調理場の保存食を窃取したことを理由として教育委員会が学校給食の調理員に対してした懲戒免職処分が違法であると判断された事例
公職選挙法が定める地方公共団体の長の選挙につき供託物を没収された候補者のポスター作成費用を公費負担しない制度は憲法15条,44条1項ただし書に違反しないとして,同制度に関する立法不作為が違法であるとしてされた国家賠償請求が棄却された事例
特定少年である少年が,共犯者らと共謀の上で及んだ路上強盗事件において,犯情の悪さに加え,少年の性格,行状及び環境その他の事情を考慮して,検察官送致とするとともに,併合して審判された窃盗及び傷害事件についても検察官送致とした事例
ブログに掲載された原告の社会的評価を低下させる記事について,掲載の時点では公共の利害に関する事項に当たるものであったが,その後11年以上が経過した口頭弁論終結日の時点においては公共の利害に関する事項に係るものとはいえないとして,削除請求が認容された事例
会社法297条4項に基づき株主総会の招集を許可された株主が,当該会社の株主名簿管理人に対し,同株主名簿管理人が保管する株主名簿データの引渡しを求めることができるとされた事例
債権者が養育費・婚姻費用請求権者で,債務者が就労しつつ生活保護を受給していて給与債権に対する差押えを受けたという事実関係の下で,債務者による差押えの全部取消しの申立てが認められず,差押禁止債権の範囲変更の限度で認容された事例
いわゆる危急時遺言について,民法976条1項所定の口授,筆記,読み聞かせ等の事実が認められないとして,遺言の無効を確認した事例
大麻取締法違反,麻薬及び向精神薬取締法違反保護事件について,麻薬施用の事実が認定されるとして,第1種少年院に送致され,大麻所持の事実については,非行事実が認められないことを理由として,不処分決定がされた本人に対する少年補償事件において,補償を認めた事例
1 死亡した子に対する敬愛追慕の情がSNSへの投稿により侵害されたとしてされた不法行為に基づく損害賠償請求が,当該投稿に係る画像が捏造されたものである可能性を否定できないなどとして棄却された事例
2 死亡した子に対する敬愛追慕の情がSNSへの投稿により侵害されたとしてされた不法行為に基づく損害賠償請求が,当該投稿に係る画像が捏造されたものである可能性を否定できないなどとして棄却される場合において,当該請求に係る訴えの提起の時点において通常人であれば当該画像が捏造されたものであることを容易に知り得たとまでは認められないなどとして,当該訴えの提起等が違法な行為とならないとされた事例
原審公判廷で宣告された判決主文と異なる主文を記載した判決書を作成した原審の訴訟手続が,判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反を構成するとされた事例
特定少年である少年が,16歳未満であり,かつ,少年より5歳以上年少である被害者と性交した不同意性交等保護事件等において,刑事処分以外の措置を相当と認め,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を2年間とした事例
建物の区分所有等に関する法律59条1項に基づく訴訟の口頭弁論終結後に被告であった区分所有者が死亡した場合に,同訴訟の判決に基づいて競売を申し立てることはできないとして,競売開始決定が取り消された事例
株主総会に係る招集の決定事項の定めにより,法人である株主が代理人により議決権を行使する場合の本人確認書類が限定され,その議決権行使に一定の制約が生じていたとしても,当該株主総会の招集権者による招集通知後の対応により,上記議決権行使の機会は実質的にみて十分に確保されているなどとして,監査役の違法行為差止請求権を被保全権利とする株主総会開催禁止の仮処分の申立てが却下された事例
1 信用金庫の職員であった本件労働者が自殺したことについて,その父である控訴人に対し労働者災害補償保険法に基づく葬祭料を不支給とした処分行政庁の処分を違法として,これを適法とした一審判決を取り消し,不支給処分を取り消した事例
2 本件労働者は,定型症状の全てを満たし,他の一般症状も4つ以上が存在していずれも重症であったから,重症うつ病エピソードに該当していたし,精神障害発病のおそれが十分あるだけの心理的負荷が生じていたことに照らしても発病は明らかであるとして,妄想型うつ病を発病したものと認めた事例
3 営業目標(ノルマ)の設定について,いわゆる自爆営業が限界に達しても,上司からその継続を要求され,ノルマ不達成を厳しく責められていたことから,心理的負荷の程度は少なくとも「中」に該当し,「強」に近いとした事例
4 上司による叱責について,業務上必要と認められる部分があったとしても,その態様等が社会的相当性を逸脱している場合には,業務上の必要性によって心理的負荷が軽くなるものではないから,業務上の必要性を心理的負荷の軽重の判断において重視することは相当でない
1 肝細胞癌の疑いのあった患者に対してEOB造影MRI検査を実施していたならば患者がその死亡時点においてなお生存していたであろうことを是認し得る高度の蓋然性又はなお生存していた相当程度の可能性の有無
2 生存の相当程度の可能性が認められる場合の損害額