最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,①B型肝炎を発症したX1,X2,X4及びX5(以下,この4名を併せて「X1ら4名」という。)が,幼児期(0~6歳時)に受けた集団予防接種等(予防接種及びツベルクリン反応検査)によってB型肝炎ウイルスに感染し,成人になって肝炎を発症したと主張して,また,②幼児期にB型...
《解 説》
1 本件は,いけす内の養殖魚を対象とする集合動産譲渡担保の目的物につき,譲渡担保設定者による処分の効力が争われたものである。
魚の養殖業者Yは,債権者Aに対し,いけす内の魚を対象とする集合動産譲渡担保を設定し,占有改定の方法により引渡しをした。Yは,他方で,当該譲渡担保の目的...
《解 説》
1 本件は,わいせつ略取又はわいせつ誘拐略取・強盗強姦4件,わいせつ略取・強盗強姦未遂3件,強姦未遂1件,窃盗3件,道路運送車両法違反1件の事案の検察官上告事件である。本決定の理由部分1に摘記されているとおり,被告人は,1審判示第8の事実と公訴事実の同一性が認められる,わいせつ...
《解 説》
1 本件は,中国人である被告人が,本邦に不法在留したという,出入国管理及び難民認定法違反1件と,窃盗2件の事案の検察官上告事件である。本決定の理由部分1に摘記されているとおり,被告人は,窃盗2件につき,いずれも勾留のまま起訴ないし追起訴された後,勾留されずに不法在留で追起訴され...
《解 説》
1 本件は,情報通信機器等の販売及びリース等を主要な事業内容とする株式会社であって東京証券取引所第一部及び大阪証券取引所第一部に上場する債務者の募集新株予約権の発行について,その払込金額が特に有利な金額による発行であるのに株主総会の特別決議を経ていないため,会社法240条1項,...
《解 説》
1 本件は,被告人が,約4か月の間に前後7回にわたり,同居中の内妻が自宅内の同女の金庫に保管していた現金合計725万円を,同女が不在の間に,かぎの専門業者を呼んで金庫のかぎを開けさせるなどして窃取したという事案である。
被告人は,事実関係は認めた上で,1審以来,刑法244条1...
《解 説》
1 本判決は,本邦に不法に入国,在留していたペルー国籍の被告人が,当時7歳の女児(以下「被害児童」という。)に強制わいせつ行為をして殺害した上,その死体を遺棄し,その後,被告人の特異な言動等も相まって,マスコミで大きく取り上げられ,社会的耳目を集めた,いわゆる「広島女児殺害事件...
《解 説》
1 本件は,Xらが,大阪府情報公開条例(平成11年大阪府条例第39号。8条につき平成12年大阪府条例第137号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)に基づき,本件条例所定の実施機関であるY(大阪府知事)に対し,大阪府土地開発公社(以下「公社」という。)による公共事業用地...
《解 説》
1 本件は,信用協同組合に対する預金返還請求事件である。
(1) 本件預金は,既に第三者から払戻請求がされ,Y(信用協同組合)は,その払戻しに応じていたことから,本件の主たる争点は,この第三者への払戻しが有効な弁済に当たるか否かにあった。1審は,第三者への払戻しについてX(預...
《解 説》
1 本件は,山梨県中巨摩郡に所在する玉穂町の住民である原告らが,玉穂町が締結した325件の公共工事(本件各工事)についての請負契約(本件各契約)に関し,「本件各契約は,当時の玉穂町長であった被告が漏えいした予定価格を基にした入札者間の談合の結果,不当に高額な請負代金によって締結...
《解 説》
1 本件は,Y所有の住宅地区改良法(住改法)に基づく改良住宅に使用許可を受けて居住するXらが,Yが導入した「応能応益家賃制度」は無効であると主張して,同制度による増額分の家賃の支払債務が存在しないことの確認を求めたのに対し,Yが同制度導入は有効であり,Xらの賃料不払いにより,賃...
《解 説》
本件は,原告が,被告との間で契約期間を1年間とする嘱託社員として労働契約を締結し,以後,労働契約を更新して,約11年間継続して勤務していたところ,被告から,雇用を打ち切る旨の意思表示をされたものであるが,この雇用打切りは,無効であるとして,原告が,被告に対し,雇用契約上の権利を...
《解 説》
1 本判決による事実関係は,次のとおりである。
Xは,韓国籍女性であるが,早朝5時ころ自宅マンションに帰宅したところ,潜んでいた男性2人と女性1人の外国人風の強盗に襲われ,2通の預金通帳(Yの恵美須支店開設のもの)とその届出印,キャッシュカード,外国人登録証明書,自動車運転免...
《解 説》
1 本件は,利息制限法を超える利息等の支払により生じた過払金の返還を求めた事案であり,取引履歴・時効援用の可否・遅延損害金の加算の可否の他,商人である被告に対し,商人ではない原告が民法704条(悪意の受益者の不当利得返還)に基づく利息の利率について年6分の利息を請求できるかが争...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,Y証券会社との間で,国内上場株式に加えて店頭登録株式や外国証券をも主要な投資対象とするハイリスク型の株式投資信託,他社株転換可能債(いわゆるEB債),外国株等(以下「株式投資信託等」という。)の取引を行ったXが,Y証券会社の従業員(以下「従業員」という...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 原告は,時計,装身具等について,「CARTIER」(原告商標)の商標権を有しており,原告商標又はこれに類似する商標を付した腕時計その他の身飾品(原告製品)を製造し,これを販売するオランダ法人である。
(2) 被告は,遅くとも平成15年5月ころから原告...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 平成9年10月9日から10日にかけて,読売新聞ほかの各紙,共同通信社,NHK等の報道機関は,甲ら及び甲らにおいて100%の株式を保有する日本法人乙が日米両国の税務当局による同時税務調査を受けた結果,約77億円の法人所得を隠していたことが分かり,東京国税...
《解 説》
1 Xは,いわゆるサービサーで,銀行から,同行がぱちんこ店などを営むYに対して貸し付けたものの不良債権化していた債権を,担保権付きで債権譲渡を受け,担保権について,その旨の付記登記を受けた。その後,Yが民事再生手続開始の申立てをしたので,Xは,直ちに,担保権の実行の申立てをし,...
《解 説》
1 本件は,被害者が現役の大阪地裁所長であったことなどから世間の注目を集めた,いわゆる「大阪地裁所長襲撃事件」である。
公訴事実の概要は,被告人甲及び同乙が,少年A山春夫(当時16歳),A山夏夫(当時14歳)の兄弟及びB川秋夫(当時13歳)と共謀の上,中年男性から金員を強取す...