最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 事案の概要
1 Y銀行は、昭和六一年五月、五五歳以上の管理職をラインから外しスタッフ的な専任職として賃金額を平均約一〇パーセント削減するとともに五五歳以上の行員の基本給の額を凍結するという第一次専任職制度を導入するため、第一次就業規則変更を行い、引き続き、同六三年四月、原...
《解 説》
一 事案の概要
本件の被告である日本航空株式会社は、従前、運航乗務員のうち副操縦士及び航空機関士で組織される労働組合(日本航空乗員組合)と協定を締結して、その労働条件の基準(勤務基準)を定め、それとほぼ同内容の就業規則(被告は「就業規程」という名称を使用している。以下「本件就...
《解 説》
一 本件は、昭和六二年九月に近鉄東大阪線の生駒トンネル内で火災が発生し、乗客一名が死亡し四二名の乗客及び乗務員が傷害を負った事故に関して、トンネル内の電力ケーブルの接続工事を施工した下請け業者の代表者である被告人が、右事故について業務上失火、業務上過失致死傷の責任を問われた事案...
《解 説》
一 本件は、東大阪市の職員であった被告人が、東大阪市長の政治団体の会計責任者らと共謀の上、大阪府選挙管理委員会に提出すべき右政治団体の収支報告書に虚偽の収入金額を記載したという事案であり、被告人は、右所為が平成六年法律第四号による改正前の政治資金規正法二五条一項が定める収支報告...
《解 説》
一 本件は、被告人が、町長選挙への立候補を決意して助役を退職した際、同町職員で構成される親睦団体からせん別金一九万円、同町から報奨金二〇万円を贈呈されたことから、在職中世話になったことに対する謝礼等の趣旨で、退職後間もない時期に、同町職員九二名に対し、手交し又は郵送するなどの方...
《解 説》
一 事案の概要
本件の事案はやや複雑であるが、争点に即して整理すると、以下のとおりである。
1 国内準大手のゼネコンであるXは、いずれも個人Bが実質的に経営し、老人福祉施設の管理運営などを目的とするA社ほか一社から、老人福祉施設及び関連施設の建築並びにこれに伴う敷地造成等の...
《解 説》
一 控訴人はマンションの完成前に、六階西端の六〇三号室を買い受ける契約をした。本件マンションの西方に二条城がある。六〇三号室は六階西端に存し、南向きにベランダが、西に向いて窓がある。
被控訴人ら(売主と販売代理人)の作ったパンフレットでは、上階からは二条城の眺望が広がると記載...
《解 説》
一 訴外A男は、平成七年二月当時立教大学三年に在籍していた者であるが、同月二日、高熱・吐き気・頭痛を訴え、救急車でYの経営する「桜ヶ丘中央病院」に救急車で搬送され、意識障害の症状が認められ、そのまま入院した。その後、同病院において、四度にわたり腰椎穿刺による髄液検査を実施したと...
《解 説》
本件は、X(申述人、抗告人)が、その父(被相続人)が死亡したが、同人が生前にその債務(本件債務を含む。)を含む遺産のすべて(ただし、本件マンション敷地の一部持分を脱落させていた。)を長男A(Xの兄)に相続させる旨の公正証書遺言(本件遺言)をしていたため、自ら相続する積極・消極財...
《解 説》
本件は、未成年者とその祖父母との間で、未成年者の親権者である実父母の代諾により養子縁組届出がされた後、右祖父が死亡したことから、その遺産分割について右祖母がした特別代理人選任の申立てを却下した事案である。
原審判は、右養子縁組の届出が、縁組の当事者間に真実社会通念上養親子と認...
《解 説》
一 Xは、チリ国内の訴外会社Aに対して、五回にわたり、商品を売却したが、その際、右商品をシンガポール港からチリ国イクイケ港まで輸送する海上運送をYに委託し、Yから船荷証券の発行を受けた。Xは、Aを名宛人とする為替手形を振り出し、船荷証券とともに荷為替を組み、為替取組銀行に買い取...
《解 説》
一 本件は、終身保険契約における契約者貸付制度の利用による貸付債務の存否に関して、①保険会社が貸付申込の意思確認のための注意義務を尽くしたか否かの点と、②右貸付債務が生じたとしても、期限の定めのない返還債務として、貸付日から一〇年を経過したことにより消滅時効が完成したか否かが争...
《解 説》
一 本件は、Xから訴訟委任を受けたという弁護士甲が、X所有地にYらの所有権移転登記が経由されていることを原因として、Yらに対し、その抹消登記手続を求めた事案であるが、Yらにおいて、本案前の答弁として、甲弁護士が本件訴えを提起した当時、Xには本件訴訟を甲弁護士に委任するに足りる意...
《解 説》
本件は、債権者が、債務者に対する平成七年七月一一日付け八億五〇〇〇万円の金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求権の内金一億円を被保全権利として、マンション三棟及びその敷地の強制管理を予定した仮差押えを申し立てた事案である。
事案の内容は、本決定理由の要旨二項及び三項に記載された...
《解 説》
本件は、第一審判決において、公務執行妨害罪、器物損壊罪で有罪とされた被告人に対する控訴審判決で、第一審判決が破棄され、無罪が言い渡された事例である。控訴審判決によると、事案はおおむね次のとおりである。整備不良の疑いがあるとして、パトカーに停止を求められたグロリア運転の犯人が、カ...