最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 事案の概要
原告らは,被告の管理・運行する小田急小田原線の代々木上原駅から喜多見駅までの区間(以下「本件区間」という。)の沿線に居住若しくは勤務し,又はかつて居住し若しくは勤務していた者ら合計118名である。
原告らは,小田急小田原線を走行する列車によって生じる騒音,振動...
[解 説]
1 本件は,4階建ての建物の1階部分(以下「本件建物部分」という。)の賃貸人Xが,賃借人Yとの間の賃貸借(以下「本件賃貸借」という。)は借地借家法(以下「法」という。)38条所定の定期建物賃貸借であり,期間の満了により終了したなどと主張して,Yに対し,本件建物部分の明渡し等を求め...
[解 説]
1 本件は,土地家屋の売買業等を営む被告人A社の代表取締役である被告人Bらが,被告人A社の業務に関し,被告人Bらが弁護士でなく,被告人A社が弁護士法人でもないのに,報酬を得る目的で,業として,C社から委託を受けて,C社の所有する本件ビルの賃借人ら74名と立ち退き交渉を行い,賃貸借...
[解 説]
1 本件は,保釈されていた被告人(被請求人)が,実刑判決が確定した後に逃走したことから,検察官が刑訴法96条3項に基づいて保釈保証金の没取を請求した事案について,保釈保証金没取決定の時期的限界が問題となった事案である。
被請求人は,平成20年3月17日に窃盗罪により簡易裁判所に...
[解 説]
1 ミャンマー国籍を有する外国人の男性であるXは,平成14年7月ころ,他人名義の旅券を用いて本邦に上陸した。Xは,平成18年2月に入管法違反容疑で現行犯逮捕され,有罪判決を受けた後,同年4月に,東京入管横浜支局入国審査官から入管法24条1号に該当する旨の認定を受け,口頭審理の請求...
[解 説]
1 本件は,建設業者である原告が,被告が発注する指名競争入札による公共工事において,被告の長が恣意的に原告を指名しなかったとして,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案である。
2 本件の争点は,①被告が発注する公共工事に係る指名競争入札につき,原告を指名し...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,公立小学校における組み立て体操の練習中に,当時,6年生の児童であった原告が,4段ピラミッドの最上位から落下して傷害を負った事故について,指導及び監督に当たった教員らに過失があったとして,同小学校を設置する被告に対し,国家賠償法に基づく損害賠償を請求した事...
[解 説]
原告は,被告の経営する中高一貫校で国語科の教員をしていたが,在職中の平成15年6月ころ,うつ病を発症して,平成20年3月31日,就業規則上,心身の故障のため職務の遂行に支障があるなどの理由で解雇された。
本件は,原告が,被告に対し,うつ病の罹患や悪化について被告に安全配慮義務違...
[解 説]
1 事案の概要(なお,略称は,本判決の略称に従う。)
(1)本件は,被控訴人が,控訴人との間で,利息を月2割とする約定で,控訴人に100万円を貸し付けたと主張して,控訴人に対し,本件貸付金等の返還を求めたところ,控訴人は,本件利息約定は,出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに...
[解 説]
1 本件事案の概要
A,Y住宅供給公社は,平成4年12月,Aが東京都足立区内に新築する建物(本件建物)について,①Yが特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(特優賃法)で定める特定優良賃貸住宅(特優賃住宅)として借り上げ,都民住宅として賃貸する,②Yは,A・東京都と協議の上,...
[解 説]
1 本件は,原告が,被告の夫であるAが原告に対して1億4355万1263円の損害賠償義務を負っていたところ,Aがその所有する不動産持分を被告に売却した行為(以下「本件売買」という。)が詐害行為に該当するとして,被告に対し,詐害行為取消権に基づき,同売買契約を取り消すとともに,価格...
[解 説]
1 本件は,被相続人Aの共同相続人の1人である原告が,信用金庫である被告に対し,Aの預金を相続したとして,その払戻しを請求した事案である。
Aは,被告に,普通預金,定期預金,定期積金(以下,併せて「本件預金」という。)を有していたが,平成17年6月25日に死亡し,Aの4人の子が...
[解 説]
1 本件は,原告が,製薬会社である被告らにおいて製造販売するコレステロール低下剤(以下「本件医薬品」という。)を服用したところ,その副作用として神経原性又は筋原性を理由とする筋障害等の健康被害が生じたとして,被告らに対し,製造物責任法3条等に基づき,損害賠償の請求をした事案である...
[解 説]
1 本件は,Yの経営する産婦人科医院で第2子を出産したXが,出産時に子宮脱あるいは子宮下垂が発生したとして,Yに対し,債務不履行又は不法行為に基づき,5695万円余の賠償を求めた事案である。
一審は,Yの行った本件手技(クリステレル圧出法)に合理性が認められ,手技上の過失は認め...
[解 説]
1 事案の概要
Y組合は,漁業協同組合であるところ,港湾の埋立てにより共同漁業権が制限されることとなり,平成13年及び平成15年に補償金を得ることとなった。Y組合は,平成13年9月の臨時総会において,同年の補償金を借入金の返済に充てる旨の特別決議(本件決議1)を行い,平成15年...
[解 説]
1 本件は,Xが,「白色系卵採卵用鶏にビタミンK3を10~100ppm含有する飼料を与えて飼育することを特徴とするビタミンK2高含有白色系鶏卵の生産方法」とする発明について,特許出願をしたが,拒絶査定がされ,不服審判請求についても不成立の審決がされたことから,特許庁長官を被告とし...
[解 説]
1 事案の概要
Xらは,「リチウム二次電池およびリチウム二次電池の製造方法」とする発明について,特許出願をしたが,拒絶査定を受けた。Xら代理人のK弁理士は,拒絶査定不服審判を請求したが,その審判請求書には,審判請求人としてX1のみを記載し,X2を記載しなかった。
特許庁は,特...
[解 説]
1 X(本訴原告,反訴被告:国立大学)とY(本訴被告,反訴原告:ベンチャー企業)は,抗体開発に係る共同研究を行っていたところ,その過程で得られた有望な抗体について,Yが,単独で,特許出願及びこれを優先権の基礎とする特許出願を行った(Y出願1~3)。一方,Xも,同一の発明について,...
[解 説]
1 事案の概要
(1)本件は,約19年前に発生し,2名が死亡した一酸化炭素中毒死事故について,死亡事故の原因は,事故現場に設置されたガス湯沸器であるとして,その遺族である申立人らが,ガス湯沸器の製造会社及びガス事業者などに対し,不法行為に基づく損害賠償請求を求める本案訴訟にお...
[解 説]
1 本件は,窃盗の事案について,弁護人の未遂の主張が排斥され,既遂罪の成立が認められた事例であり,事案の概要は,次のとおりである。
すなわち,被告人は,大型店舗の3階家電売り場に陳列してあったテレビ(幅469㎜,高さ409㎜,奥行き167㎜,以下「本件テレビ」という。)を盗むた...