最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 事案の概要
本件事案の概要は次のとおりである。Xらは、ブラジル連邦共和国法人である訴外A社らに対し、家電製品を売った。Xらは、Yに対し、前記家電製品をブラジル連邦共和国のマナウス港(以下「マナウス」という)まで輸送することを内容とする海上運送委託契約を締結した。Yは、前記...
《解 説》
一 訴外A会社は、B会社が経営していたゴルフ場に法人会員として入会し、資格保証金として四八〇〇万円を預託していたが、平成一〇年に破産宣告を受け、Xが破産管財人に選任された。
そして、Xは、破産法五九条一項によりA会社のゴルフ会員契約を解除したうえ、B会社に対し、預託金の返還を...
《解 説》
一 Yは、資本の額が一億円以下のいわゆる小会社であるが、平成一二年六月二〇日定時株主総会を開催して、計算書及び利益金処分案を承認する旨の決議をした。
そこで、Yの株主であるXは、右定時株主総会(以下「本件総会」という)の招集手続及び決議方法に瑕疵があると主張し、本件総会でこれ...
《解 説》
一 Y会社の株主Xは、Yの第五八期定時株主総会の開催にあたり、計算書類の附属明細書を作成せず、総会の前に附属明細書を本店に備え置かなかったため、総会招集手続に法令違反があるとし、総会の決議取消しを求めた。
一審宮崎地判平12・7・21金判一一〇六号五四頁は、株主総会の前に法令...
《解 説》
一 本件は、Y1が振り出し、Y2が裏書した約束手形(本件手形)につき、これをAから裏書交付を受けた所持人のXが、Yらに手形金の支払を求めたのに対し、Yらにおいて、Y2から白地式裏書によって本件手形の交付を受けた取引先が盗難被害に遭ったことを前提に、Y1が業界の一流企業であること...
《解 説》
一 X1社は、Y1(保険会社)との間で、被保険者をA、死亡保険金受取人をX1社とする海外旅行総合保険契約(第一契約)を締結し、その翌日、Aは、Y2(保険会社)との間で、被保険者をA、死亡保険金受取人をX1代表者Xの母X2とする海外旅行傷害保険契約(第二契約)を締結した(なお、X...
《解 説》
1 Xは、自己所有の建物(本件建物)において飲食店を営んでおり、Y1保険会社との間で本件建物を目的とする店舗総合保険契約を、Y2保険会社との間で本件建物内の什器備品等を目的とする店舗総合保険契約をそれぞれ締結していたところ、深夜に本件建物内から出火して火災が発生し、これにより本...
《解 説》
一 訴外Aは、平成一〇年一月当時、九州ダンロップ販売株式会社に勤務していたが、同月四日に外出したまま所在不明となり、同年三月二八日、福岡市の漁港内岸壁付近の海中に転落していた車の中から遺体で発見された。
Aは、生前、Y1、Y2との間で、Aを被保険者とする生命保険契約を締結し、...
《解 説》
一 訴外A、B、Cは、いずれも非鉄金属部品の製造、販売を業とするY会社の社員であったが、平成六年に、脳梗塞等により死亡したため、Yは、社員を被保険者として団体定期保険契約を締結していた保険会社九社から、それぞれ六一二〇万円の死亡保険金の支払を受けた。
そこで、A、B、Cの妻で...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和五七年一二月から、自動車部品等を業とするY会社の取締役に就任していたところ、平成五年一二月二〇日、すい臓がんにより死亡したが、Yは、Aを被保険者として締結していた定期団体保険契約等により七二二七万円余の死亡保険金を受領した。
そこで、Aの遺族であるXらは、(...
《解 説》
一 訴外A(昭和二一年生)は、平成八年八月当時、非鉄金属部品の製造・販売を業とするY会社の従業員として同社名古屋製造所に勤務していたが、同月二九日、心筋梗塞により死亡した。
Yは、平成八年八月当時、生命保険会社九社との間で、保険契約者兼保険金受取人をY、被保険者を従業員全員と...
《解 説》
一 事案の概要
控訴人らの被相続人である甲は、被控訴会社の設立当時からの取締役で、被控訴会社が保険会社との間で、甲を被保険者、被控訴会社を保険金受取人とする生命保険契約(法人の役員及び幹部職員を対象とした経営者保険で、普通傷害保険契約が付されていた)を締結する際に、自己を被保...
《解 説》
一 訴外A会社は、平成六年一〇月一三日、Y(保険会社)との間で、その所有に係る本件建物を目的として、保険金額を七〇〇〇万円とする火災保険契約を締結したところ、同年一一月二日、本件建物は、火災により全焼した。
そこで、Xは、債務者をA会社、第三債務者をYとする債権差押命令の申立...
《解 説》
一 Xは、平成一〇年七月ころ、トヨタの販売店から、普通乗用自動車(以下「本件アリスト」という。)を、代金五六〇万円で購入して運転使用していたところ、平成一一年一〇月二九日、本件アリストを賃借していた駐車場に駐車したまま韓国に赴き、三一日に帰宅したところ、本件アリストが駐車場にな...
《解 説》
一 Xは、平成九年一月一四日、Yとの間において、Xを保険者、Yを被保険者として、Y所有の居宅等を目的物として、火災保険契約を締結した。
平成九年一〇月三一日深夜、右居宅において火災が発生し、右居宅と家財等が焼失したが、Xは、本件火災は、YあるいはYの意を受けた者による放火によ...
《解 説》
一 X1とX2は、機械据付等を業とするX3会社を経営しているものであるが、平成五年一〇月七日、甲車を運転し、X2らを同乗させて見通しの良い幹線道路を走行中、交差点手前で停止信号に従って停止している乙車に追突し、X1とX2が頚椎捻挫等の傷害を負い、入通院の治療を受けた。
そこで...