ツイッターにおける漫画のイラスト等を投稿の内容とするツイート及びリツイートによる名誉毀損及び名誉感情の侵害を理由とする損害賠償請求が一部認容された事例
予備校の受講規約に基づきその受講生であった者に対してされた違約金支払請求が消費者契約法10条に違反するとして一部無効とされた事例
1 民法上の保佐(準禁治産)等の制度は,本人の財産権等を擁護することを目的とするもので,警備業法における規制とは制度の趣旨が異なり,これを借用して被保佐人(準禁治産者)であることを警備員の欠格事由と定めた警備業法の本件規定(14条,3条1号)は,その制定当初から,憲法14条1項(法の下の平等)及び22条1項(職業選択の自由)に反するものであったとした事例
2 本件規定が憲法に違反していることは,遅くとも平成22年7月頃には,国会にとっても明白であり,警備員をしていた被控訴人が被保佐人となり欠格事由に該当したことで退職を余儀なくされた平成29年3月まで,約6年8か月にわたって本件規定を改廃しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,その違法性は大きいとした事例
3 本件規定が職業選択の自由そのものを制約するもので,被控訴人が習熟しており,生計維持のためにも必要な社会経済活動を制限され,同程度の能力を有する法定後見制度を利用しない者との間で不平等な扱いを受け,社会生活をしていく中でその能力を発揮する主要な場を奪われ,個人としての自立等を妨げられ,自己実現のできる重要な機会を強制的に奪われたことなどを考慮すると,慰謝料は50万円が相当であるとして,原審の認容額(10万円)から増額した事例
1 リモートワークで業務に従事していた従業員に対して,使用者が出社を命じたところ,この出社命令には業務上の必要性が認められないとして,その有効性が否定され,出社命令後の期間について民法536条2項に基づき賃金請求が認められた事例
2 リモートワーク期間中の所定労働時間外労働による割増賃金請求(本訴請求)及び同期間中の不就労時間に係る賃金の返還請求(反訴請求)について,労働時間,不就労時間のいずれについても立証が不十分であるとして,請求が棄却された事例
1 ループを形成する操作コードの付属した上げ下げロール網戸につき,製造物責任法3条の「欠陥」があるとは認められないとした事例
2 リフォーム工事の請負契約等につき,特定商取引に関する法律26条6項1号の請求訪問販売に該当せず,契約締結の際に交付された書面は同法5条の書面に該当しないと認め,クーリングオフによる解除の主張が権利の濫用に当たらないとして,請負契約等の解除を認めた事例
特定少年である少年が,共犯者らと共謀の上,現金等を脅し取ったという恐喝保護事件において,試験観察を含む社会内処遇によって少年の改善更生を図ることは困難であるなどとして,短期間の処遇勧告を付して少年を第1種少年院に送致した原決定について,その処分が著しく不当であるとはいえないとして,抗告を棄却した事例
民事再生法92条1項にいう「債務」には再生手続開始当時条件未成就の停止条件付債務は含まれないとして,再生債務者である信用組合組合員の再生手続開始後の脱退に基づく出資金返戻請求権を受働債権とする組合からの相殺を認めなかった事例
公務上の災害である旨認定されている自殺に至った市水道局職員の遺族が市に対して損害賠償を求めた訴訟につき,当該職員の上司において安全配慮義務違反があったとして賠償責任が肯定された事例
別居親と子,祖父母と孫との面会交流権について具体的に規定を設ける立法措置を採らなかった立法不作為は,憲法13条,14条1項,24条2項,市民的及び政治的権利に関する国際規約23条4項,児童の権利に関する条約3条2項,9条1項,3項,18条1項,国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約5条に違反せず,別居親又は祖父母と子又は孫との面会交流権がそれぞれ憲法上保障されており,その権利行使のために所要の立法措置を採ることが必要不可欠であって,それが明白であるということはできないとして,上記立法不作為は,国家賠償法上,違法の評価を受けるものではないとした事例
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
1 自動車保険約款にいう「車の所有,使用または管理に起因して生じた」ものの該当性
2 デイサービス施設の利用者が当該施設の停車中の送迎車から降車しようとして地面に転落して頭部を打ち付けた事故が,当該送迎車に係る自動車保険契約の自動車保険約款にいう「車の所有,使用または管理に起因して生じた」事故とされた事例
スカート着用の前かがみになった女性に後方の至近距離からカメラを構えるなどした行為が,公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ,人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例
商人間の売買事案において,売主が目的物の引渡しに際し当該目的物に瑕疵が存在するのを知らなかったことにつき重過失がある場合は商法526条3項が規定する売主悪意の場合と同視できるとの解釈を採った上,当該事案の事実関係の下では売主に重過失があるとして損害賠償責任を認めた事例
1 オンラインにより住民票の写しの交付請求に係る手続を行うことができる旨のサービスの提供者が,住民票の写しの交付請求に当たり総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則4条2項ただし書の適用がない旨を規定する省令改正が違法であることを前提に提起した,当該サービスを適法に行い得る地位にあることの確認請求に,確認の利益が認められた事例
2 オンラインによる住民票の写しの申請手続における具体的方法として厳格な本人確認手続と同程度のもののみを許容し,それ以外の手段による申請手続を排除する旨の省令改正が,授権規定である情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の委任の範囲を超えるものとはいえないとされた事例
特定少年である少年が,営利目的で大麻を譲渡し,営利目的で大麻を所持した大麻取締法違反保護事件において,犯情の重さに加え,少年の保護処分歴や犯行後の情況,少年の性格,年齢,環境等を考慮し,刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例