最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件は、未成年であった当時、青年四名を殺害したとして逮捕され、殺人、強盗殺人等の罪で起訴されて刑事裁判係属中のX(本件記事が掲載された当時は既に成人)が、Y発行の週刊誌に、容易にXと推知することができる仮名X'を用いて、その犯行態様(犯人情報)のほか非行歴、交友関係等(履歴...
《解 説》
一 本件の事案は、信用組合の理事の責任を追及する組合員代表訴訟の係属中に、当該信用組合に対し金融再生委員会が金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分をしたというものであり、当該代表訴訟の原告及び参加人が訴訟追行権を失うかどうかが問題となった。
二 P信用組合は、平成...
《解 説》
一 本件の事案は、東京都板橋区内の私鉄駅前にある土地の借地人X(上告人)が、地代減額請求をして減額された地代月額の確認を求め、他方、地主Y(被上告人)が、地代自動増額改定特約によって増額された地代月額の確認を求めたというものである。
二 Xは、本件各土地等の上に大規模小売店舗...
《解 説》
一 相続税法二二条は、相続により取得した財産の価額の評価につき、財産を取得した時における時価によると規定している(時価主義)。しかし、相続税の課税対象となる財産の価額を的確に評価することは容易ではないので、課税の公平、統一を図るため、財産評価基本通達において、各財産に共通する原...
《解 説》 一 本件は、北九州市の住民であるXらが、北九州市が協議、懇談に際して支出した食糧費につき、出席者一人あたりの金額が六〇〇〇円を超えるか又は一人あたりの酒量が二本を超える飲食は違法であるとして、①市長に対し地方自治法二四二条の二第一項四号前段に基づく損害賠償請求として協議、懇談の飲...
《解 説》
一 本件は、被控訴人の北九州市内の事業所に勤務していた控訴人A及びB(以下「控訴人両名」という)の両名が、被控訴人の控訴人両名に対する千葉県富津市内の事業所に勤務することを命じる旨の転勤命令は、労働契約に違反し、または、権利の濫用として無効であると主張して、被控訴人に対し、同転...
《解 説》
一 本件は、フランチャイズ契約を締結したフランチャイジーが、フランチャイザーには、①客観的根拠を欠く虚偽の売上予測等を説明してフランチャイジーに同契約を締結させたこと、②フランチャイザーとして適正かつ正確な情報を提供すべき信義則上の義務に違反したこと等の行為があったとして、フラ...
《解 説》
一 Aは、Y(控訴人)との間で、多数の損害保険契約及び傷害保険契約を締結していたが、破産宣告を受け、X(被控訴人)が破産管財人に選任された。そこでXは、本件各保険契約を解約して、Yに対し、破産宣告後解約時までに満期が到来した保険については満期返戻金の、解約時までに満期が到来して...
《解 説》
一 本件は、Xら一五名が、詐欺的・脅迫的言辞を用いたY(世界基督教統一神霊協会)の信者による違法な勧誘行為によって、Yに対する献金・Yの関連会社が販売する商品の購入をさせられたとして、Yに対し、民法七〇九条又は民法七一五条に基づき、損害賠償として、献金・商品代金相当額、慰謝料及...
《解 説》
1 X1(昭和17年生)は,平成3年3月14日,Yの開設するA病院において,胆のう摘出等の手術(以下「第1手術」という。)を受け,その後A病院において引続き治療を受けていたが,腸閉塞の障害が発症したため,同年4月4日,A病院において,イレウスの手術(以下「第2手術」という。)を...
《解 説》
一 本件の事案の概要は次のとおりである。Z(補助参加人)は、野菜、青果及び食料品の卸売販売等を目的とする株式会社であり、名古屋市中央卸売市場に属する「名古屋市中央卸売市場本場」において卸売業務を行っている者であるが、Yらは、市場内におけるせり売り等において、卸売価格(商品の等級...
《解 説》
一 本件は、K市内で病院を経営する医療法人X1会の看護部長であったTが、平成一二年五月二八日午後二時ころ、X1会所有の車を運転中、A町の崖下に転落し、同人及びこれに同乗していた三名(X1会理事長夫人S子、看護部長兼理事であるKら二名)が死亡した事件についての保険金請求事件である...
《解 説》
一 本件は、Xが、Yが各種の塩味茹枝豆の冷凍品を輸入、販売する行為が、Xの特許権を侵害すると主張して、Y製品の輸入、販売等の差止め及び損害賠償を求めた事案である。本件発明の特許請求の範囲の記載は、「豆の薄皮に塩味が感じられ、かつ、豆の中心まで薄塩味が浸透している緑色の維持された...
《解 説》
一 Xは、本件における二件の登録商標を有し、パチンコ型スロットマシン(以下「パチスロ機」という。)に本件登録商標2を付したものを製造販売している(X商品。商品名「アステカ」。)。X商品は、パチンコホールなどの遊技場での営業(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「...
《解 説》
一 A市内に建設が予定されているB道路の周辺住民であるXらは、同道路の開設により環境が悪化するとして、事業主体である国らを相手方として、道路公害防止のために種々の対策を講ずることを求める公害調停を申し立てた。ところが、第一回調停期日は、調停室にXらを何名入室させるかにつき、調停...
《解 説》
一 本件は、貸金業者であるXが、借主であるYに対し、貸金残金を請求したところ、Yが利息制限法所定の制限利息を超える約定利息支払部分は元本に充当されるべきであり残債務は存在しないと主張したのに対し、Xが約定利息支払部分について貸金業の規制等に関する法律(貸金業法)四三条一項のみな...
《解 説》
被告人は、多数の事件で起訴されたが、このうち強盗強姦未遂罪の訴因について、その成否が問題となった。この事案の概要は、共犯者三名と強盗の範囲で共謀の上(被告人のみは強姦の意図もあった。)、被告人において被害者(二三歳の女性)に暴行を振るってかばん等を強取し、その際、被害者に加療約...
《解 説》
本件は、他人の住居に侵入して金品を窃取した被告人が、その居住者の孫に発見されて逃走したが、近くの路上で追い付かれたため、逮捕を免れるべく、住居侵入のために所持していたバールで同人の胸を突くなどの暴行を加えて、全治約一〇日間を要する前胸部打撲等の傷害を負わせたという事案につき、事...
《解 説》
一 本件は、労使紛争が激しい私立高校に労務担当者として採用された被告人が、学園と対立関係にあった教諭二名(A、B)を学園から排除しようと企て、元暴力団組長である共犯者甲らと共謀の上、まず教諭Aを銃撃したが、これが人違いにより失敗に終わると(別人のA'をAと誤認して銃撃し、負傷さ...