判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.1026


  • <世界の司法-その実像を見つめて10>非常勤判事の落日

    井上泰人   

    スコットランド法曹事情

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:4
  • 法の支配・法曹人口・法科大学院(下)

    萩原金美   

    司法改革三題噺

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:12
  • <特別刑法判例研究39>特別背任罪における第三者図利目的があるとされた事例(平和相互銀行事件)

    佐々木史朗    専田泰孝   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:22
  • 死刑に関する総理府の世論調査について

    加藤俊治   

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:26
  • 当事者本人からみた和解[補論]

    山田文   

    当事者の属性(自然人・法人)に基づく若干の分析

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:34
  • 続・民事裁判における経験則(5)

    後藤勇   

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:46
  • ゴルフ会員権論の再構築

    後藤徳司   

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:53
  • <対話としての読書7>共同体なき語り部

    関根牧彦   

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:60
  • 最高一小平12.2.7判決

    《解  説》
     一 本件は、いわゆる草加事件として著名な事件である。
     発端は、昭和六〇年七月に草加市内の残土置場に女子中学生の絞殺死体が放置されているのが発見されたことにある。事件発生のころ自動車二台を盗んで乗り回しており、かつ被害者と面識のあった一三歳から一五歳までの前歴のある少年六名が犯...

    引用形式で表示 総ページ数:16 開始ページ位置:75
  • 最高三小平12.1.28判決

    《解  説》
     一 本件は、著名な音響機器メーカーであるY(旧商号はトリオ株式会社)の東京都目黒区所在の本社地区の庶務の仕事から八王子市所在の事業所の製造ラインへの転勤を命じられた女性従業員Xが、命令に従わずに右事業所へ出勤しなかったため、最終的に懲戒解雇されたことにつき、Yに対し、地位確認、...

    引用形式で表示 総ページ数:20 開始ページ位置:91
  • 最高三小平12.2.29判決

    《解  説》
     一 本件は、いわゆる預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産した場合に、その破産管財人が破産法五九条一項によりゴルフ場経営会社との間の会員契約を解除して預託金の即時返還を請求することができるかどうかが問題になった訴訟である。
     A社は、平成二年二月九日に入会保証金二三〇〇万円を預託...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:110
  • 《解  説》
     一 本件は、大阪市他に在住する原告らが平成六年度の固定資産税のいわゆる評価替えの違法性を争い、国家賠償を求めたものである。原告らの主張は、固定資産評価基準に関する規定を自治大臣の定める告示に委任した地方税法三八八条一項が租税法律主義及び租税条例主義を定めた憲法八四条に、固定資産...

    引用形式で表示 総ページ数:21 開始ページ位置:114
  • 《解  説》
     一 本件は、大学入試センター試験(以下「センター試験」という。)を受験後、横浜市立大学(以下「横浜市大」という。)の入試を受験し合格した原告が、横浜市公文書の公開等に関する条例(以下「本件条例」という。)に基づき、被告横浜市長に対し、センター試験個人別成績一覧(本人に係る分)(...

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:135
  • 鹿児島地平11.4.30判決

    《解  説》
     一 本件は、被告国が臨港道路整備事業として河口に橋梁工事をするに伴い市道と橋梁とを連結するスロープ状の取付道路工事(以下「本件工事」という。)を計画、施工したところ、河口部の土地所有者である原告において、本件工事により原告所有地に接する市道の形状が変更されるため、原告所有地の評...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:149
  • 《解  説》
     本件は、りんご生産等を行うことを目的として設立された民法上の組合において、組合からりんご生産作業を委嘱されてこれに従事した組合員が、その作業の対価として得た収入につき、所得税法の事業所得(所得税法二七条一項)に該当するか、給与所得(二八条一項)に該当するかが争われた事件である。...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:157
  • 東京高平11.12.20判決

    《解  説》
     一 東京都町田市では、下水道施設に関する工事を日本下水道事業団に委託して行わせていたが、この事業団の各地方自治体からの下水道施設に関する受託工事に関して、事業団の指導の下に九社の業者が共同して受註予定者をあらかじめ決定しておき、この受註予定者が工事の発注を受けられるようにするた...

