最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 事案の概要
(1) 本件は,財団法人新国立劇場運営財団(以下「財団」という。)との間で,毎年,期間を1年とする出演基本契約を締結した上,各公演ごとに個別公演出演契約を締結してオペラ公演に出演していた合唱団員であるAが,労働組合法上の労働者に当たるか否かが問題となった事案であ...
[解 説]
1 本件は,Xが,社団法人共同通信社(平成22年4月1日に一般社団法人へと移行)の配信した記事が地方新聞社であるY1~Y3の発行する新聞に掲載されたことによって名誉を毀損されたとして,共同通信社及びYらに対し,不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。
2 Xは,a大学附属b...
[解 説]
1 本件は,本訴において,X(夫)が,Y(妻)に対し,反訴において,Yが,Xに対し,互いに離婚等を請求した事案であるところ,Xとの間に自然的血縁関係が存在しないことが明らかである子につき,Xがその養育費の支払義務を負うかが争われた事案である。
2 事案の概要は,次のとおりである...
[解 説]
1 本件は,Aの相続財産法人であるXが,貸金業者である株式会社クレディアを再生債務者とする民事再生手続における再生計画(本件再生計画)の認可決定が確定した後に,クレディアの権利義務を会社分割により承継したYに対し,Aとクレディアとの間の継続的な金銭消費貸借取引において発生した過払...
[解 説]
1 本件は,シンガポール国籍の被告人(女性)が,氏名不詳者らと共謀の上,営利目的で覚せい剤を輸入しようと企て,マレーシア所在のクアラルンプール国際空港において,3包に小分けされた覚せい剤485.37gのうち,コンドーム等で包まれた1包を自己の膣内に挿入隠匿し,銀紙等で包まれた2包...
[解 説]
1 社会保険庁は平成21年12月31日に廃止され,平成22年1月1日から日本年金機構法に基づき,日本年金機構が発足した。日本年金機構は公法人であり,その職員は国家公務員ではない。社会保険庁の廃止により,525人の職員が,国家公務員法78条4号(官制若しくは定員の改廃又は予算の減少...
[解 説]
1 概要
本件は,平成16年に発生した強盗致傷事件(以下「本件事件」という。)に関与したとして捜査の対象になった5名の原告(本件事件当時,原告X1は刑事未成年,X2及びX3は未成年,X4及びX5は成人であった。)が,警察官の取調べや検察官の公訴提起の違法等を理由に提起した国家賠...
[解 説]
1 本件事案の概要は次のとおりである。Y1は,平成14年2月,訴外A社に入社した。訴外A社は,平成15年7月,子会社としてX1会社を設立した。Y1は,平成16年3月,X1会社に転籍し,同社の従業員となった。ところで,Y1は,平成15年6月19日以降,過労とストレスによる業務上の疾...
[解 説]
1 本件は,公害健康被害の補償等に関する法律に基づき都道府県知事により水俣病の認定を受けた患者である原告が,水俣病を発生させた原因企業である被告と水俣病患者団体との間で昭和48年7月9日に結ばれた水俣病補償協定(以下「本件協定」という。)に基づき,協定に基づく補償給付を受ける権利...
[解 説]
1 事案の概要
(1)本件は,旧運輸省(国交省)が開発推進を決定し,民間と共同開発を行った高度船舶技術「テクノスーパーライナー」(TSL)の事業化プロジェクトにおいて,同技術を用いた次世代超高速船の管理保有会社として設立され,造船会社との間で同船舶の造船契約を,被告との間で同船...
[解 説]
1 Xは,平成5年10月29日,Y1から,千葉市中央区の本件土地と地上建物を,代金2550万円で買い受け,売買代金を完済して,所有権移転登記手続を受けた。
しかし,Xは,本件土地が建築基準法に定める接道義務を満たしていないとし,Y1と売主側の仲介業者Y2に対し,不法行為に基づき...
[解 説]
1 一審原告(昭和9年3月生)は,藤沢薬品工業(当時)を定年退職し,自己の所有する土地,建物において一人暮らしをしていたが,従業員持株制度により取得していた同会社の株式2000株を,姪の勤務していた一審被告を通じて売却したことから,一審被告から株式等の取引を勧誘されるようになり,...
[解 説]
1 本件は,X車とY車とが交差点において衝突した本件事故を原因として,X車の運転者であるXが,Y車の運転者であるYに対し,民法709条に基づく損害賠償を求めた事案である。
2 本件事故の態様は,東西道路と南北道路とが交差する,信号機による交通整理が行われていない本件交差点におい...
[解 説]
1 事実の概要
(1)Xは,発明の名称を「インターネットを利用した顧客支援システム」とする特許出願を行ったが,拒絶査定を受けたので,これを不服とする審判請求をするとともに,特許請求の範囲の補正を含む手続補正(本件補正)を行った。
これに対し特許庁は,本件補正は,願書に最初に添...
[解 説]
1 Xは確定判決の執行力ある正本に基づき,Yが有するZ1~Z3銀行の預金債権の差押命令の申立てをした。この申立書においては,差押債権の表示につき,預金の取扱店舗を一つに特定することなく,「複数の店舗に預金債権があるときは,支店番号の若い順序による。」(支店間支店番号順序方式)と記...
[解 説]
1 本件は,公判前整理手続において,証明予定事実の証明のため刑訴法316条の13第2項に基づき証拠請求された供述録取書やそのほかの証拠書類中に供述者の特定に係る住居,職業,本籍,電話番号(以下「本件各事項」という。)の記載がないのは,同法316条14の開示義務を果たしたことになら...