最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本決定は,いわゆる名張毒ぶどう酒殺人事件として著名な事件の第7次再審請求事件につき,再審を開始し刑の執行を停止した原決定を取り消し,再審請求を棄却した異議審の決定である。
事件は,本決定に判示されているように,昭和36年3月28日,三重県と奈良県の県境の村落の住民らで構成...
《解 説》
1 本件は,日航機志摩半島上空乱高下事件といわれる航空機事故に関する控訴審判決である。平成9年6月8日,香港発名古屋行日本航空706便(MD―11型機)が名古屋空港へ着陸するために降下中,三重県志摩半島上空約1万7000フィート付近において,激しく揺れて乱高下し,そのため,乗客...
《解 説》
1 本件は,いずれも,破産管財人が,破産者を賃借人とする建物賃貸借の賃料等をあえて支払わず,敷金を充当する処理をして破産財団の充実を図ることが,敷金返還請求権に質権の設定を受けていた質権者に対する関係で許されるかどうかが問題となった事案である。①事件と②事件は,いずれも,同一の...
《解 説》
1 有線ラジオ放送業者であるXは,北海道,東北,関東,中国,四国,九州各総合通信局長に対し,同業他社であるA社が,上記各局長に提出した「有線ラジオ放送の設備の設置及び業務の開始届」及び「変更届」等の情報開示請求を行った。これらの情報が開示されると,A社が,届出に基づいて適法に営...
《解 説》
1 本件は,原告が,勤務先の会社でくも膜下出血を発症した夫の労災申請の相談のために訪れた労働基準監督署の窓口で,担当者(被告乙)から,原告の労災申請を断念させようとして,労災申請は認められない旨の誤った内容の教示をされた上,侮辱的言辞を浴びせられたため,うつ状態に陥ったと主張し...
《解 説》
地方税法73条の14第8項は,公共事業の用に供するため不動産を譲渡した者は不動産を譲渡した日から2年以内に譲渡した不動産に代わる不動産を取得した場合,不動産取得税の課税標準の算定については,譲渡した不動産の固定資産課税台帳に登録された価格に相当する額を価格から控除する旨定めてい...
《解 説》
被告(枚方市)は,同市立小中学校の生徒を対象として,「枚方市立小中学校学力診断テスト」(以下「本件学力テスト」という。)を実施し,その結果をもとに,枚方市全体及び各学校ごとに,国語,数学,英語,理科,社会の教科全体,観点別,領域別の平均得点及び到達評価を記録した文書(以下「本件...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Yは清掃等を主たる業務としている会社であり,Xはその従業員であった者である。Xは,平成13年7月,Yとの間で,勤務時間を18時から20時30分,時給1200円とする契約を締結し(以下「①契約」という),パートタイマーとして,Oホテルの専用部...
《解 説》
1 本件は,甲が自動車に乗車中,自動車の横転等で甲が死亡したという交通事故が発生したことに関し,甲の父母であるXらが,自動車の保有者であるYに対し,自賠法3条本文に基づき,総損害額の一部の支払を求めた事案である。
Yとその補助参加人Z(自賠責保険会社)は,Yの運行供用者性,甲...
《解 説》
1 A 株式会社の代表取締役であるYは,B信用金庫との間でAの信用金庫取引上の債務につき包括根保証契約を締結したが,その後に辞任した。Xは,Yの辞任後のBのAに対する貸付(本件貸付)につき信用保証したが,Aが借入金債務の履行を怠ったため,保証債務を履行した。本件は,Xが保証人間...
《解 説》
1 本件は,妻とともにもと酒屋を経営していた亡夫の相続人(X ①,長男)と,家業の小売店を手伝っていたX②が,コンビニエンスストア(コンビニ店)を展開するYとの間に,コンビニエンス契約(FC契約)を締結し,コンビニ店を開店するに際して,Yが契約に先立ち客観的かつ的確な情報を開示...