    引用形式で表示 総ページ数:21 開始ページ位置:162
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     原告は、横浜市の住民であり、横浜市公文書公開条例の実施機関である被告に対し、横浜市所有の普通財産等のうち将来の公共事業用地取得に伴い地権者に提供する代替地の一覧表及び横浜市土地開発公社が市の依頼により先行取得し、将来市又はその指定する第三者に譲渡することの予定...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:182
  • 福岡高平10.11.20判決

    《解  説》
     一 事案の概要
     Xらは、熊本県下の市町村立小中学校又は県立学校に勤務する教職員であり、県教職員組合又は県高等学校教職員組合に所属する者であるが、政府が昭和五七年度人事院勧告について全面凍結という決定をしたことから、凍結の撤回、人事院勧告の全面実施等を求めて、一、二時間の争議行...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:191
  • 《解  説》
     Xは、自己所有の本件土地建物について、Aから、「地上げ屋から守るためにその名義を形式上Aに移してはどうか。」と持ちかけられてこれに応じ、Aと通謀してAへの売買を仮装し、A名義に所有権移転登記を経由したが、真実はAが本件土地建物を詐取するために右の虚偽の話を持ちかけたもので、Xは...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:201
  • 《解  説》
     一 本件は、預託金会員制ゴルフ会員権を取得したXが、ゴルフクラブを経営するYに対し、ゴルフクラブ会員契約に基づき、預託金の据置期間満了を理由として預託金の返還を請求した訴訟である。Yは、クラブ会則に基づき預託金の据置期間を一〇年間延長することを決議した旨主張し、延長決議は、クラ...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:205
  • 《解  説》
     一 X(コンビニエンス・ストアのフランチャザー)は、Y1(フランチャジー)との間で、平成六年五月一日フランチャイズ契約を締結したが、翌七年二月一二日「本件契約を継続しがたい重大な事由」があるとして約定解除権を行使した。そして、Y1及びY2(連帯保証人)に対し、未精算金・損害賠償...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:211
  • 《解  説》
     一 本件は、信用金庫である原告Xが、タイル工事業者である被告Y会社から、融資金の弁済に代えて、Yが訴外建設会社に対して有する請負工事代金債権の譲渡を受けたとして、Yに対し、右訴外建設会社が右工事代金につき債権者不確知を原因として供託した供託金の還付請求権をXが有することの確認を...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:220
  • 《解  説》
     本件は、証券会社であるYとの間で、株式等の取引を行ったXが、右の取引には、Y担当者による適合性原則に違反した勧誘、リスクの大きい信用取引についての説明義務違反、利益保証ないし断定的判断の提供、無断売買、過当取引に当たるなどの違法があるとして、Yに対し、債務不履行又は不法行為によ...

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:227
  • 《解  説》
     一 Xは、不動産の売買、仲介、貸付等を業とする株式会社Y2に事務員として雇用されていた者であり、Y1は同社の代表取締役である。Xは、勤務時間内にY1からスカートの中に手を入れられたり、キスを求められるなどされ、さらに、勤務終了後、Y1と他の従業員と共に食事に行き、Y1に車で送っ...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:240
  • 東京高平10.10.30判決

    《解  説》
     一 訴外Aは、平成四年一〇月、原動機付自転車を運転して神奈川県海老名市内の道路を走行中、Yの運転する軽四輪貨物自動車に衝突され、右足関開放骨折、右下腿挫創等の傷害を負った。
     そして、Aは、寒川病院において観血的整復固定術を受けたが、急性腎不全等が発症したので、東海大学大磯病院...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:246
  • 福岡地飯塚支平10.10.12判決

    《解  説》
     一 Xは、平成六年三月、体重減少の原因を精査、加療する目的で、Yの経営する病院に入院し、大腸ファイバースコープ検査を受けたところ、同検査を担当した医師の不注意によりS状結腸を穿孔されたため、Yに対し、民法七一五条一項により治療費、休業損害等総額一三六五万余円の損害賠償を請求した...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:249
  • 福岡高宮崎支平11.5.14判決

