最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 Y町内で土木工事業を営むXは,Y発注の土木工事の指名競争入札に参加し,平成10年度から平成12年度まで工事を受注していたところ,Yの町議会は,平成12年12月20日,Yの公職関係者のうち町議会議員,町長,監査委員,農業委員会長及び県議会議員並びにその配偶者や2親等内の血族者...
《解 説》
1 原告は,戸籍上及び生物学上の性が男性であり,内心及び身体の外形においては女性である性同一性障害者(ただし,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の審判は受けていない。)であるが,横領事件の被疑者として逮捕され,警察署付属の留置場に留置された者である。
本件...
《解 説》
1 本件は,人材派遣業者Y2(1 審被告・被控訴人)から出版社Y1(1審被告・被控訴人)に派遣されたX(1審原告・控訴人)が,Yらが出版業務において一体であることなどを理由に,XとY1との間における黙示の雇用契約の成立等を主張し,労働契約上の使用者は派遣先のY1であるとして,派...
《解 説》
1 本件事案の概要
運送業を営んでいたA会社は,平成11年1 月,Y1会社に,3つあった営業部門のうち2つを譲渡するとともに,22人いた運転手のうち17人を転籍させた後,平成12年12月に解散し,それに伴いXらを含むA会社に残っていた運転手を解雇した。Y1会社は,A会社株式の...
《解 説》
Yは健康食品の販売等を目的とする韓国法人であるところ,平成14年12月,日本人X との間で,日本でY の子会社を設立し,その代表取締役に就任すること等の内容の委任契約を締結したが,同15年2月,X に対し,日本への進出を断念すると伝え,委任契約を解除した。XはYに対し,主位的に...
《解 説》
1 X(注文者)は,Y(請負人)との間で,賃貸建物の設計及び施工を内容とする請負契約を締結したが,工事の途中に解除の意思表示をした。Xは,解除の理由として,Yには,設計図書,見積書等を交付しなかった,建築予定地には6階ないし7階の建物を建てることができるところ3階までしか建てら...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 原告Aは,強盗致傷事件(以下「本件強盗致傷事件」という。)の被害者であり,同事件の刑事公判において,真実は原告Aが加害者(C1,C2及びC3)から強盗致傷の被害を受けたにもかかわらず,「自動車の運転を巡ってC2とトラブルになり,C2とけんかになったが,...
《解 説》
1 本件は,三菱自動車車輪脱落事故として報道された事件であり,走行中の大型トラクタ(以下「本件事故車両」という。)から脱落した車輪が衝突して死亡した被害者の母である原告が,本件事故車両を製造した被告会社に対しては,本件事故車両に装用されていた被告会社製造のD型ハブ(車軸と車輪を...
《解 説》
X1はX2を教祖とする権利能力なき社団であるが,XらはYの発行する週刊誌平成15年5月15日号及び同年6月19日号の記事,見出し及びその新聞広告によりいずれも名誉を毀損されたとして損害賠償及び謝罪広告の掲載を求めて訴えた。第1審東京地判平17. 5. 13判タ1228号232頁...
《解 説》
本件の事案の概要は次のとおりである。原告は,テレビ番組である「開運!なんでも鑑定団」の制作会社であり,同番組は,番組に出演する古美術鑑定等の専門家らが参加者が持ち込んだ骨董品等の各種品物を鑑定し,その真価を判定することを内容とするものであり,スタジオにおいて各種品物を鑑定するほ...
《解 説》
1 本件は,Y の開設する病院において,髄膜腫の摘出術を受けた際に生じた急性硬膜下血腫のために死亡したA(本件事故当時69歳。主婦)の遺族であるXらが,Yに対し不法行為に基づく損害賠償請求をした事案である。
Xらが主張した担当医師Bの過失は,①髄膜腫摘出術の必要性,危険性等につ...
《解 説》
1 事案の概要
患者X(昭和19年生。女性)は,平成14年2月11日(以下,平成14年については月日のみを記載する。),自宅のトイレで倒れたため,救急車で大学病院に運ばれ,そのまま入院した。同院担当医師は,左視床出血及び脳室内穿破と診断し,血圧コントロールによる保存的治療を開...
《解 説》
1 訴外A(昭和8年生)は,平成14年9月20日,胆管の異常のため,Yの経営するB病院に入院し,4月24日,内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(以下「ERCP」という。)を受けたが,その後急性膵炎を合併し,4月27 日,重症急性膵炎による多臓器不全のため死亡した。
そこで,Aの遺族...
《解 説》
1 本件は,当時被告設置の小学校に6年生として在籍していた児童である原告が,体育授業中に運動会の種目である組体操の練習をしていたところ,転落して前歯3本を損傷した事故につき,指導教諭らに債務不履行(安全配慮義務違反)があったとして,被告に対し,損害賠償を求めた事案である。
2...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Xは,弁護士であり,債権回収にまつわる法律問題に関し簡潔かつ平易な記述をもって解説する文献(原告文献1),署名・捺印にまつわる法律問題に関し簡潔かつ平易な記述をもって解説する文献(原告文献2)及び手形・小切手にまつわる法律問題に関し簡潔かつ平易な記述を...
《解 説》
1 本件本訴は,Xが,民事再生手続を申し立てたYに対し,その再生手続開始決定前にXY間で締結した商品管理及び物流システムの構成機器の売買契約に基づく売買代金債権(以下「本件売買代金債権」という。)や,物流業務委託契約に基づくYの民事再生手続開始後の委託料債権が共益債権であるなど...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,熊本に本社を有し特定建設業の許可を得て建設業を営む会社の取締役兼東京支店長であった被告人が,代表取締役社長らと共謀の上,(1)九州地方整備局長にあて,真実は債務超過であるのに,債務超過ではない旨虚偽の記載をした貸借対照表等(33期営業年度のもの。平成1...