《解 説》
1 本件は,原告らが,被告の発行する雑誌「Forbes日本版」(以下「フォーブス」という。)に掲載された株式会社エンジェルファンドネットワークコーポレーション(以下「AFN」という。)とのフランチャイズ契約(AFNが顧客に対し,高金利での融資先を斡旋して融資等の手続を代行し,そ...
《解 説》
1 本件における事実関係は,次のとおりである。
(1) 被告は,原告及び訴外第三者を相手方として,原告発行の株式(本件株式)の株主であることの確認を求めて訴訟(別件前訴)を提起し,控訴審において,被告が本件株式について何らの権利を有しないことを確認することを含む裁判上の和解(...
《解 説》
1 Xらの子である訴外A(昭和57年生)は,平成10年7月当時,神奈川県立B高校の1年生であったが,同月25日,自宅で首吊り自殺を図り,救急車で病院に搬送されたが,同月27日,死亡するに至った。
そこで,Xらは,Aの自殺は同級生らからのいじめに起因するとした上,クラス担任のC...
《解 説》
1 本件は,国の設置する国立療養所T病院(T病院)に勤務する一方,T大学医学部附属病院(T大学病院)に非常勤で診療に当たり,Y3の設置する検診センターに非常勤で検査等に当たっていたY4医師とT大学医療技術短期大学部教授でT大学病院外科に非常勤で診療に当たっていたY5医師により乳...
《解 説》
1 本件は,まず,「平成二千年一月十日」との日付のある自筆証書遺言の効力が争点となり,Xは,「平成二千年」という日付は存在しえないので,作成日の記載がないのと同視するべきであるとして,その効力を争った。
本判決は,民法968条1項が日付の自署を要求した趣旨について言及した上,...
《解 説》
1 A信用組合は,昭和62年以降,B,同人が代表者を務めるC会社に対し,融資を繰り返していた。C会社は平成3年ころから債務超過に陥っていたほか,平成5年に入ってからは融資金の返済を遅滞する状態が続いていた。A信用組合は,同年8月から12月にかけて,Bに対しては各2500万円の手...
《解 説》
1 訴外A(昭和48年生)は,平成9年3月1日,Y1との間で,被保険者をA,死亡保険金受取人を父であるB,死亡保険金額を2000万円とする生命保険契約を締結し,また,平成14年4月1日,Y2との間で,被保険者をA,死亡保険金受取人を父であるB,死亡保険金額を1000万円とする生...
《解 説》
1 事案の概要
本訴事件は,Xが,Yに対し,YにおいてXが商標権侵害を行っている旨の告知をした行為が不正競争防止法2条1項14号に該当すると主張して,同法3条に基づく原告標章使用行為が本件各商標権を侵害する旨の告知又は流布の差止め及び同法4条に基づく損害賠償を請求する事案であ...
《解 説》
1 本件事案の概要等
本件は,暴走族グループに所属していた被告人らが共謀の上,被害者を金属バット等で殴打するなどし,自動車のトランク等に被害者を積み込み,さらに,ナイフ様のもので被害者らを刺突したという殺人未遂,監禁被告事件である。本判決の認定によれば,本件の事案の概要は概ね...
《解 説》
1 本件は,被告人が,約9 か月の間に,(1)強姦等の目的で夜間女性宅に侵入し,刃物様のものを突き付けて脅迫し,被害女性の顔面を布で覆うなどした上で,被害女性を強姦し,(2)2回にわたり,窃盗及び強姦の目的で夜間女性宅に侵入し,現金を窃取した上で,同様の態様で被害女性をそれぞれ...
《解 説》
1 本件は,被告人が,自宅にあるパソコンからインターネットに接続し児童ポルノ画像を保存して集めるようになったが,画像を集めるだけでなく,保存してある画像を他人に見せたり,他人の集めた同様の画像を見たりしようと意図して,電子掲示板「ロリータなんでも」を開設した上,自ら開設した同掲...