1 職員の退職手当に関する条例(昭和28年宮城県条例第70号。令和元年宮城県条例第51号による改正前のもの)12条1項1号の規定により一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分の適否に関する裁判所の審査
2 職員の退職手当に関する条例(昭和28年宮城県条例第70号。令和元年宮城県条例第51号による改正前のもの)12条1項1号の規定により公立学校教員を退職した者に対してされた一般の退職手当等の全部を支給しないこととする処分に係る県の教育委員会の判断が,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえないとされた事例
いわゆる被差別部落があった地域を記載した著作物の出版等について,「人間としての尊厳を保ちつつ平穏な生活を送ることができる人格的な利益」の侵害を理由に差止め等が認められた事例
1 いわゆる休車損害について民事訴訟法248条を適用して損害額を認定した事例
2 民事訴訟法248条の適用について,訴訟活動のコストも考慮したうえで適用することとし,争点整理手続において,当事者及び裁判所で一定の合意形成がなされた事例
登山講習会の開催中に発生した雪崩により,同講習会に参加していた県立高等学校の生徒及び引率教員が死亡した事故について,県立高等学校の教師である講師3名の個人責任を否定した一方,同講師ら及び主催団体が同講習会を中止すべき義務を怠ったとして,県及び主催団体の損害賠償責任を肯定した事例
17階建の商業ビルのうち中央部の3階までの部分が,その奥にある宗教施設への参道とするために空洞となっている場合において,当該ビルの敷地が,課税用途(商業施設の敷地)と非課税用途(境内地)の2つの用途に供されていると認めた事例
建設アスベスト大阪2陣・3陣訴訟
民法719条1項後段の類推適用により,石綿含有建材を製造・販売した会社の損害賠償責任を認めた事例
少年(審判時特定少年)が,友人に大麻を譲渡したという大麻取締法違反保護事件において,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を2年間と定めた原決定について,処分の著しい不当を理由とする抗告を棄却した事例
被告人が建造物侵入窃盗の犯人であることには合理的な疑いがあるとして無罪とした原判決は,被告人が犯行の2時間半余り後に犯行現場からそれほど離れていない駅に現れて始発電車で帰宅したという犯人性を推認させる事実を見落とすなどした結果,論理則・経験則等に照らして不合理な結論に至っており事実誤認があるとして,原判決を破棄して有罪の自判をした事例
生物学的な性別が男性であり性同一性障害である旨の医師の診断を受けている一般職の国家公務員がした職場の女性トイレの使用に係る国家公務員法86条の規定による行政措置の要求は認められない旨の人事院の判定が,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとされた事例
県知事により新型コロナウイルス感染症の感染者の立ち寄り先として店名が公表された飲食店が,当該公表は違法でありこれにより名誉・信用等が侵害されたと主張して,県に対し,国家賠償法1条1項に基づき慰謝料等の支払を求めた事案において,当該公表は相当なものであるとして,請求が棄却された事例
強制性交等致傷被告事件(令和5年法律第66号附則2条1項により同法による改正前の刑法181条2項,177条前段)について,原判決が,被害者とされるA女が,被告人との性的行為の後,友人らに送ったメッセージは,A女が自分の意思でした性的行為について,後から自分を責めて後悔しているように読むのが自然であり,強制性交等の被害をいうA女の証言とは整合しないなどとして,A女証言の信用性を否定し,被告人に無罪を言い渡したのに対し,原判決は,性犯罪被害者の心理理解を欠き,A女のメッセージの解釈を誤ったことなどを指摘し,A女証言や被告人供述の信用性評価の誤りを認めて,事実誤認を理由に原判決を破棄し,自判した事例
1 市議会が市議会議員に対してした同議員の同議会の定例会の一般質問における発言について謝罪及び反省を求める旨の決議が地方自治法135条1項1号の公開の議場における戒告に当たらず,上記決議が行政事件訴訟法3条2項の処分に当たらないとして,上記決議の取消しの訴えが却下された事例
2 上記決議が上記議会の内部規律の問題にとどまるものであり,上記議会の自律的な判断を尊重し,これを前提として請求の当否を判断すべきであるなどとして,上記決議及び上記決議の上記議会の広報誌への掲載等が国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとされた事例
入国審査官が,難民不認定処分に対する司法審査の機会を実質的に奪うことを目的として,難民不認定処分に対する異議申立棄却決定の告知を遅延させたこと,及び,入国警備官が,同様の目的で,異議申立棄却決定の告知と送還の執行が同日に連続的に行われるように日程を調整したことは,いずれも憲法32条により保障される裁判を受ける権利を侵害するものであり,国家賠償法1条1項の適用上違法である,また,上記目的で調整された送還の執行は,その間に行われた入国警備官による有形力の行使を含め,全て違法であるとして,国に対する慰謝料請求が認容された事例
国立大学法人に対してその労働組合と誠実に団体交渉すべきことを命じた労働委員会の救済命令の取消しを求めた同法人の請求につき,差戻し後の控訴審が団体交渉の過程における同法人の誠実交渉義務違反の不当労働行為を認定し,同請求を棄却すべきものとした事例
市が設置管理するサイクリングコースを走行していたロードバイクの前輪がコース上の溝に嵌まり運転者が転倒した事故について,市に国家賠償法2条1項の責任を認めた一方,ロードバイクの運転者につき1割の過失相殺を認めた事例
特定少年である少年が,共犯者らと及んだ侵入強盗等を含む窃盗,住居侵入,強盗,道路交通法違反保護事件において,犯情の重さに加え,少年の性格,行状及び環境その他の事情を考慮し,刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
受刑者の選挙権及び国民審査権を一律に制限する公職選挙法11条1項(2号に係る部分に限る。)の規定は,憲法15条1項及び3項,43条1項,44条ただし書並びに79条2項及び3項に違反しない
1 同族企業における株主代表訴訟の事例
2 会社への損害賠償を求める株主代表訴訟において原告側が要した弁護士費用は,同訴訟により会社に賠償すべき損害にならない,とされた事例