最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件の事実関係は、被告人が、警察官に対して、コンビニエンスストアで買ったオレンジジュースに異物が混入していた旨虚偽の申告をし、警察職員からその旨の発表を受けた報道機関をして、上記コンビニエンスストアで異物の混入されたオレンジジュースが陳列、販売されていたことを報道させたとい...
《解 説》
一 事案の概要
1 原判決及び不服申立て
(1) 本件は、長崎市に投下された原子爆弾によって被爆した韓国籍を有する同国在住の一審原告が、平成六年七月に治療のために来日して原子爆弾被爆者と認定され、健康管理手当の支給を受けるようになったが、その後の同年九月下旬ころ、日本国から...
《解 説》
一 本件は、いわゆる草加事件として著名な事件である。事件の経過、本件訴訟の経過は、本判決の「第2 事案の概要」の「1 前提となる事実」の(2)、(3)に記載されたとおりである。
少年らは容疑者として逮捕され、最終的には全員が強姦等の非行事実を認める供述をしていたが、浦和家庭裁...
《解 説》
一 本件は、懲戒処分である戒告(以下「本件処分」という。)を受けた弁護士Xが、その取消訴訟を提起した上で、後日、同訴訟で勝訴し、本件処分が取り消されても、公告がされて本件処分が第三者の知るところとなり、弁護士としての社会的信用が低下する事態が生じるなどの回復困難な損害を被るとし...
《解 説》
一 本件は、志賀町の住民である原告が、新庁舎竣工式において来賓一四八人に記念品として一人当たり五〇〇〇円相当の商品券を贈呈するために行われた七四万円の公金支出が違法であると主張して、地方自治法(平成一四年法律第四号による改正前のもの)二四二条の二第一項四号に基づき、町に代位して...
《解 説》
一 宗教団体・アレフ(旧オウム真理教)の信者であるX(被控訴人・一審原告)らは、平成一三年八月一五日、杉並区役所において、同区内の住所地を転入先とする転入届を提出しようとしたが、Y2(杉並区長・一審相被告)は、この転入届をいずれも受理しなかった(本件不受理処分)。
Xらは、本...
《解 説》
本件は、児童数九名、職員数四名の公立小学校において教頭を務めていた原告の夫(以下「被災者」という。)が、児童のクロスカントリースキーの練習用コースの設営作業に従事した後、心筋梗塞の発作を起こし、再発性心筋梗塞による急性心不全により死亡したことが公務に起因するものか否かが争われた...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Xは、宝石及び貴金属の加工及び販売等を業とする会社であるが、平成五年一一月から同一二年五月までの間、Yから、賃貸用ビルの七階部分を事務所(以下「本件事務所」という)として賃借していた(以下「本件契約」という)。Xは、本件契約終了後、契約期間...
《解 説》
一 本件は、金融業者である原告が一時払変額保険の保険金相当額を貸し付け、担保としてその解約返戻金請求権に質権を設定し、これについて被告から異議なき承諾を得ていたところ、右変額保険は、保険契約者に対し保険金等の運用についての特別勘定の指定権を与えるという内容を有しており、保険契約...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、なにわ銀行が、系列ノンバンクの融資先二社及び一名に対して合計一二億二二〇〇万円の融資(以下「本件各融資」という。)を行ったことについて、当時、なにわ銀行の代表取締役兼取締役(頭取)であった被告は、本件各融資金の回収が困難であり、困難であるとの判断も可能...
《解 説》
一 本件は、「ヒト疾患に対するモデル動物」という名称の特許権を有する控訴人(原告、米国法人)が、「被控訴人(被告)国が国立医科大学において行った実験で使用したマウス(被告マウス)は、本件特許発明の技術的範囲に属するものであり、上記実験は、被控訴人国において、被控訴人(被告)製薬...
《解 説》
一 Xは、パチンコ型スロットマシン(以下「パチスロ機」という。)の製造販売を業とする会社であり、パチスロ機に関する特許権を有するものであるが、パチスロ機製造業者であるYが製造販売するパチスロ機がXの特許権(本件特許権)を侵害すると主張して、特許法一〇二条一項に基づく損害賠償を求...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、それ自体は経済的価値がなく換価処分できない外国会社名義の有価証券を用いて多額の資金を得て証券会社等を買収してきた被告人が、経営が悪化していたT生命保険株式会社(以下「T生命」という。)を自己の企業グループに取り込もうとして、増資に応じるとともに、その不...
《解 説》
一 危険運転致死傷罪は、平成一三年の刑法一部改正により創設され、同年一二月二五日から施行されるようになった新類型の犯罪である(井上宏ほか二名「刑法の一部を改正する法律の解説」曹時五四巻四号三三頁参照)。同罪は、故意に危険な自動車の運転行為をした結果人を死傷させた者を、暴行による...
《解 説》
本件起訴状の公訴事実欄には、要旨「被告人は、Aから、警察の捜索に備えて、けん銃の代わりにモデルガンを用意するよう指示され、Bの刑事事件に関する証拠を偽造しようと企て、エアガンを購入した上、これをBが左官業を営む事務所内に保管し、同事務所に対して捜索差押えが実施された際、このエア...
《解 説》
一 本件は、債務者が、江戸時代の武家屋敷の古き町並みの面影等の残る住宅地域であることから名古屋市教育委員会から町並み保存地区に指定されている白壁地区等内にマンションの建設工事をせんとしたのに対し、近隣住民等である債権者らが、高さ二〇メートルを超える部分の建築工事の差止めを求めた...