最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,大動脈弁閉鎖不全のためA大学医学部附属病院(以下「本件病院」という。)に入院して大動脈弁置換術(以下「本件手術」という。)を受けた乙川一郎が本件手術の翌日に死亡したことについて,一郎の相続人である原告ら(控訴人,被上告人)が,本件手術についてのチーム医療の総責任者で...
《解 説》
1 大阪狭山市情報公開条例(本件条例)は,何人も,実施機関に対し,公文書の公開請求をすることができ(5条),実施機関は,公開請求に係る公文書に非公開情報のいずれかが記載されている場合を除き,当該公文書を公開しなければならないと定め,非公開情報の一つとして,個人に関する情報であっ...
《解 説》
1 事案の概要
事案の骨子
本件は,西大阪延伸線の予定地の近隣に居住又は勤務する者(101名)が,これについてされた都市計画事業認可の取消しを求めた事案である。
都市計画事業
本件で問題とされた都市計画事業とは,都市高速鉄道(都市計画法4条5項,11条1項1号)とし...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告が道路交通法(以下「法」という。)49条1項に違反して時間制限駐車区間に駐車していたため,法51条の3に基づく指定車両移動保管機関(以下「指定機関」という。)から車両の移動保管措置料金及び保管料金の納入を求める納入通知を受けたことから,納入通知の取...
《解 説》
Xの夫Aは平成2年4月以降,B社において医療情報担当者(MR)として勤務していたが,同15年3月7日未明,8通の遺書を残して自殺した。XはAの自殺が業務上の心理的負荷に起因するものであるとして労働基準監督署長に対し,労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づく遺族補償年金及び葬祭...
《解 説》
1 事案の概要
Xらの子である亡Aは,Y1に雇用され,Y2の工場内において,高さ90cm足場面積40cm四方の作業台の上に立ってライン上を流れる缶の蓋を検査する作業(検蓋作業)に従事していた。ところが,亡Aは検蓋作業に従事している際に,作業していた作業台から転落し工場床面に頭...
《解 説》
学校法人Yが設立する中高一貫校は,論語に依拠した道徳の授業をする点で特色があり,県下有数の進学校として全国的に注目されていた。同校の校長Aは平成16年7月に解任され,これに伴い同校での論語に依拠した道徳の授業は廃止された。同校の生徒の父母であるXらは,従来行われていた論語に依拠...
《解 説》
本件は,交差点で91歳の女性歩行者Xと25歳の女性歩行者Yが衝突し,Xが負傷した事故について,第1審判決(東京地判平18.6.15判タ1241号143頁)がYの注意義務違反を認めて779万円余(3割過失相殺後)の損害賠償を命じたのに対し,本件控訴審判決がYの注意義務違反を否定し...
《解 説》
1 本件は,X1(夫)の妻でX3(母)の子であるAが平成15年10月にY1町が設置運営する病院において帝王切開によりX2(男児)を出産した後,頻呼吸となるなど容態が急変して翌日未明に死亡したことについて,Xらが,担当医師であるY2の帝王切開時の術創の縫合不全により出血を招来した...
《解 説》
1 訴外Aは,平成11年4月4日ころ,訴外Bに対し,自己の死亡を原因として,その所有に係る本件不動産を贈与した。 Bは,平成15年3月29日に死亡し,その相続人であるXがその地位を承継したが,Aは,平成19年4月7日に死亡したため,Xは,Aの相続人であるYに対し,本件不動産につ...
《解 説》
1 事案の概要
本件事案の概要は次のとおりである。
Y(株式会社)の元従業員であるXは,Y在職中に半導体不揮発性記憶装置等に関する特許発明5件及び考案1件をした。本件は,Xが,Yに対し,各特許発明等について,平成16年法律第79号による改正前の特許法35条(以下,同条につい...
《解 説》
本件は,原告が,①原告が意匠権者である金属管継手の登録意匠と類似する意匠の金属管継手を販売する被告の行為が,原告の意匠権を侵害するとして,意匠法37条1項,2項に基づき,被告に対し,被告の各商品の製造,譲渡,貸渡し,輸入,譲渡若しくは貸渡しの申出の禁止を求め,②原告の商品である...
《解 説》
1 本件の概要
本件は,被告人が政治ビラを分譲マンション(以下「本件マンション」という。)の各住戸のドアポストに投函する目的でその共用部分に立ち入ったことが住居侵入罪に問われた事案である。
上記事実関係について,検察官は,住居侵入罪の成立を主張し,弁護人は,①本件の捜査手続...
《解 説》
1 本件は,右翼団体に所属する被告人が,借金,体調不良,所属団体内での疎外感により,右翼として一花咲かせた上で自殺することを企図し,主に自決目的で包丁を所持しつつ,かねてからその言動等に反感を抱いていた現職の衆議院議員の言論を封殺するため,同人の実家(以下「本件居宅」という。)...
《解 説》
1 本件は,被告人が,デジタルカメラ機能付き携帯電話機で衣服の上から女性の臀部等を盗撮したという公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(北海道条例)違反の事案である。
本条例2条の2第1項は,「何人も,公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し,正当な理由がな...