最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,防衛庁調達実施本部が指名競争入札の方法により発注する自衛隊基地等で消費する各石油製品に関し,指名業者又はその代理人13社中12社(以下「被告会社等」という。)の従業者が受注調整を行い,不当な取引制限(独占禁止法89条1項1号,3条)を行ったとして11社及び従業者9名...
《解 説》
1 本件は,弁護士であるXが,国に対し,検察官が検察庁の庁舎内における被疑者とXとの接見を,庁舎内には接見のための設備のある施設が無いなどとして拒否したことが違法であるとして,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料を請求する事案である。
2 本件の事実関係の概要は,次のとおりであ...
《解 説》
1 本件は,私立学校教職員共済法(以下「私学共済法」という。)に基づく私立学校教職員共済制度の加入者で,退職共済年金の受給権者であったAが死亡したことから,Aと内縁関係にあったXが,Y(日本私立学校振興・共済事業団)に遺族共済年金の支給を請求したところ,不支給の裁定を受けたため...
《解 説》
1 阿児町(以下「町」という。)の住民であったXらは,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下同じ。)242条の2第1項4号に基づき,町に代位して,町長の職にあった者らに対して損害賠償を請求する住民訴訟(以下「前訴」という。)を提起したが,前訴が第1審に係属中に...
《解 説》
1 本件は,Xが,私道に車両を駐車させているYに対し,通行地役権に基づく妨害排除ないし予防請求として,車両を駐車させることの禁止等を求めた事案である。
2 XとYは,いずれも住宅地に土地を所有しており,X所有地から公道まで自動車による通行が可能な通路は,Y所有地の東側を通る通...
《解 説》
1 本件は,Xらがその所有する土地(本件土地)をAに賃貸したところ,AがこれをBに無断転貸し,Bが同土地に大量の産業廃棄物等を埋めたことから,Xらが,賃貸借契約を解除した上,Aの連帯保証人であるYに対し,原状回復義務の不履行による損害賠償を求めた事案である。
2 Xらは,本件...
《解 説》
1 本件は,大分県中津市で開催されていた地方競馬(中津競馬)の廃止に伴う事件であり,中津競馬に出走していた競走馬の所有者(馬主)であった原告らが,中津競馬の廃止が違法であるとして,大分県及び中津市に対し,不法行為に基づく損害賠償等を請求した事案である。
地方公共団体は,継続し...
《解 説》
1 Aは,全財産をBに対し相続させる旨の公正証書遺言を残して死亡し,Bは,平成4年1月20日,納付すべき税額を216億9714万4200円として相続税の申告を行い,その後平成5年2月19日の更正決定によりBの納付すべき相続税額は36億8892万1500円増加した。Bは申告分につ...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,新築された建物(9階建ての高層賃貸マンション)を買い受けた原告らが,当該建物には多数の瑕疵があって補修が必要であるなどと主張して,施工を担当した建設会社である被告に対しては,瑕疵担保責任又は不法行為に基づき,設計監理を担当した建築士事務所(法人)である...
《解 説》
1 Xは,平成14年12月31日,山形県米沢市所在の天元台スキー場(以下「本件スキー場」という。)において,同スキー場で借りたチューブ型そり(以下「本件そり」という)に乗って,本件スキー場しらかばゲレンデを滑走していたところ,制御が利かず加速した状態でリフトの本件鉄柱に衝突し(...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,芸能人であるXら16名が,雑誌「ブブカスペシャル7」の出版社及びその発行人等であるYら4名に対し,Xらの写真等の掲載された同雑誌を出版したYらの行為は,プライバシー権,肖像権及びパブリシティ権を侵害すると主張して,不法行為に基づく損害賠償金の...
《解 説》
1 Yは,平成14年4月9日発売の週刊誌「サンデー毎日」において,「1兆円市場 ダイヤモンドに気をつけろ!!」「組織的“インチキ表示”発覚」等とする記事(以下「本件記事」という。)を掲載した。
宝石の鑑別等を目的とするXは,本件記事は,Xの採用するダイヤモンド鑑定基準及びXの...
《解 説》
1 訴外A(昭和12年生)は,平成8年1月,友人らとともに志賀高原でのスキーツアーに参加し,同月27日,同高原内にある志賀高原前山スキー場(以下「本件スキー場」という。)において,滑走禁止区域となっていた前山南東側斜面を滑走中,発生した雪崩(以下「本件雪崩」という。)に巻き込ま...
《解 説》
1 訴外Aは,平成4年6月3日,Y1の経営するB病院において直腸癌と診断され,同月6日,B病院に入院し,同月10日,Y2医師の執刀で,直腸癌の切除手術を受け,同年7月5日,B病院を退院した。
しかし,平成5年5月26日,Aは直腸癌の再発と診断され,同年6月1日,B病院に入院し...
《解 説》
①事件,②事件とも,Xらが車両(①事件がメルセデスベンツ,②事件がシーマ)が盗難にあったとして,Y(保険会社。偶々両事件とも同じ会社である。)に対し,車両保険契約に基づき,保険金の支払を請求した事案である。
①事件は,X(中古車・新車販売業)が平成12年5月に顧客Mにセルシオ...
《解 説》
1 本件は,交換レンズにつき特許権(以下「本件特許権」という。)を有する世界有数のカメラメーカーである原告(本件では,訴訟承継,訴訟引受がなされているが,ここでは,被訴訟承継人,訴訟承継人・脱退原告,訴訟引受人を区別せずに「原告」という。)が,レンズメーカーである被告の製造販売...
《解 説》
1 本件基本事件は,病院,理容店等を営みその待合室等に設置するために,A社(トータルネット)が開発したテレビ受信機,映像ソフト及び文字情報放映機を組み合わせたテレテキストビジョンシステム(本件システム)をY(相手方)らリース会社とのリース契約により購入したX(申立人)らが,契約...
《解 説》
1 本件は,年末の真夜中,仕事先の忘年会帰りの被告人及び知人Aが被告人の普通乗用自動車で駐車場を発進する際,被害者を轢過して死亡させたという業務上過失致死,道路交通法違反(その際の酒酔い運転)事件であるが,その運転者が被告人か,Aかが争われた。すなわち,検察官は,本件事故当時,...