最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要
(1)経済産業大臣は,A株式会社に対し,同社が大阪市中央区日本橋に設置を計画している場外車券発売施設(以下「場外施設」という。)「サテライト大阪」につき,平成17年9月26日付けで自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの。以下「法」という。)4条2項...
《解 説》
1 事案の概要
Xの父であるAは11億円余りの国税を滞納していたところ,Aの妻でXの母であるBが死亡し,その相続人であるA,X及びXの弟であるCの3名が,亡Bの約2億円の遺産について遺産分割協議(本件遺産分割協議)をした結果,滞納者であるAがその相続分(2分の1)を大きく下回る約...
《解 説》
1 本件は,本件土地の賃貸人であるXが,賃借人であるY1による無断転貸を理由に本件土地の賃貸借契約を解除したとして,Yらに対して本件土地上の建物を収去して本件土地を明け渡すこと及び賃料相当損害金を支払うことなどを求めたもので,無断転貸につき賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特...
《解 説》
1 本件は,Xらが,Yに委託して行った商品先物取引において損失を被ったことにつき,Yに説明義務違反があったなどとして,Yに対し,商品先物取引委託契約上の債務不履行に基づく損害賠償を求める事案である。
2 事実関係は,次のとおりである。
(1)X1は,融資等を目的とする会社であり,...
《解 説》
1 本件は,自動車事故の被害者が,加害車両の保有者が不明であるため,自賠法72条1項前段に基づき,国に対し,政府の自動車損害賠償保障事業による損害のてん補を求める事案である。
政府の自動車損害賠償保障事業は,加害車両の保有者が不明であったり,無保険であるなどして,被害者が自賠法に...
《解 説》
1 本件は,Xが,X及びYほか5名を債権者,Aを債務者,Bを第三債務者とする債権執行の配当手続について作成された配当表の変更を求める配当異議事件である。
2 事実関係の概要等は次のとおりである。
(1)債権執行においては,債権者が元金及びこれに対する支払済みまでの遅延損害金の支払...
《解 説》
1 本件は,島根県公安委員会から風俗営業の許可を得て,パチンコ店(以下「本件パチンコ店」という。)を経営している被控訴人が,平成19年10月19日,「被控訴人は,島根県公安委員会から風俗営業の許可を受けて本件パチンコ店を経営するもの,Cは同店の元店長として稼働していたもの,A,Bは...
《解 説》
1 被告群馬県は,被告国が日本全国の道路上に設置,管理する自動車ナンバー自動読み取りシステム(以下「Nシステム」という。)に,原告が所有し,使用していた軽自動車(以下「本件車両」という。)が実際には盗難車両等の手配車両でないにもかかわらず,手配車両に該当する旨の誤った登録を行った。...
《解 説》
1 中古車販売センターのセンター長であったX(被災時50歳)は,発作性心房細動による脳梗塞を発症し(「本件疾病」という。),加療後も右上下肢不全麻痺及び失語症等の症状が残った。
Xは,本件疾病は業務に起因すると主張し,労働基準監督署長に対し,労働者災害補償保険法に基づき障害補償給...
《解 説》
1 本件は,Y(一審被告)が経営していた三菱長崎造船所において稼働したXら(従業員及びその遺族。一審原告)が,Yの安全配慮義務違反によってじん肺に罹患したとして,Yに対し,債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案である。
1審判決は,Xらのうち3名の請求をいずれも棄却し,その余の...
《解 説》
1 本件は,原告が,「ISU世界フィギュアスケート選手権大会2007東京」(本件大会)について,被告から,①東京都及び東京都議会との交渉,調整業務,②東京体育館の製氷費用の削減,補修費及び営業補償費の免除交渉,③東京体育館の借上げ料値下げ交渉(事前),④東京都との調整及び仕様調整に...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,「アトシステム」なる商品名の「クレンジング」,「ウォッシング」等9つのアイテムからなるアトピー肌用化粧品(原告商品)の容器をデザインしてこれを開発し,その容器を用いた化粧品をエステティックサロン等に販売していた。これに対し,被告ら(会社)は,原告から原告商...
《解 説》
1 本件は,Yが発行した新聞紙上に,警視庁はX1が「テロ資金」を海外へ送金するための地下銀行を営んでいた疑いがあるとみて捜査しているなどの記事(以下「本件記事」という。)が掲載されたことについて,X1及びX1が代表取締役を務める株式会社X2が,本件記事により名誉を毀損されたと主張し...
《解 説》
1 X(一審原告,被控訴人兼控訴人)は,昭和43年に名古屋大学理学部物理学科を卒業してY(一審被告,控訴人兼被控訴人)に入社し,平成14年8月31日までYに在職した。
本件訴訟は,平成16年法律第79号による改正前の特許法35条(以下「旧35条」という。)3,4項に基づき,XがY...
《解 説》
1 事案の概要
(1)Xは,判決別紙の構成からなる商標(本願商標)について,第30類の商品「Chocolate,pralines.」(チョコレート,プラリーヌ)を商標の保護を求める商品として国際登録出願をしたが,特許庁が拒絶査定をしたので,不服審判を請求した。
(2)特許庁は,...
《解 説》
1 事案の概要
(1)本件は,日本法人であるX1が,同じく日本法人であるX2から,X2と韓国法人であるYとの間の商品売買契約(東京地方裁判所を管轄裁判所とする旨の管轄裁判所条項を含む。)の買主たる地位の移転を受けたところ,Yから納品された商品(ダイアリー及びタオル)に瑕疵があった...
《解 説》
1 本件は,複数の区分所有建物(本件各建物)について根抵当権の設定を受けた相手方が,根抵当権に基づく物上代位権の行使として,本件各建物を賃借してこれを転貸している抗告人の各第三債務者に対する転貸賃料債権について差押命令(原決定)を得たところ,抗告人が,本件は抵当不動産の転貸人を所有...
《解 説》
本件は,被告人が,その経営する会社の将来を悲観し,家族を道連れにした無理心中を企て,就寝中の家族5人を殺害するべく,次々に包丁で刺突するなどして,両親と妻を殺害したほか,長男及び次男に対してはそれぞれ傷害を負わせるにとどまり,殺害の目的を遂げなかったという事案である。
本件の争...