借入金を加えることにより...
[解 説]
1 本件は,放送受信契約を締結したのに受信料の未払があると主張する控訴人(NHK)が,被控訴人(視聴者)に対し,未払受信料12万1680円及びこれに対する約定利率による遅延損害金の支払を求めた事案である。
被控訴人の妻が被控訴人名で放送受信契約書に署名押印した点については当事者...
[解 説]
1 本件事案の概要は次のとおりである。
K社は,パチンコ店の経営等を目的とする会社であり,5店舗でパチンコ店を経営していた。K社はB,その息子C及びその親族が株式を所有する同族会社である。K社は,平成14年12月31日時点で約7億円の欠損金を抱え,債務超過状態であった。K社は,...
[解 説]
1 事案の概要
①事件は,原告が,「美容製品,せっけん,香料類及び香水類,化粧品」を指定商品として立体商標(判決末尾に添付)を国際出願したところ,拒絶査定を受けたため,拒絶査定不服審判請求について特許庁が同請求は成り立たないとした審決の取消しを求める事案である。審決は,本願商標...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,「洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤,清浄剤,つや出し剤,擦り磨き剤及び研磨剤,美容製品,せっけん,香料類及び香水類,精油,化粧品,ヘアーローション,歯磨き」を指定商品として,立体商標(判決末尾に添付)を国際出願したところ,拒絶査定を受けた。なお,原告は,本願...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,乳酸菌飲料「ヤクルト」を製造販売する会社であり,その包装容器の立体的形状のみからなる商標につき平成20年9月3日付けで商標登録出願をしたところ,拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判請求をした。
特許庁は,上記請求を不服2009─15782号事件...
[解 説]
1 本件は,①Y1社を再生債務者とする再生手続及び②Y2社を再生債務者とする再生手続において,Xが債権者として届け出た再生債権の額の査定に対し,①の再生手続における査定についてX及びY1社が,②の再生手続における査定についてXが,それぞれ異議を請求した事案である。
(1)Y1社...
[解 説]
1 Xは,本件建物を賃借して会員制医療クラブを運営するY会社から会員の健康管理に関する医療サービス業務の委託を受け,その目的のために本件建物を賃貸(転貸)していた者であるが,Y会社を相手方として,業務委託契約及び賃貸借契約に基づき,本件建物内に第三者をして立ち入らせてはならない旨...
[解 説]
1 事案の概要
(1)原告は,不動産競売事件で建物(以下「本件建物」という。)及び底地を買い受けた者であるが,同事件における現況調査報告書及び評価書には,本件建物における白蟻被害に関する記載はなされていなかった。原告は,本件建物及び底地を第三者に転売したが,転売先から本件建物に...
[解 説]
破産会社Aは,B株式会社(X銀行の完全子会社)との間で継続的なファクタリング取引を行っており,Xは,Aの委託に基づき,Bとの間で当該ファクタリング取引におけるAの債務をXが保証する内容の根保証契約を締結していたところ,Aは,同根保証契約に基づく,Xに対する求償金債務の追加担保とし...
[解 説]
1 本件は,スナックの客であった被告人が同店経営者であった女性を殺害したという殺人の事案であり,原審においては裁判員の参加する合議体により判決されたものである。
2 被告人は本件への関与を否定しており,被告人の犯人性を認定できる直接証拠も存在しないことから,間接証拠により被告人...