賃貸人の賃料支払の催告に対し賃借人が賃貸人の認めない他の物件も賃借したとして両者の賃料をあわせて提供したときは債務の本旨に従った履行の提供とはいえない。
1 国税徴収法に基く不動産の公売処分が適法に取消されたときは遡って公売処分なかりし状態と同じ状態に復せしめられる結果、公売物件の所有権は公売によって買受けた者から元の所有者に復帰するが、公売による移転登記を抹消してその登記名義を回復しない限り、右取消後に物件を転得しかつ登記を経た者には対抗し得ない。 2 右の場合公売処分取消により所有権の復帰を得た元の所有者は、自ら登記名義を回復しないままで、右公売処分の直接の買受人に対しては、その者が現在登記名義人でなくかつ現在の名義人には所有権復帰を対抗し得ない場合でも、右買受人の得た所有権取得登記の抹消を求め得る。 3 右の場合公売処分の買受人から公売取消後に所有権を取得した者がその登記を経ていないときは、その者は右所有権取得を元の所有者に対抗し得ずその占有は不法というべきだから、元の所有者は登記名義の回復をしなくてもその所有権復帰をもってその者に対抗し得る。
5ケ月分の賃料催告のうち最後の1ケ月分は弁済期の到来しないものであっても、4ケ月分では受取らないという事情がない限り4ケ月の延滞賃料の催告として有効である。
1 台湾人との婚姻届出が昭和22年5月5日付で受理され、新法施行後で平和条約発効後たる昭和28年2月5日本人の戸籍役場に送付された結果、同日付で戸籍簿に除籍の記載がされたときは右記載に法律上許されないものではない。 2 右の場合、戸籍簿上除籍の記載により直ちに日本国籍を失うものでなく、平和条約発行前に台湾人と結婚した日本人は条約発効とともに国籍を失うものでないとするならば、生ず国籍の有無に関する身分関係確定の判決を得て、戸籍法第116条の訂正手続による等他の方法を考慮すべく、同法第113条による戸籍訂正
包括して一罪を構成するとして起訴された犯罪事実の一部が犯罪たるの証明なしと判断したとき、その部分に関して生じた訴訟費用を被告人に負担させることは違法か