最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 いわゆるサブリースにおける賃料減額請求訴訟については,最三小判平15.10.21民集57巻9号1213頁,判タ1140号68頁,最三小判平15.10.21判タ1140号75頁,最一小判平15.10.23判タ1140号79頁,最二小判平16.11.8裁時1375号7頁において...
《解 説》
1 本件は,茨城県北茨城市長であった被告人A及びその選挙における支援者の被告人Bが,共謀の上,ゴルフ場開発業者から賄賂として平成2年12月25日及び平成3年2月12日の2回にわたり合計1億5000万円の供与を受けてこれを収受した,という収賄の事案である。
(1) 原判決が是認...
《解 説》
1 本件は,暴力団抗争において下部組織の構成員がした殺傷行為について上位組織の組長に使用者責任が問えるか否かが問題となったケースである。
2 暴力団A組の3次組織であるB組の組員らが,従前から対立関係にあるC組の系列組織との間で抗争状態が生じた際,警備に当たっていた警察官を対...
《解 説》
1 本件は,被告人ら11名(1名は最後の事実のみに参加)がソフトウェア等を扱う会社の正常な商取引・正規の事業活動を装って,3社から合計6400万円余りの新品パソコン231台,プリンタ12台等を組織的かつ営業的に騙し取った事案であるが,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関す...
《解 説》
1 本件は,第二次世界大戦中,旧日本軍の軍人や軍属,軍隊慰安婦(従軍慰安婦)であった韓国人又はその遺族であるXら(軍人軍属関係の本人又はその遺族が29名,軍隊慰安婦関係の本人が9名)が,Y(国)に対し,Yの行為により耐え難い苦痛を被ったとして損失補償又は損害賠償を請求し,また,...
《解 説》
1 本件は,宅地建物取引業者である原告が,宅地建物取引業法(以下「法」という。)64条の2第1項の規定に基づく指定を受けた「宅地建物取引業保証協会」である被告に対し,原告から被告への入会申込みを被告が拒んだことが,法及び被告の定款に違反して無効であると主張し,(1)原告が被告の...
《解 説》
1 本件は,ヤマギシ会から脱退した上告人Xが,被上告人ヤマギシズム社会実顕地調正機関Yに対して,ヤマギシ会に参画するに際して出えんした財産の返還などを求めた事案である。
2 本件の事実関係の概要は,次のとおりである。
ヤマギシ会は,山岸巳代蔵が提唱した理想社会の思想であるヤ...
《解 説》
1 A社は,翻訳,通訳業務等を主たる目的として平成3年2月に設立された株式会社であり,Xは,A社の設立時からの株主であった。A社は,平成10年11月に開催された株主総会の決議により解散し,平成11年6月,その清算が結了した。Yは,清算結了後,商法429条後段の規定に基づき,A社...
《解 説》
1 本件は,被告人らが,民事執行法上の競売手続により宅地・建物を買い受け,これを転売して利益を得ようと企て,宅地建物取引業の免許を受けないで,業として,多数回にわたり,同法上の競売手続により宅地・建物を買い受けるなどしたという,宅地建物取引業法79条2号,12条1項の無免許宅地...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,宗教団体・アレフ(旧オウム真理教)の信者であるが,平成15年1月23日,被告台東区長に対し,住民異動届(転居届)を提出したところ,被告台東区長の補助職員は,原告が宗教団体・アレフの信者であることを理由として,前記転居届を受理しなかった。そこで,原告は,...
《解 説》
1 本件は,被告の従業員(以下「被災者」という。)が自宅で突然死したことについて,被災者の母らが,被災者は被告における過重な業務が原因で死亡したものであり,被告には安全配慮義務違反があるとして,被告に対し,債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案である。
2 被災者は死亡当時...
《解 説》
1 事案の概要
Yは,金武村所在の「杣山(そまやま)」と呼ばれる林野につき入会権を有する者からなる入会団体である。本件は,Xらは,明治39年に杣山の一部である本件土地が金武部落に払い下げられた当時の入会権者ら(金武部落民)の子孫(いずれも女性)であるが,入会権者の子孫であるこ...
《解 説》
1 Xは,平成元年2月25日にターミナルビルを所有しているYから,ターミナルビルのキーテナントとして,その店舗部分の建物の半分に当たる部分を賃借し,同所で百貨店業を営んでいるが,Yとの間の賃貸借契約で定められた現行の賃料が,不相当に高額になっていると主張して,借地借家法32条に...
《解 説》
1 本件の事案の概要は,以下のとおりである。
Xらは,都市銀行であるY1に対して普通預金債権を有していた。ところが,Xらは,いずれも窃盗被害に遭い,預金通帳を窃取されたが,Xらのうちには銀行届出印等も窃取された者もいた。Xらの預金は,Xらが窃盗被害の届出をする以前にいずれも何...
《解 説》
1 本件は,Y1が開催したスキューバダイビング講習(最も初歩的資格取得のための講習)に参加したAが,指導員Y2に引率されて海洋散策中に溺死した事故につき,Aの両親であるXらが,Y2に対し,①Aの動静監視を怠って,Aを見失い,溺死事故に対する適切な行動をとることができなかった点で...
《解 説》
1 事案の概要は次のとおりである。
X1・X2夫婦の息子であるAは,Y1の開設した病院において,X1をドナーとする生体腎移植手術を受けた。その後,上記病院を退院し,しばらくの間通院治療を続けていたが,腹痛が治まらなかったことから再入院した。主治医であったY2は,その時点ではサ...
《解 説》
1 訴外Aは,平成5年9月20日に死亡したが,その後Yが平成4年11月12日付の自筆にかかる本件遺言書を発見し,平成6年2月5日,家庭裁判所において検認手続が行われた。
しかし,Aの相続人であるXが,他の相続人であるYに対し,本件遺言には,(1)署名・押印の不存在,(2)日付...
《解 説》
1 本件は,包装ラベル付き細口瓶について実用新案権(本件考案)を有している原告が,被告製品である包装ラベルの製造,販売を行う被告に対し,被告製品は,本件考案の各構成要件を充足し,本件考案の実施にのみ使用するものであるから,被告製品を製造,販売等している被告の行為は,実用新案法2...
《解 説》
1 本判決は,オウム真理教(以下「教団」ともいう。)によるいわゆる地下鉄サリン事件のほか多数の事件に関与した教団の元幹部(諜報省長官)である被告人に対し,無期懲役刑の原判決(東京地判平12.6.6判タ1091号127頁)を破棄した上,死刑を言い渡した控訴審判決である。被告人が関...