建物の区分所有等に関する法律59条1項に基づく訴訟の口頭弁論終結後に被告であった区分所有者が死亡した場合に,同訴訟の判決に基づいて競売を申し立てることはできないとして,競売開始決定が取り消された事例
株主総会に係る招集の決定事項の定めにより,法人である株主が代理人により議決権を行使する場合の本人確認書類が限定され,その議決権行使に一定の制約が生じていたとしても,当該株主総会の招集権者による招集通知後の対応により,上記議決権行使の機会は実質的にみて十分に確保されているなどとして,監査役の違法行為差止請求権を被保全権利とする株主総会開催禁止の仮処分の申立てが却下された事例
1 信用金庫の職員であった本件労働者が自殺したことについて,その父である控訴人に対し労働者災害補償保険法に基づく葬祭料を不支給とした処分行政庁の処分を違法として,これを適法とした一審判決を取り消し,不支給処分を取り消した事例
2 本件労働者は,定型症状の全てを満たし,他の一般症状も4つ以上が存在していずれも重症であったから,重症うつ病エピソードに該当していたし,精神障害発病のおそれが十分あるだけの心理的負荷が生じていたことに照らしても発病は明らかであるとして,妄想型うつ病を発病したものと認めた事例
3 営業目標(ノルマ)の設定について,いわゆる自爆営業が限界に達しても,上司からその継続を要求され,ノルマ不達成を厳しく責められていたことから,心理的負荷の程度は少なくとも「中」に該当し,「強」に近いとした事例
4 上司による叱責について,業務上必要と認められる部分があったとしても,その態様等が社会的相当性を逸脱している場合には,業務上の必要性によって心理的負荷が軽くなるものではないから,業務上の必要性を心理的負荷の軽重の判断において重視することは相当でない
市立中学校の陸上部の部活動で走り高跳びの練習中に発生した事故について,顧問の教諭が安全配慮義務を怠ったとして,市及び県の損害賠償責任を肯定した事例
1 肝細胞癌の疑いのあった患者に対してEOB造影MRI検査を実施していたならば患者がその死亡時点においてなお生存していたであろうことを是認し得る高度の蓋然性又はなお生存していた相当程度の可能性の有無
2 生存の相当程度の可能性が認められる場合の損害額
1 「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生年金保険の保険給付等に関する経過措置に関する政令」(平成27年政令第343号)50条にいう「施行日前から引き続き当該被保険者の資格を有するもの」の意義
2 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号。令和2年法律第40号による改正前のもの)附則17条2項において準用される同附則15条3項(「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律及び地方公務員等共済組合法及び被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律の施行に伴う地方公務員等共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令」(平成27年政令第347号。令和3年政令第229号による改正前のもの)36条1項による読替え後のもの)にいう「施行日前から引き続き改正後厚生年金保険法第27条に規定する被保険者…であるもの」の意義
地方公共団体から譲渡を受けた温泉施設を運営している法人が,温泉施設の不具合について,売主である地方公共団体に対して瑕疵担保責任(平成29年法律第44号による改正前の民法570条)等に基づく損害賠償請求をしたが棄却された事例
高等学校の野球部に所属していた生徒が在校中に適応障害等を発症したことにつき,野球部の部長(顧問)のパワーハラスメント行為等が認められなかった事例
1 東京航空局長が東京国際空港長宛てに発出した,「東京国際空港に離着陸する航空機は,原則として川崎石油コンビナート地域上空を避けるべきこと」等を内容とする通知による取扱いを廃止する旨の同一当事者間の通知は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか
2 航空法83条本文並びに航空法施行規則189条2項及び同条1項1号に基づく「計器飛行方式による進入の方式その他当該空港等について定められた飛行の方式」に該当する飛行経路の定めは,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか
3 航空法83条本文並びに航空法施行規則189条2項及び同条1項1号に基づく「計器飛行方式による進入の方式その他当該空港等について定められた飛行の方式」に該当する飛行経路の定めの取消訴訟の原告適格
