最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,左大腿骨を骨折した65歳の患者Aが,Yの開設する病院において全身麻酔と局所麻酔を併用して人工骨頭置換術を受けたところ,手術中に血圧が急激に低下し,心停止となって死亡したことから,患者の相続人であるXらが,担当医師らには麻酔薬の過剰投与,心臓マッサージの開始の遅れ等の...
《解 説》
1 Y1社は,日刊新聞の発行を目的とする株式会社であって,定款により,株式の譲渡には取締役会の承認を要すると定めるとともに,日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律(以下「日刊新聞法」という。)1条に基づき,同社の株式譲受人は事業に関係のある者に限る...
《解 説》
1 事案の概要
Aは電力会社に勤務していたが,うつ病にり患した後,焼身自殺した。Aの妻であるXは,Aがうつ病にり患して焼身自殺したのは業務に起因するものであるとして,労働者災害補償保険法に基づき,遺族補償年金及び葬祭料の支払請求をしたところ,Y(N労働基準監督署長)が,支給し...
《解 説》
1 本件事案の概要
平成9年に自宅マンションを購入していたXは,平成16年3月10日,このマンションを売却し,同月24日,別のマンションに買い換えた。この当時は,所得金額を計算するに当たって,建物の長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失をほかの各種所得金額から控除(損益通算)す...
《解 説》
1 本件は,亡A作成の遺言公正証書による受遺者である原告が,亡Aから財産管理を委ねられていた弁護士である被告に対し,被告が亡Aの遺産である預貯金から取得した2108万9360円から被告が取得すべき弁護士報酬額を控除した残金について,支払を求めた事案である。
2(1) 被告は,...
《解 説》
1 Xは,平成19年2月17日,赤倉観光リゾートスキー場のゲレンデを滑降していたところ,同ゲレンデをスノーボードで滑降してきたYと衝突し,左脛骨プラトー骨折等の傷害を負い,入通院治療を余儀なくされるに至った。
そこで,Xは,Yに対し,前方不注視などの過失があったとし,不法行為...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,資産の運用等を行う生命保険会社又は信託契約若しくは再信託契約に基づき受益者らの資金の運用等を行う信託銀行が,いわゆる機関投資家として,被告の株式に投資していたところ,被告が提出した平成16年9月期有価証券報告書等に,売上計上が許されない被告株式の売却益...
《解 説》
Yは,合成樹脂製品を製造販売する株式会社であり,Xはその代表取締役を15年間勤めた後,代表取締役及び取締役を退任した者である。Yにおいては,Xの退任当日,株主総会が開催され,株主6名のうち5名(持ち株比率合計40%)が出席し,「会社内規に従い,金額,時期,方法については後日開催...
《解 説》
本件は,スポーツマーケティングを主な業務とするX(商号「スポーツ・マーケティング・ジャパン株式会社」,原審原告・控訴人)が,同種業務を行うY(現商号「ジャパン・スポーツ・マーケティング株式会社」,原審被告・被控訴人)に対し,会社法8条に基づき,Yが「不正の目的」をもってXと誤認...
《解 説》
原告は,意匠に係る物品を「研磨パッド」とする意匠登録出願をしたが,拒絶査定を受け,拒絶査定不服審判を請求したが,創作容易性(意匠法3条2項)を理由に審判請求不成立とする審決を受け,審決取消訴訟を提起した。本判決は,審決には,本願意匠の構成の認定の誤り,及び創作容易性の判断の誤り...
《解 説》
1 本件は,原告が,被告に対し,被告の使用する溶融アルミニウム合金搬送用加圧式取鍋が,原告の有する特許発明の技術的範囲に含まれ,また,原告の有する意匠権に係る意匠と類似するとして,特許権侵害及び意匠権侵害に基づき,前記加圧式取鍋の使用差止等及び損害賠償を求めた事案である。被告は...
《解 説》
1(1) 原告らは,いわゆる光市母子殺害事件(最三小判平18.6.20判タ1213号89頁及び広島高判平20.4.22〔最高裁HP〕)の弁護人である。
光市母子殺害事件は,当時18歳の少年であった被告人が,白昼,配水管の検査を装って上がり込んだアパートの一室において,当時23...
《解 説》
1 XはA農業協同組合(A農協)を吸収合併した農業協同組合であり,Y1はA農協の代表理事,組合長であった者,Y2はA農協の理事であった者である。A農協はYらが代表理事,理事であった当時,Y2の親族等の個人及び法人に対し合計11件,総額12億円を超える多額の貸付(本件貸付)を行っ...
《解 説》
1 本件は,刑事事件(盗品等有償譲受被告事件)の被告人である相手方が任意提出して警察署に領置された現金(153万余円)を目的物として特定して発せられた追徴保全命令(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律42条2項ただし書)に基づく仮差押えの執行において,担当執行官が...
《解 説》
1 本件は,被告人が,窃盗の目的で,JR新宿駅に停車中の山手線電車内において,22歳の女性が左肩に掛けていたショルダーバッグ(以下「バッグ」という。)内に左手指を差し入れ,在中品を窃取しようとしたが,警察官に発見されて逮捕されたため,その目的を遂げなかったという窃盗未遂罪に問わ...
《解 説》
1 ①②事件は,解体事業等を営む各被告会社を経営していた各被告人が,平成13年,前後数十回にわたり,茨城県知事から産業廃棄物の処分の許可を得ていない同一の相手方会社に対し,「木くず」を無償で同県内の工場において処分することを委託したことが,当時の廃棄物の処理及び清掃に関する法律...