最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 一般債権者であるXは、債務者が用地買収契約に基づき県に対して取得した土地代金(甲債権)及び建物移転補償金債権残金(乙債権)の一部につき、差押命令及び転付命令を得たところ、Yら外一名の建物抵当権者らが、同転付命令が第三債務者である県に送達された後、その確定前に、物上代位に基づ...
《解 説》
一 いわゆるロス疑惑報道のうち、通信社等からの配信記事に関して名誉毀損による損害賠償が問題になった一連の最高裁係属事件は、一件を除き、すべて本年一月二九日に第三小法廷で判決・決定により処理された。本件は、第二小法廷に係属していたその一件についての判決である。
本件の争点は、い...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、中古ゲームソフトの販売が著作権を侵害するか否かが争われた事案である。
2 ①事件は、家庭用テレビゲーム機用ソフトウェア(ロールプレインクゲームや対戦格闘型のゲーム)の著作権者である原告らが、原告らを発売元として適法に販売され、小売店を介して需要者...
《解 説》
一 被告人は、オウム真理教の出家信者であったが、教団幹部らと共謀の上、①弁護士一家殺害事件においては実行犯の役割を担当し、②松本サリン事件においてはサリン噴霧車の運転手役を担当し、③サリンプラント事件においては一部作業に従事した。このうち、①弁護士一家殺害事件は被害者三名の殺人...
《解 説》
一 本件は、オウム真理教の出家信者で教団科学技術省次官の地位にあった被告人が、①教祖及び教団幹部らが松本市内でサリンを発散させ七名を殺害し四名に傷害を負わせた事件(松本サリン事件)を犯した際、噴霧車を製作してその犯行を幇助し、②東京の地下鉄電車内にサリンを散布させて一二名を殺害...
《解 説》
一 本件は、オウム真理教元諜報省長官であった被告人が、いわゆる地下鉄サリン事件のほか、元信者リンチ殺人事件、VXガスを用いた殺人、殺人未遂事件、目黒公証役場事務長に対する逮捕監禁致死等事件、マンションにおける爆発物使用事件、教団施設に対する火炎びん投てき事件、新宿駅青酸ガス事件...
《解 説》
一 本判決の意義
本判決は、オウム真理教(以下、単に「教団」という。)幹部であった被告人三名が教団代表者や教団幹部らと共謀して敢行した地下鉄サリン事件(殺人・同未遂)、自動小銃製造事件(武器等製造法違反)、落田事件(殺人)及び冨田事件(殺人・死体損壊)並びに教団幹部らと共謀の...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、司法書士会である被告(被上告人)がした、阪神大震災により被災した兵庫県司法書士会に三〇〇〇万円の復興支援拠出金を送金するために、被告の会員から登記申請一件当たり五〇円の復興支援特別負担金の徴収を行う旨の総会決議について、被告の会員である原告(上告人...
《解 説》
一 本件は、被告人が、秋田県大館市内の農地(以下「本件土地」という)を転用して売却しようと考え、大館市産業部農林課長らと共謀の上、秋田県知事の許可を受けることなく、大館市が本件土地を土石の捨場として借り受け、土木建設工事の土砂を投棄することにより、転用を開始し、その後、本件土地...
《解 説》
一 本件は、朝の通勤電車内において女子高校生に対していわゆる痴漢行為をしたという東京都条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)違反の事案である。
被告人は、捜査、公判を通じて、本件行為を否認したが、一審判決は、被告人を有罪と認め、罰金五万円に処した(...
《解 説》
一 本件は,相続税の更正処分に対する取消請求訴訟であるが,争点は原告の相続した土地の評価であって,その前提として生産緑地法の解釈を巡る争いがある。
二 農地が生産緑地に指定されると,指定の日から三〇年間は建築や宅地造成等につき強い制限が付されることとなる。このため,生産緑地の...
《解 説》
一 本件は、A市が、A市の自治区の区長らの団体であるBに対し、研修を委託し、市職員らをその研修旅行に同行させたことが違法であるとして、A市住民の原告がA市に代位して、市長に対しその研修委託料及び市職員の給与・日当の損害賠償を、専決権者である助役に対しその研修委託料の損害賠償を、...
《解 説》
第一 事案の概要
一 被告は、鉄鋼の製造及び販売等を目的とする株式会社であり、原告らは、平成四年当時、被告の鶴見製作所に在籍し、日本鋼管重工労働組合(以下「組合」という。)の組合員であった。
被告は、昭和五五年一〇月、組合に対し、定年を順次五五歳から六〇歳に延長することを主な...
《解 説》
一 Xは、昭和四九年一〇月二二日、Aから土地及び建物を買い受けたが、右の建物(以下「本件建物」という)は、B(昭和六〇年二月二〇日死亡)が所有する隣接地の一部(約七坪。以下「本件土地」という)にはみ出して建築されていた。平成八年七月一四日ころに行われた本件建物を建て替える前提と...
《解 説》
一 X、Yはいずれも訴外Aの債権者である。X、Yともに、訴外Aから、訴外AのB外七社に対する現在及び将来の債権の譲渡担保を受け、その旨を債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(以下「債権譲渡特例法」という)に基づき登記し、対抗要件を具備した。ところで、登記の時期は、...
《解 説》
一 原告は、かねてから被告において株式等の取引を行っており、平成一一年九月から同一二年三月の間に、五回ヤフー株式会社の株式を買い付け、短期間で売却していたが、同年四月三日、ヤフーの決算発表があるとの報道を聞き、同社の株式が決算発表後に値上がりする傾向があると考え、被告の担当外務...
《解 説》
一 明治四二年に出生したA(事件本人)は、昭和六二年三月、特別養護老人ホーム(本件施設)に入所したが、平成一〇年五月ころから財産管理能力の不足が目立つようになり、医師から脳血管性痴呆と診断された。事件本人の親族としては、弟の長女Bと二女C及びCの長女Xが健在であり、C及びXは、...
《解 説》
本件は、A漁業組合の組合員であるXら(原告、反訴被告)が、A漁業組合の組合長であるY(被告、反訴原告)に対し、Yには忠実義務違反があるとして、水産業協同組合法四四条が準用する商法二六七条に基づいてA漁業組合に対して損害賠償を支払うよう求め(本訴事件)、Yは、Xらの本訴提起が不法...
《解 説》
本判決は、共犯者らと共謀して韓国から大量の覚せい剤を密輸入し、あるいは密輸入しようとしたとする覚せい剤取締法違反、関税法違反等被告事件で懲役一六年の判決を受け服役を終えた被告人に対して、再審で無罪(一部無罪)を言い渡したものである。
本件事案の内容及び再審開始に至るまでの経過...