同一特許及び同一製品に係る特許権侵害差止等請求事件及び仮処分命令申立事件が並行審理された場合において,いわゆるレビュー期日における侵害論の心証開示後に,仮処分認容決定が発令された事例
児童自立支援施設に送致されるとともに,1年6か月の間に通算30日を限度として強制的措置をとることができる旨の決定を受けた少年につき,その強制的措置をとり得る大枠の期間内に,再度の強制的措置許可申請がなされた事件において,通算40日を限度として強制的措置を許可するのはやむを得ないものと認められるとして,この限度で強制的措置を許可した事例
債務総額の約5%が不足する額をもって弁済の提供をしても,民法493条にいう債務の本旨に従った弁済の提供には当たらないとした事例
被告医薬品は,特許法104条に基づき,本件発明に係る製造方法により生産したものと推定することはできないとされた事例
1 公益法人等が収益事業以外の事業に属する資産として取得した有価証券を普通法人に移行した後に譲渡した場合における法人税法61条の2第1項2号の譲渡原価の額が法人税法施行令119条の2第1項1号により取得価額とされた事例
2 公益法人等が普通法人への移行前に減価償却資産について計上した減価償却費の金額が,損金経理額について定めた法人税法31条4項の「所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額」に当たり,旧定率法による償却限度額について定めた法人税施行令48条1項1号イ(2)の「既にした償却の額で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額」には当たらないとして,当該減価償却資産の取得価額に基づいて償却限度額を計算すべきとされた事例
創価学会の会員において聖教新聞掲載に係る報道写真をスマートフォンで写してこれをツイッターに掲載して批評と共に利用する行為が,著作権法32条1項にいう引用に該当するとされた事例
預金保険法101条の2第1項に該当する特定回収困難債権の債務者の元代表取締役らが,当該債務者名義の口座から金員を払い戻して横領した事案において,金融機関による前記債権の回収を妨害していた者の前記元代表取締役らに対する教唆・幇助行為が認められなかった事例
バイオマス関連製造事業について市が事業者に補助金を支出したことについて,市長個人に対する賠償請求をすることを命じる住民訴訟の判決が確定したことから,地方自治法242条の3第2項に基づき市が市長個人に対して提起した損害賠償請求訴訟において,市長個人に対し損害賠償金の支払を命じた事例
1 被控訴人は,控訴人を任期を定めることができないポストであった助教に採用したのに,被控訴人大学大学院の専攻長らが,大学教員の任期に関する規程に反して専攻間の申合せを優先させ,控訴人に任期を5年とする同意書を差し入れさせるなどしたことは,同意書が返還され,別の安定したポストに異動するまでの間,控訴人の地位を著しく不安定な状態に置いたもので,就労に関わる事項において不利益を与えたハラスメントに当たり違法とした事例
2 執務区画が撮影範囲に含まれるカメラが執務室に設置されており,控訴人の着任に際してこれを説明しなかったことは,監視が目的でなかったとしても,映像がネットワークを通じて第三者も閲覧し得るシステムになっていたことも併せれば,控訴人のプライバシーを不当に侵害するもので違法とした事例
3 指導担当教授という極めて重要な事項につき,控訴人の意向等を全く確認せず別系統の者に変更し,卒業論文発表会の案内が2年間されないなど控訴人の所属が曖昧となって事実上排除され,孤立した就業環境に置かれたことは,変更前の教授と折り合いが悪かったことなどを斟酌しても,就労に関わる事項において不利益を与えたハラスメントに当たり違法とした事例
4 准教授となった控訴人にとって,指導する大学院生用の研究室は教育研究活動上極めて必要性及び重要性が高い設備であり,専攻内や研究科全体でその必要性等を検討することなく,割当ての要求を一蹴したことは,控訴人の教育研究活動に対する配慮を著しく欠いたもので,就労に関わる事項において不利益を与えたハラスメントに当たり違法とした事例
5 控訴人は,被控訴人大学大学院の所属部署において,継続的に村八分のように扱われ,不安定で孤立した就業環境を強いられるなど精神的苦痛を被ったとし,請求を棄却した一審判決を変更して,慰謝料等110万円の請求を認めた事例
6 ハラスメント対策委員会で承認された当初の調査報告書の内容及び結論を否定する再調査委員会の報告書は,損害賠償義務を免れるため組織的に行われたと疑われる面があるなど信用性に疑義があり,少なくとも当初の報告書より信用性が高いとはいえないとした事例
インターネット接続サービスを提供する外国法人に対する発信者情報開示命令の申立てについて,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律9条1項3号に基づく日本の裁判所の管轄権が認められた事例