最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 本件は,中国人留学生であり,犯行当時少年であった被告人が,親からの送金を無計画に費消するなどしたことから,生活費等を得るため,(1)他の中国人留学生1名と共謀の上,遊客を装ってホテルの客室に呼び出した女性から金銭及びキャッシュカードを強取しようと企て,被告人において,大阪市内...
[解 説]
1 本件は,平成22年7月11日施行の参議院(選挙区選出)議員の選挙(以下「本件選挙」という。)において,東京都選挙区の選挙人である原告が,公職選挙法14条,別表第3による選挙区及び議員定数の規定(以下「定数配分規定」という。)が憲法14条1項等に違反すると主張して,東京都選挙区...
[解 説]
1 本件は,Y1(被告大阪府)が所有しY2(被告八尾市)が管理する土地(道路供用予定地であり,以下「本件土地」という。)に隣接する工場(以下「本件建物」という。)でプラスチック加工業を営んでいたX(原告)が,本件土地に放置された可燃性廃棄物に何者かが放火して本件建物に延焼し工作機...
[解 説]
1 訴外A(昭和21年生)は,大学院修士課程を修了後の,昭和46年4月訴外会社に入社し,昭和63年5月に訴外会社を退職したが,平成9年11月,訴外会社に再入社し,平成10年1月にはシステム技術グループのグループ長に就任したものの,平成12年12月,うつ病の診断を受け,平成14年5...
[解 説]
1 本件は,原告が,被告に対し,商業ビルの厨房排水除害施設について,被告の開発した新たな方式による厨房排水除害施設及び中水製造施設に構造を変更する工事を発注したところ,その工事後の厨房排水除害施設及び中水製造施設には設計目標値を達成していないなどの問題があって,被告の債務の履行は...
[解 説]
1 原告らは,いわゆるクレジットカード・イシュアー(クレジットカードを発行する会社)として,会員にVISAブランドのクレジットカードを発行し,小売店等と加盟店契約を締結して,上記カード利用に関する決済を行うほか,被告と提携し,被告の加盟店においても上記カードの利用と決済が可能とな...
[解 説]
1 本件本訴は,Xが商品取引員であるYに委託して行った金の商品先物取引において損失を被ったことにつき,適合性原則違反,新規委託者保護義務違反,断定的判断の提供,取引開始前の説明義務違反,取引中の助言指導義務違反,実質一任売買,不合理かつ無意味な特定売買,過当取引などの違法があった...
[解 説]
1 本件は,原告が,被告が輸入した普通乗用自動車を運転し,信号待ちのために停車中,突然エアバッグが暴発し,左第1指MP関節側副靱帯断裂等の傷害を負ったと主張して,製造物責任法3条に基づき,被告に対し,2535万円余(一部請求)と遅延損害金の支払を求めた事案である。これに対して,被...
[解 説]
1 Xら夫婦は,平成8年12月から,川崎市宮前区Aに住宅を建築して居住しているが,昭和56年6月に設置された「川崎市Aこども文化センター」(以下「本件センター」という。)を利用する子どもらの発する声や物音が騒音として,Xらに精神的損害を与えているとし,敷地の所有者であるY1市と本...
[解 説]
1 申立人Xは,婚姻する意思はなかったが,訴外Aが,X及びXの養父母に無断で,婚姻届及び同婚姻についての養父母の承諾書を偽造し,平成22年4月21日,市長に対し,婚姻届を提出したため,これが受理され,戸籍に婚姻に係る記載がされた。
そこで,Xは,戸籍上の前記記載は真実に反すると...
[解 説]
1 事案の概要
(1)X(債権者・抗告人)は,自ら又は子会社を介し,ドイツ法人H社の日本での唯一の販売代理店として,包装機械及びその部品の輸入販売並びにアフターサービス等を提供する事業(本件事業)を行う会社であり,Y1(債務者・相手方)は,その代表取締役社長や常勤顧問を務めた者...
[解 説]
1 本件は,東京証券取引所マザーズ市場に上場されていた株式会社Y1(被告ライブドア)発行の株
式(ライブドア株式)又はY1の子会社(LD子会社)発行の株式を取得したXらが,Y1が関東財務局長に提出した平成16年9月期の有価証券報告書の重要な事項に虚偽記載があったため,損害を被った...
[解 説]
1 本件事案の概要
A(昭和35年12月生まれの男性)は,平成20年12月24日午後10時ころ,飲食・飲酒をして帰宅し,うたた寝をしていたが,翌日午前1時ころに起きざまに飲酒しようとしたときに食吐物誤嚥を起こし,午前2時ころに窒息死した。Xは,この当時,抑うつ症の治療のため,悪...
[解 説]
1 本件は,原告が,特許庁に対し,発明の名称を「医療用器具」とする発明についての特許権者である被告を被請求人として,無効審判請求をしたが,無効不成立の審決を受けたことから,知的財産高等裁判所に対し,その審決の取消訴訟を提起した事案である。
本判決は,取消事由4(相違点に係る容易...
[解 説]
1 本件は,菓子の販売等を営む原告が,平成17年6月10日に指定商品を第30類「タルト」(後に「紅芋を用いたタルト」と補正)とする商標「紅いもタルト」(以下「本願商標」という。)について,商標登録出願をしたところ,拒絶査定を受けたので,これを不服として審判請求をしたが,請求不成立...
[解 説]
1 事案の概要
(1)被告は,発明の名称を「社交ダンス用フォーム矯正具」とする本件特許につき,設定の登録を受けた。
(2)原告は,全5項からなる請求項のうち,請求項1,2,4及び5に係る特許について,特許無効審判を請求し,特許庁は,請求不成立審決をした。本件審決の理由は,要す...
[解 説]
1 事案の概要
抗告外会社は,債務者兼所有者との間で,債務者兼所有者が所有する本件各土地に,ビルを新築する工事請負契約を締結した。本件工事は,鉄骨を組み上げ,床にコンクリートを打って上棟に至ったが,壁はなく,その後の工事は中止したままである。
抗告外会社は,工事請負代金の支払...
[解 説]
1 本件は,破産した株式会社であるAの破産管財人Xが,主位的には,AとYとの間の預託金返還請求権質権設定契約につき,破産法162条1項2号に基づく否認権を行使したことを前提に,Yに対する再生債権として,預託金返還請求権に基づく預託金債権を有することの確定を,予備的には,Yが上記預...
[解 説]
1 本件は,被告人が,暴力団幹部の共犯者ほか数名と共謀の上,平成11年9月14日,スナック店内において3名の被害者に対して暴行を加え,うち1名の被害者を死亡させ,2名の被害者に対して傷害を負わせた,という傷害致死及び傷害の事案であり,原判決(被告人を懲役7年に処した。)が宣告され...