    《解  説》
     一 Xは、A会社に対し継続して商品を納入していたが、A会社が平成六年七月自己破産を申し立て、その後破産宣告がなされたため、代金の支払を受けられなくなった。そこで、右仕入行為のうち同年四月中旬以降のものは、A会社の代表取締役であるY1の代金支払の見込みがないのに悪意又は重過失によ...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:254
  • 《解  説》
     一 Xは、千葉市中央区所在の店舗を賃借して飲食店を経営していたところ、平成八年二月一〇日、火災により右店舗は全焼したが、右店舗の所有者が店舗を再度建築して賃貸する意思がなく、他に代替店舗を探したが容易に見つけ出すことができず、平成九年三月二七日に至り、ようやく千葉県印旛郡富里町...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:266
  • 名古屋高平10.6.30判決

    《解  説》
     一 訴外Aは、伊勢総合病院に入院し、喉頭蓋チステの治療を受けていたところ、昭和五八年一月、同病院の医師の過誤により死亡したため、その遺族であるXは、定期保険付終身保険契約を締結していたY(保険会社)に対し、右Aの医療過誤による死亡は「不慮の事故」に当たると主張し、災害保険金一四...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:269
  • 《解  説》
     一 本件は、デザイン書体の形態が周知な商品等表示といえるかが争われた事案である。いわゆるポップ用文字とは、小売量販店であるスーパーマーケット等の販売場で見られる商品の値札表示や新聞の折り込み広告において使用されるもので、販売促進効果の見地から、購入者に対する視覚的効果に訴えかけ...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:273
  • 名古屋地豊橋支平11.2.24判決

    《解  説》
     一 原告は、健康食品の製造販売を業とする株式会社であるが、全国に「販社」と呼ばれる販売組織を創設し、その下部に「特約店」と呼ばれる販売店を、そのまた下部に「普及店」と呼ばれる最小単位の販売店を置き、製品の販売、普及活動を行っていた。原告製品は、原則として、原告から販社へ、販社か...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:279
  • 名古屋地平11.1.18判決

    《解  説》
     一 本判決は、①権利能力なき社団であるPTAに対する会計帳簿等の閲覧請求が司法審査の対象になるとし、②PTA会員による会計帳簿等の閲覧請求を認めたものである。
     二 ①について
     この点について本判決は、被告は自律的・自治的団体と認定した上で、結社の自由も一定の内在的本質的制約...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:286
  • 《解  説》
     一 X1は、生花、植木、園芸資材等の売買等を業とする会社であるが、Y(NHK)を被告として、「Yがその記者らを使って、X1の社屋前の道路上からビデオカメラでX1の社屋の内外部を撮影して、X1及びX1の代表取締役X2、X3らのプライバシーを侵害した」として、慰謝料としての損害賠償...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:290
  • 和歌山地平10.8.10決定

    《解  説》
     一 Xらは、いずれも和歌山市吉田所在の鉄骨造陸屋根四階建建物(本件建物)の周辺に居住しあるいは営業をして、本件建物付近を日常的に通行している者であるが、本件建物を組事務所として使用している暴力団乙組の組長であるYに対し、周辺に暴力団事務所が存在するため、暴力団の抗争事件に巻き込...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:294
  • 名古屋高平11.10.6判決

    《解  説》
     一 事案の概要
     本件事案は、被告人が共犯者一名と共謀の上、九月下旬午前四時五〇分ころ、盛り場の路上において、当時二五歳の被害者に対し、こもごも顔面・腹部・背部等を足蹴にする暴行を加え、同人に傷害を負わせたというものである。
     被害者は、原判示日時場所で二人組の男性に暴行を受け...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:297
  • 《解  説》
     一 本件事案の概要は、被告人が、受領した融資金の担保として、債権者に株券を入質交付した後、その株券を紛失した旨の虚偽の理由による除権判決の申立てをしてこれを失効させ、質権を喪失させて質権者に当該株式の時価総額相当の財産上の損害を加えたというものであり、被告人のこの行為が背任罪を...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:300