最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,A運転の自動二輪車とパトカーとが衝突し,自動二輪車に同乗していたBが死亡した交通事故につき,Bの相続人であるXらが,パトカーの運行供用者であるYに対し,自賠法3条に基づく損害賠償を請求する事案である。
AとBは,中学校時代の先輩後輩の関係であり,事故当日の午後9時...
《解 説》
1 本件は,発明の名称を「発光ダイオードモジュールおよび発光ダイオード光源」とする本件特許(平成5年9月17日優先権主張,平成15年6月20日設定登録)の特許権者であるXが,特許異議申立事件につき特許庁がした本件特許の取消決定の取消しを求めた事案である。
2 本件の手続経過は...
《解 説》
1 本件は,原告ら26名が,1審判決別紙物件目録記載1~4の各土地は鹿児島県西之表市塰泊浦集落の住民を構成員とする入会集団(本件入会集団)の入会地であり,原告ら及び被告馬毛島開発株式会社(被告会社)を除く被告ら(以下「被告入会権者ら」という。)は本件入会集団の構成員であると主張...
《解 説》
1 本件は,被告人が,自分がその代表取締役である会社が所有する家具店の店舗に放火して,火災保険金をだまし取ろうとした非現住建造物等放火,詐欺未遂の事案である。被告人は,犯行を全面的に否認したが,第1審,原審ともに,被告人の犯行であると認定された。その過程において,本件火災の原因...
《解 説》
1 本件は,小売業を営む原告が,容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容リ法)上の特定容器利用事業者として再商品化義務を履行するため,被告協会との間で再商品化に関する契約を締結して委託金を支払ってきたところ,①容リ法11条2項2号ロ(本件規定)が特定容器利用事...
《解 説》
1 本件は,裁定取引を主とする株式売買のトレーダーとして自宅において稼働していた原告(フランス人男性)が,処分行政庁に対し,原告の子であるAにつき,保育所への入所申込みをしたところ,処分行政庁から,保育所入所を承諾しない旨の処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,被告に対...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告が,富山県高岡市内に病院の開設を計画し,被告に対し,平成9年3月6日付けで病院開設に係る医療法(平成9年法律第125号による改正前のもの。以下同じ。)7条1項の許可の申請(以下「本件申請」という。)をしたところ,被告が,原告に対し,同年10月1日付...
《解 説》
X弁護士はかつての同僚弁護士から懲戒請求を受け,Y弁護士が懲戒委員会の委員長としてその審査に当たった。同委員会はXを戒告に処するとの議決をした。本件は,XがYに対し,懲戒委員会の審査期日においてXが発言を求めて陳述しようとしたところ,Yが「もう終わりました」などと述べてXに陳述...
《解 説》
1 本件は,被告Y税務署長が,Aの被相続人Bからの相続に係る相続税の滞納額について,原告が相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)34条1項に基づく連帯納付義務を負うとして,原告に対し,督促状に督促金額明細を記載した督促処分をし,その後,上記督促処分に係る督促状の督促...
《解 説》
1 本件は,株式会社A銀行の従業員であったXが,在職中の過重な業務が原因でうつ病を発症し,その後増悪したことにより退職を余儀なくされたとして,札幌東労働基準監督署長に対し,労働者災害補償保険法に基づく休業補償給付の支給を請求したところ,同署長から同給付を支給しない旨の処分を受け...
《解 説》
1 本件は,長年にわたり公衆の通行の用に供されてきた本件土地の所有者であるYが,同土地上に建物とアルミ製の門扉などを設置し(別紙図面参照),本件土地を封鎖して通行ができない状態にしたところ,本件土地の周辺に店舗や住居を構えるXらにおいて,明示又は黙示の通行地役権が設定された,通...
《解 説》
1 本件事案の概要は,次のとおりである。
(1) 原告は,平成12年8月,不動産賃貸を事業として営む被告との間で,被告の所有する建物の一室(以下「本件物件」という。)につき,賃料1か月4万5000円,契約期間1年,更新料10万円の約定で賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」という...
《解 説》
1 本件は,建物建築請負契約に基づいて大手住宅メーカーである被告が建築し,原告らに引き渡した木造・一部RC造の住宅用建物を巡る紛争である。原告らは,本件建物に入居後,ホルムアルデヒドを原因物質とするいわゆるシックハウス症候群に罹患したが,これは,被告が,契約内容に反した施工を行...
《解 説》
1 Xは,平成13年から平成15年5月30日までの間に,訴外A協同組合に対して農作物を販売し,4668万5451円の売掛金債権を有していたので,平成16年4月13日,A協同組合のY1社に対する売掛金債権について仮差押えを行い(以下「本件仮差押え」ともいう。),次いで本執行をする...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告が,①被告社団法人共同通信社(以下「被告共同通信社」という。)が発信するインターネット上のウェブサイトに掲載された記事,②被告株式会社上毛新聞社が発行する上毛新聞に掲載された被告共同通信社が配信した記事,③被告株式会社静岡新聞社が発行する静岡新聞に...
《解 説》
1 本件は,Xが,新聞社であるYらに対し,①ないし④記事が記載された新聞記事(本件記事)を掲載したことにより,Xの名誉が毀損され精神的損害を受けたとして,不法行為に基づき,Yらそれぞれに対し550万円(慰謝料500万円及び弁護士費用50万円)の損害賠償並びにY新聞縮刷版からの記...
《解 説》
1 事案の概要
(1) X(被控訴人・附帯控訴人,1審原告)は,Y(控訴人・附帯被控訴人,1審被告)に対し,Yの有する「アクティブマトリクス型表示装置」に関する特許権(以下「本件特許権」といい,特許請求の範囲の請求項1記載の発明を「本件特許発明」,同発明についての特許を「本件...
《解 説》
1 事案の概要
乳酸及び乳酸エチルの精製,販売等を目的とする会社である原告は,農作物の乳酸発酵に関する発明についての特許を受ける権利(以下「本件特許を受ける権利」という。)を発明者から譲り受け,特許出願を行った。これに対し,被告は,原告から本件特許を受ける権利を譲り受けたとし...
《解 説》
1 本件は,本件不動産を競売手続で買い受けたXが,当該不動産の占有者であるYに対する民事執行法83条所定の引渡命令を申し立てた事案である。Xは,引渡命令を申し立てる前提として,既に買受代金を納付していて,かつ,当該申立ては代金納付の日から同条所定の6か月の期間内に申し立てられて...
《解 説》
1 本件は,被告人が,ほか3名と共謀の上,被告人の経営支配する会社が登記名義人となり,個人病院として使用されている他人の建物及びその地上権につき,電磁的公正証書である登記記録に不実の抵当権設定仮登記及び所有権移転仮登記を記録させて閲覧できる状態にするとともに,その抵当権設定仮登...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,被害者と交際していた被告人が,被害者から別れ話を持ち出されていたところ,被害者に考え直すように迫ったものの拒絶されたため,殺意をもって,その頚部を強く絞め付けて失神させることを数回にわたって繰り返し,被害者が急激に失神した様子を見て死亡したものと誤信し...