居酒屋を経営するYが,従業員をして,ビルの外階段を使用させている場合において,降雨の影響により滑りやすくなった外階段を裏面が摩耗したサンダルを履かせて昇降させていたときは,当該階段は,従業員が安全に使用することができる性状を客観的に欠いた状態にあり,Yは,従業員に対して当該階段の使用について注意を促すなど,従業員が当該階段を安全に使用することができるよう配慮すべき義務を負っていたとして,YのXに対する安全配慮義務違反を肯定した事例
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い売上げが減少した事業の継続を下支えすることを目的とする給付金について,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条5項に定める性風俗関連特殊営業を行う事業者に給付しない旨の持続化給付金給付規程(中小法人等向け)及び家賃支援給付金給付規程(中小法人等向け)の各定めの憲法14条1項への適合性
某国の国籍を有する夫と日本人妻との離婚訴訟において,某国の裁判所又は判事から逮捕状が発布されている妻を子らの親権者と指定した事例
相続財産である4筆の土地について,被相続人は,長年にわたり,地元の公共財産として申立人である市の公共の用に供してきており,将来的にもその現状が維持されることを望んでいたとして,申立人である市を特別縁故者と認めて4筆の土地をいずれも市に分与した事例
会社の事業再編計画の一環として,会社が取締役の利益相反取引によって他社の株式を有償で譲り受けたことについて,当該取締役を含む取締役らの会社に対する損害賠償責任が否定された事例
会社の求人募集に応募し採用内定通知書の交付を受けた求職者と当該会社との間で,賃金の額について合意できず,就労に至らなかったとして,労働契約の成立が否定された事例
少年が,友人らと共謀の上,廃業したホテルに侵入し,ライターで点火して1室を全焼させるなどした建造物侵入,非現住建造物等放火保護事件ほか1件の事案において,犯行動機,態様等の犯情に加え,保護処分歴がないことや犯行後の情況,少年の性格,年齢及び環境等を考慮して刑事処分以外の措置を相当と認め,少年を2年の保護観察に付し,収容可能期間を1年間と定めた事例
被害者の有する自賠法16条1項の規定による請求権の額と労災保険法12条の4第1項により国に移転した上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合において,自動車損害賠償責任保険の保険会社が国の上記請求権の行使を受けて国に対してした支払の効力
1 人の肖像を無断で使用する行為が肖像権を侵害するものとして不法行為法上違法となる場合
2 元プロテニス選手を被写体とする写真を同人に無断で週刊誌に掲載する行為が肖像権を侵害するものではなく不法行為法上違法とはいえないとされた事例
買収防衛策として導入・発動された新株予約権の無償割当てが,相当性を欠くものとして,その仮の差止めが認められた事例
1 国民年金・厚生年金保険障害認定基準(平成28年6月1日改正を最後の改正とするもの)のうち代謝疾患による障害について定めた部分(本件認定基準)には合理性を欠く点はない
2 本件認定基準に沿って判断して,1型糖尿病患者である原告が障害等級2級に該当するとされた事例
1 共同相続人の一人は,相続財産である不動産について相続回復請求権を行使することができる間であっても,取得時効の完成を主張することができるか(積極)
2 自筆証書遺言による包括遺贈がされた場合において,包括受遺者が当該自筆証書遺言に係る遺言書の存在及び内容を知るまでの間は,相続財産である不当利得返還請求権の消滅時効が進行しないとされた事例
弁護士法人が設置する弁護士事務所に対する捜査機関の捜索差押手続に際し,当該事務所に所属する弁護士が押収拒絶権を行使したにもかかわらず続行された手続が刑事訴訟法105条の趣旨に違反するとされたものの,捜査機関において職務上通常尽くすべき注意義務を怠ったものということはできないとして,当該弁護士らの国に対する損害賠償請求が棄却された事例
1 脚本の翻案物である映画が,脚本の著作者又はその許諾を得た者によって上映の方法で公衆に提示された場合
2 試写会で上映された映画の脚本を無断で週刊誌に掲載する行為が,当該脚本に係る公表権を侵害するとされた事例
別居中の夫婦間において,妻である抗告人が,夫である相手方に対し,前件調停で定められた未成年者らとの面会交流に関する条項の変更を求める事案において,原審が抗告人と未成年者らとの面会交流を間接交流とするのが相当であるとしたのに対し,抗告審は,長女に対する調査の実施時期や間接交流の継続的な実施状況等を踏まえ,未成年者らの意向・心情等の調査を改めて実施し,直接交流の可否や面会交流の具体的方法等を検討する必要があるとして,原審に差し戻した事例
経直腸的前立腺生検を受けた高齢男性が,生検翌日の退院後に発熱した上,感染症による重篤な敗血症を発症して入院治療を余儀なくされた症例につき,医師が感染症予防のために生検前に実施すべき消毒義務を怠った過失,感染症予防のために投与した抗菌薬の選択を誤った過失,救急外来の看護師が発熱の連絡を受けた際に直ちに来院するよう指示すべき義務を怠った過失等いずれの過失も認められないとして,不法行為(使用者責任)又は債務不履行責任を否定した原判決を相当とし控訴を棄却した事例