最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 事案の概要
1 国(Y)及び米軍が現在共同で使用・管理する厚木海軍飛行場(以下「厚木基地」という。)は、神奈川県大和市、綾瀬市及び海老名市にまたがって所在しており、面積は約五〇六万九一一八平方メートルに及び、南北の長さ二四三八メートルの滑走路を有する。
厚木基地は、終戦...
《解 説》
一 本件は、訴外会社から買い受けた土地につき七年度にわたり特別土地保有税を申告納付してきたXが、その後、訴外会社との間の土地売買契約を詐害行為として取り消されたことから、地方税法二〇条の九の三第二項一号に基づき、各年度の税額をいずれも零円とする更正の請求をしたが、Yがそのいずれ...
《解 説》
一 本件は、徳島県(以下「県」という。)の住民であるXが、県議会の議員及び事務局職員が平成九年に開催された第四九回全国都道府県議会議員軟式野球大会(以下「本件野球大会」という。)に参加するために行われた旅費の支出は違法であると主張して、地方自治法(平一四年法四号による改正前のも...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
X(原告・控訴人)は、平成一二年一月二一日にA県B市から転出して同月二五日にC県D市に転入するとともに、同年四月二日にC県D市から転出して同月五日にE市F区に転入したところ、同年六月二五日の時点で、公職選挙法二八条二号に基づきA県B市...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
A会社(本件合併法人)は、平成九年一〇月にB会社(本件被合併法人)を吸収合併(本件合併)し、平成一〇年一〇月に破産したものであるが、同社破産管財人Xは、平成九年一〇月から平成一〇年九月までの事業年度(本件欠損事業年度)に係る法人税につ...
《解 説》
一 Xは、平成七年九月、鉄鋼製品の加工・販売を業とするY会社に雇用され、舞鶴工場で稼働していた者であるが、同月二七日、同工場内において、H型鋼を組立矯正機に登って足で押し出そうとした際、作動させて上昇中の押さえローラーを停止させないままその上部の鉄棒に両手を置いて作業したため、...
《解 説》
一 Xらは、建売業者から土地付建売住宅を不動産業者の仲介により購入したが、いずれも土地が軟弱地盤であったために地盤沈下が発生し、建物に床の高低差の発生、外壁の亀裂の発生、ドアの開閉不能等の著しい不具合が生じた。そこで、Xらは、建売業者Y1と仲介した不動産業者Y2・Y3に対し、損...
《解 説》
一本件は、Xが、YのXに対するこれまでの訴えの提起が不法行為を構成すると主張して、Yに対し、その応訴に要した弁護士費用相当の損害賠償及び慰謝料の支払を求めた事案である。
二 訴えの提起が不法行為を構成する場合があることは、最三小判昭63・1・26民集四二巻一号一頁、本誌六七一...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、自宅の一部でたこ焼き屋等を経営していたが、客として来店するようになったYが、客の前で結婚を迫ったり、客がいない場面では「自分の気持ちが抑えられないから襲うかもしれんわ。」などと言ったり、いったん来店すると店に居座るようになったことから、Yに対し、来店を拒...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、公立中学校の一学年の在学中に自殺したA子の両親である原告らが、中学校設置者である富山市に対し、A子は中学校でのいじめにより自殺したのであり、学校には在学契約又は信義則に基づく安全保持義務(いじめ及びそれによる自殺を防止すべき義務)又は調査報告義務(いじ...
《解 説》
本件は、未成年者の実の祖母が、未成年者の実父母を相手方として、監護権者指定の申立てをしたうえ、同申立てを本案として、申立人を仮に監護者に指定し、未成年者を仮に申立人に引き渡すことを求めた保全処分の事案である。
民法七六六条一項は、父母は離婚に際して子の監護について必要な事項を...
《解 説》
一 本件は、平成一〇年四月に破綻し金融再生法に基づき金融整理管財人による管理が行われた国民銀行が、頭取を含む旧役員合計一一名に対して融資にあたって取締役の善管注意義務あるいは忠実義務に違反したとして損害の賠償を求めた事案である。原告(国民銀行)は、その後、上記債権を株式会社整理...
《解 説》
一 被告は、本件商標「天一/Tenichi」(横書き、二段)の商標権者である。本件商標は、商標法の一部を改正する法律(平成三年法律第六五号)附則(改正法附則)五条一項による使用に基づく特例の適用を主張して登録出願(特例商標登録出願)がされ、同条三項により、その商標及び指定役務に...
《解 説》
一 本件は、世界有数の化学企業である被告が、競業関係にある原告の顧客である訴外会社(株式会社ソニー)に対し、書簡をもって、原告の製造・販売する磁気信号記録用金属粉末は被告の有する特許権を侵害すると考える旨告知したことが、競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知又...
《解 説》
一 Xは、昭和三一年から昭和四一年まで月刊雑誌「少年」に連載された漫画「鉄人二八号」の著作者であり、Yは、アメリカ合衆国カリフォルニア州法に基づき設立された外国法人である。Xの主張によれば、本件事案の概要は次のようなものである。すなわち、日本とアメリカ合衆国は、著作権の国際的保...
《解 説》
一 本件は、破産管財人である控訴人が、破産会社が訴外会社に対して有していた一五万七六〇五円の請負代金債権の譲渡を受けたとする被控訴人に対し、その債権譲渡契約(本件契約)ないし対抗要件を否認して、その代金債権が破産財団に帰属することの確認を求める事案である。
控訴人の主張は、(...
《解 説》
一 本件は、祈祷類似行為を施していた被告人両名が、難病に罹っている六歳男児の病気治療と重度の未熟児で生まれた乳児の保育を、それぞれの親から引き受けた上、祈祷類似行為などを繰り返すのみで、その生存に必要な医療措置を施さなかったため、いずれも死亡するに至らせた保護責任者遺棄致死と、...