1 破産申立人代理人弁護士は,債権者の変動等の理由で提出済みの債権者一覧表の一部に誤りが生じたことを知った場合には,知れている破産債権者への開始決定通知が適正かつ迅速に行われる前提を確保するために,訂正した債権者一覧表を提出する等の方法により,正確な債権者の氏名及び債権の内容等を裁判所に対して報告する義務を負うと認められるとされた事例
2 破産管財人は,破産者が提出している債権者一覧表に記載のない新たな債権者の存在がうかがわれた場合であっても,破産者に確認するなどの調査を行い,その結果,新たに存在が確認できた債権者を破産裁判所に報告すべき注意義務を負っているものとは認められないとされた事例
1 1型糖尿病にり患し,国民年金法に基づく障害基礎年金の支給を受けていた者に対してされた同法36条2項本文に基づく支給停止処分が違法であるとされた事例
2 1型糖尿病にり患し,国民年金法に基づく障害基礎年金の支給を受けていた者に対してされた同法36条2項本文に基づく支給停止処分,及び1型糖尿病にり患し,同項本文の規定に基づく支給停止処分を受けた者に対してされた,支給停止を解除しない旨の処分が,違法であるとはいえないとされた事例
1 労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋内の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した労働者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
2 労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋内の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者のうち労働者に該当しない者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
3 被害者によって特定された複数の行為者のほかに被害者の損害をそれのみで惹起し得る行為をした者が存在しないことは,民法719条1項後段の適用の要件か
4 石綿含有建材を製造販売した建材メーカーらが,中皮腫にり患した大工らに対し,民法719条1項後段の類推適用により,上記大工らの各損害の3分の1について連帯して損害賠償責任を負うとされた事例
5 石綿含有建材を製造販売した建材メーカーらが,石綿肺,肺がん又はびまん性胸膜肥厚にり患した大工らに対し,民法719条1項後段の類推適用により,上記大工らの各損害の3分の1について連帯して損害賠償責任を負うとされた事例
原告らの採る立証手法により特定の建材メーカーの製造販売した石綿含有建材が特定の建設作業従事者の作業する建設現場に相当回数にわたり到達していたとの事実が立証され得ることを一律に否定した原審の判断に経験則又は採証法則に反する違法があるとされた事例
建材メーカーが,自らの製造販売する石綿含有建材を使用する屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者に対し,上記石綿含有建材に当該建材から生ずる粉じんにばく露すると重篤な石綿関連疾患にり患する危険があること等の表示をすべき義務を負っていたとはいえないとされた事例
1 厚生労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえないとされた事例
2 建材メーカーが,自らの製造販売する石綿含有建材を使用する屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者に対し,上記石綿含有建材に当該建材から生ずる粉じんにばく露すると重篤な石綿関連疾患にり患する危険があること等の表示をすべき義務を負っていたとはいえないとされた事例
墓地,埋葬等に関する法律10条1項に基づく経営許可がされた納骨堂の周辺に居住する者等が当該許可の取消訴訟の原告適格を有しないとされた事例
1 請求の減縮によって納付すべき手数料が変更されることはないとされた事例
2 別件訴訟において証人として出廷した者が別人であり,担当裁判官が当該出廷者に対して尋問を実施した行為及び証人調書に押印した行為の違法性が争われた事案につき,出廷者は証人本人であったなどとして違法性が否定された事例
1 自治区の構成員らによる共同断交の決議やこれに沿った各言動が村八分として共同不法行為を構成するとされた事例
2 行政区の自治委員や自治区の区長が国家賠償法上の公務員や市の被用者に当たらず,自治会連合会も同法上の公共団体に当たらないとされた事例
民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合に,その弁済が上記部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることの可否
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,父である相手方が,母である抗告人に対して,子をその常居所地国であるオーストラリア連邦に返還するよう求めた事案において,子の常居所地国がオーストラリア連邦であるとは認められないとして,子の返還を命じた原決定を取り消し,子の返還申立てを却下した事例
国がマイナンバー制度により個人番号を収集,保存,利用及び提供する行為は,当該個人が個人番号の利用に同意していないとしても,憲法13条の保障する個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由を侵害するものではない
申立人が相手方に対し,子らの監護者の指定と引渡しを求めた事案において,主たる監護者は申立人であったところ,相手方は,単独監護の開始を強行した上,子らを海外渡航させて申立人との交流を断ったものであり,監護者としての適格を欠くとして,各申立てをいずれも認容した事例
被災者生活再建支援法に基づき被災者生活再建支援金の支給決定をした被災者生活再建支援法人が支給要件の認定に誤りがあることを理由として当該決定を取り消すことができるとされた事例
芸能人養成スクールの学則中の,受講生が退学又は除籍処分となった際に納入済みの入学時諸費用を返還しないとする条項が消費者契約法9条1号に該当するとされた事例
刑事施設に収容されている者が収容中に受けた診療に関する保有個人情報は行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律45条1項所定の保有個人情報に当たるか
身体の拘束を受けていない被疑者の弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者が,任意の取調べを受けている被疑者との間で立会人のない接見の申出をした場合に,その事実を告げないまま任意の取調べを継続する捜査機関の措置が国家賠償法1条1項の適用上違法となる場合
道路交通法施行令別表第2に規定する「酒気帯び運転(0.25未満)」とは,運転時に呼気検査をすれば呼気1lにつき0.15mg以上のアルコールが検出される状態であることをいい,身体に血液に吸収される前のアルコールが保有されているだけでは足りないとした1審判決を取り消した事例
映画製作会社がした文化芸術振興費補助金に係る助成金の交付申請に対し,その製作映画の出演俳優が麻薬及び向精神薬取締法違反による有罪判決を受けたことを理由に上記助成金を交付しないとした処分が,独立行政法人日本芸術文化振興会理事長の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとされた事例