保険金請求につき主に因果関係を認めず(本訴),他の保険金の誤払いにつき,法律上の原因がないことの悪意,不当利得返還請求権の行使の信義則違反等をいずれも認めなかった(反訴)事例
消費者裁判手続特例法2条4号所定の共通義務確認の訴えについて同法3条4項にいう「簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるとき」に該当するとした原審の判断に違法があるとされた事例
禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わるまでの者の選挙権を制限する公職選挙法11条1項2号の規定が憲法に違反しないとして,控訴人の次の衆議院議員及び参議院議員の選挙において投票することができる地位の確認並びに受刑中に投票できなかったことを理由とする控訴人の国家賠償請求が棄却されるなどした事例
インターネット上の投稿につき,意見ないし論評の域を逸脱したものとはいえず,真実性の抗弁が成立するなどとして,名誉毀損及び名誉感情侵害による不法行為がいずれも成立しないとされた事例
災害弔慰金及び災害義援金の支給規定上同順位の支給対象遺族が複数あるなかで,支給決定権者から支給決定を受けて単独で支給を受けた遺族にはその全額の取得につき法律上の原因があり,他方,支給を受けた遺族と同順位の遺族であるというだけでは当該災害弔慰金等につき当然にその法定相続分相当額を取得する具体的権利を有するとはいえないとして,他の同順位の遺族らが単独で支給を受けた遺族に対してした法定相続分相当額の不当利得返還請求を棄却した事例
司法書士業等を営む者の不動産所得について所得税法157条1項を適用して同族会社との間の不動産賃貸借契約により得た賃貸料を適正賃貸料に引き直して算定するなどとしてされた所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分について,同不動産賃貸借契約は同項にいう「これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらず同項を適用することはできないとして,その一部を取り消した事例
現行の法律婚制度を利用できる者を法律上異性の者同士の婚姻に限定している民法及び戸籍法の諸規定と憲法14条1項,24条1項及び同条2項
1 ループを形成する操作コードの付属した上げ下げロール網戸について,製造物責任法3条の欠陥(指示・警告上の欠陥)があったと認められた事例
2 1の上げ下げロール網戸を設置したリフォーム業者の従業員に操作コードの危険性等について説明しなかったなどの注意義務違反があったと認められた事例
3 リフォーム工事の請負契約等について特定商取引に関する法律に基づくクーリングオフが認められた事例
1 同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定は,憲法13条に違反すると認めることはできないが,憲法24条1項・2項及び14条1項に違反するとした事例
2 同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定を改廃しないことが,国家賠償法1条1項の適用上,違法であると認めることはできないとした事例
ピアがファイルの一部を所持していることを確認するUNCHOKEの通信は,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律5条1項にいう権利の侵害を構成するものとはいえないとされた事例
町職員の原告が1か月123時間を超える時間外勤務を行うなどして抑うつ状態(適応障害)を発症したことにつき,原告の業務内容は質的にも量的にも過重であったことから,認定基準にいう「準ずるような業務による負荷があったと認められる場合」に当たるとし,業務による強度の精神的・肉体的負荷があったと認めて公務起因性を肯定した事例
相続回復請求の相手方である表見相続人は,真正相続人の有する相続回復請求権の消滅時効が完成する前であっても,当該真正相続人が相続した財産の所有権を時効により取得することができるか
中学校の教員が生徒に対するいじめの発生を防止(予防)すべき義務や生徒に対するいじめを発見すべき義務に違反したとはいえないとされた事例
発信者情報開示命令の申立てについての認容決定に対する相手方からの異議申立事件において,申立人である被告の発信者情報の開示を受けるべき正当な理由を否定して原決定を取り消し,発信者情報開示命令の申立てを却下した事例
転落防止用のベッドガードにつき,指示・警告上の欠陥があるとして,同ベッドガードを輸入,販売する被告が製造物責任法上の損害賠償責任を負うとされた事例
犯罪被害者と同性の者が犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当し得るか
社団たる医療法人の社員が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律37条2項の類推適用により裁判所の許可を得て社員総会を招集することの可否
1 新聞発行業者である被控訴人について,新聞販売店の経営者であった控訴人に対する私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律及び平成11年公正取引委員会告示第9号所定の不公正な取引方法に抵触する違法行為(いわゆる「押し紙行為」)があったとは認められないと判断した上で,控訴人の被控訴人に対する不当利得の返還,不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償の各請求を棄却した原審の判断を維持した事例
2 新聞販売店の経営者であった控訴人について,新聞発行業者である被控訴人に対する補助金等の詐取があったとして,新聞発行業者である被控訴人から新聞販売店を経営していた控訴人に対する不法行為に基づく損害賠償の請求を一部認容した原審の判断を維持した事例
1 絵柄を商品化したタオルについて,絵柄を除くタオル部分には,それ自体独立して美術鑑賞の対象となる創作性を備えているものとはいえないとして,応用美術としての著作物性が否定された事例
2 著作権者がその著作物に係る実施料のみを得ている場合における著作権法114条2項の適用又は類推適用の可否
1 時間外勤務手当請求において,GPS記録等を用いて一部の労働時間が認定された事例
2 民法405条による元本組入れ後の遅延損害金部分に対する遅延損害金について,賃金の支払の確保等に関する法律6条1項,同法律施行令1条を適用することはできないとされた事例
3 民法405条による元本組入れ後の遅延損害金部分を付加金の対象とすることはできないとされた事例