最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 上告人Xらは東京都の住民であり,被上告人Yらは,自動販売機で販売されるたばこ又は清涼飲料水等の商品の製造業者である。本件は,Yらが自動販売機を都道に権原なくはみ出して設置したことによって東京都は都道の占用料相当額の損害を被ったとして,Xらが,東京都に代位して,Yらに対してそ...
《解 説》
1 上告人岡山大学学友会(Y)は,岡山大学の全学生を正会員とし,同大学の学長を会長とし,同大学の教官その他の有志職員を特別会員等として組織された団体であり,学生による課外活動(サークル活動)を推進する事業を行う権利能力のない社団であった。
被上告人Xは,昭和50年4月,Yとの...
《解 説》
1 Y市議会は,Y市内を流れる河川のダム建設基本計画について国土交通省から見直し案が提示されたことを受けて,流域の市町村を含めたダム対策協議会の受入れの決定と前後して,見直し案を受入れる旨の決議をした。これに対して,Y市在住の5人の代表世話人が,ダム等に関する計画の賛否を問う住...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,夢の実用技術といわれ,20世紀中の開発は無理とまでいわれていた青色LED(発光ダイオード)に関する発明につき,職務発明の相当対価として200億円という巨額の支払を命じたことで,大々的に報道された事案である。
Xは,Y会社在職中にした青色LED(発光ダ...
《解 説》
1 昭和55年10月30日午前10時40分ころ,東京都大田区南千束二丁目2番先路上において,通行中の革マル派元大学生ら5名が,10数名の男に鉄パイプやハンマー等で,殴打され,殺害されるという事件が発生し,その後の犯行声明等により,本件事件は,中核派活動家による内ゲバ殺人事件とし...
《解 説》
1 本件は,外国国籍を有し,または有していたX1ないしX3が,Y1が経営する小樽市所在の公衆浴場に入浴しようとしたところ,外国人であることを理由に入浴を拒否されたことについて,憲法14条1項,国際人権B規約及び人種差別撤廃条約等に違反する違法な人種差別であるとして,Y1に対し,...
《解 説》
1 地方公共団体(市)Y1の住民であるXらは,ダム計画に係る住民投票条例の制定請求に向けて,条例制定請求代表者から署名収集活動のための委任を受け,地方自治法74条等に基づき,Xらの氏名,住所及び生年月日を一覧表にした受任者名簿(本件受任者名簿)がY1の市長Y2及び選挙管理委員会...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。X1及びX2は甲土地の所有者であり,Y1は乙土地の所有者である。甲土地と乙土地とは互いに隣接する土地であるが,甲土地は乙土地より約2m高くなっており,その境界線に沿って甲土地内に両土地間の高低差を支える擁壁(以下「X擁壁」という)が存在した...
《解 説》
1 Y1及びY2は夫婦,Y3はその長男であるが,自宅において雑種犬(本件飼犬)を飼っていた。平成11年12月11日,Y1のみが在宅し,自宅建物内及び裏庭において本件飼犬を放し飼いにして,逃げないための措置として弾力を利用して通路にトタン板をはめ込んでいたが,これがはずれ,本件飼...
《解 説》
1 Aは,自動車を運転中,民家のブロック塀に衝突する交通事故を起こし,救急車で奈良県が設置する2次救急病院である本件病院に搬送されたが,まもなく死亡した。Aの夫と子らが,本件病院でAの診察に当たったY医師に注意義務違反があったとして,Y医師と奈良県に対し損害賠償を請求した。1審...
《解 説》
1 本件は,Y1が従業員に対して行った定期健康診断において,採血のため,Y1の従業員であった保健婦Y2がXに対して行ったXの右腕への注射針刺入行為により,Xが右腕正中神経を損傷し,カウザルギーないし反射性交感神経性異栄養症(RSD)に罹患したとして,Y2に対して不法行為(民法7...
《解 説》
1 Xは,「マルチウインドウ表示制御装置」に係る特許権(本件特許権,昭和61年2月15日出願,平成10年1月9日登録)を有しており,Yは,パソコンの製造販売等を業としている。本件は,XがYに対し,Yによるパソコン(Y製品)の製造販売が本件特許権を侵害するとして,Y製品の販売等の...
《解 説》
本件は,Y(宗教法人,浄土真宗本願寺派の寺)の「法中」という地位にあって,葬儀や法事等の法務活動を行ってきたXらが,Yによってその地位を解任されたことにつき,解任が無効であるとして,「法中」たる地位にあることの確認を求めた事案である。
Xらは,本山で得度して僧籍を取得したもの...
《解 説》
1 本件は,X(本店所在地・名古屋市)から名古屋地方裁判所に売掛代金債権事件(本案事件)を提起されたY(本店所在地・千葉県松戸市)が,名古屋地方裁判所には管轄がなく,その理由として,主位的には,当該売掛代金については,①Xの東京営業所を支払場所とする旨の黙示の合意が成立していた...
《解 説》
1 本件は,再審被告を原告,再審原告らを被告とする基本事件における確定した判決について,基本事件の訴状送達は無効であるから,民事訴訟法338条1項3号の再審事由が存在し,あるいは基本事件は職権探知にかかわる訴訟要件の欠缺を看過して判決がなされたものであり,民事訴訟法338条1項...
《解 説》
1 本件事案の概要
本件は,出版会社の代表取締役である被告人が,同社社員及び漫画家と共謀して,男女の性交,性戯場面等を露骨に描写した漫画を印刷掲載した漫画本を多数頒布したとするわいせつ図画頒布の事案である。
今日も,男女の性交,性戯場面等を露骨に描写した映像を収録したビデオ...
《解 説》
1 本件は,肺動脈狭窄の解除,心室中隔欠損及び心房中隔欠損の各閉鎖の手術を受けた2歳の男児が,手術後集中治療室(ICU)に収容されていた際,致死的不整脈である心室細動を起こしたのに,その発見が遅れ,約13分間,救急措置が執られなかったため,酸素欠乏に基づく全治不明の低酸素性脳症...
《解 説》
1 本件は,被告人が,実妹に対して暴行を加え,傷害を負わせたという傷害事件である。本判決は,傷害罪の公訴事実中の暴行及び傷害の結果の各一部を除外して縮小認定した原判決に対し,被告人のみが控訴している場合であっても,原判決が認定した暴行のみでは原判決が認定した傷害の結果の多くを説...