少年保護事件を題材として家庭裁判所調査官が執筆した論文を雑誌及び書籍において公表した行為がプライバシーの侵害として不法行為法上違法とはいえないとされた事例
1 無期契約労働者に対して退職金を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例(①事件)
2 無期契約労働者に対して賞与を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例(②事件)
きつ音を有する新人看護師が,試用期間を延長された後に精神障害を発病し自殺したことについて,業務起因性が認められた事例
1 無期契約労働者に対しては夏期休暇及び冬期休暇を与える一方で有期契約労働者に対してはこれを与えないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(①事件)
2 私傷病による病気休暇として無期契約労働者に対して有給休暇を与えるものとする一方で有期契約労働者に対して無給の休暇のみを与えるものとするという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(②事件)
3 無期契約労働者に対して年末年始勤務手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(③事件)
4 無期契約労働者に対して祝日を除く1月1日から同月3日までの期間の勤務に対する祝日給を支給する一方で有期契約労働者に対してこれに対応する祝日割増賃金を支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(③事件)
5 無期契約労働者に対して扶養手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(③事件)
1 キャバクラ店の従業員である被告が使用者である原告との間でした,被告が私的交際をせずこれに違反した場合は原告に対して違約金200万円を支払う旨の合意は,労働基準法16条に違反し無効であると判断された事例
2 前記合意が,公序良俗に反し無効であると判断された事例
防衛省が設置する防衛研究所において研究に従事する職員が研究活動に係る不正行為(盗作)を行った旨を防衛研究所長が同研究所の公式ホームページで公表し,訓戒処分をしたことが国家賠償法上違法であるとされた事例
1 環境を汚染する行為が平穏生活権を侵害するものとして違法となる場合
2 石炭火力発電所である仙台パワーステーションの運転により環境を汚染する行為が,環境汚染の態様や程度の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くということはできず,平穏生活権を侵害するものとして違法となると認めることはできないとされた事例
株式会社の代表取締役等が,企業再生の一環として,同社の借入金債務を代位弁済し,これにより生じた同社に対する求償債権につき債務免除をした場合において,同債務免除が国税徴収法39条の債務の免除に当たるとして,同社に対してされた同代表取締役等の滞納国税の第二次納税義務に係る納付告知処分が違法ではないとされた事例
検察官が一部不開示とした電磁的記録媒体の複写物を事実取調べして不開示部分の内容を検討し,不開示部分は被告人が代表取締役を務めていた会社の営業秘密に関するもの,プライバシーに関するものなどに当てはまるものであって,特定の検察官請求証拠の証明力判断のために重要であるとは認められず,開示による弊害が大きく,開示が相当であるとも認められないとして,弁護人の裁定請求を棄却した原決定を是認した事例
インターネット上の電子掲示板にされた投稿によって名誉を侵害されたと主張して発信者情報の開示を求める請求について,権利侵害が明らかであるとして,原判決を取り消し,発信者情報の開示を認めた事例
相続財産に含まれる不動産について,財産評価基本通達の定める評価方法に基づき価額を評価することによって,かえって租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかであるといえるような特別の事情があることから,その時価は不動産鑑定士が不動産鑑定評価基準に基づいて鑑定した評価額であると認めるのが相当であるとされた事例
下請人である潜水士が潜水作業をして減圧症にり患した事故について,注文者には,下請人との間の社会的接触関係は雇用契約類似のものとまでみることはできないとして安全配慮義務を認めず,元請人には,作業計画を策定するなどして安全な潜水作業を実行できるようにする安全配慮義務の違反があったと認めた事例
河川に設置されていた市の管理に係るスクリーンが豪雨の際に流下物によって閉塞したことにより近傍の旅館が浸水被害を受けた場合において,当該スクリーンに設置又は管理の瑕疵があるとして,市に対する損害賠償請求が認められた事例
少年が,元同級生であった被害者に対し,メリケンサックを装着した右手拳で殴打して全治10日間を要する左側頭部挫創の傷害を負わせた傷害保護事件において,少年を保護観察に付することとした原決定につき,処分の著しい不当を理由とする抗告を棄却した事例
労契法18条1項に基づき無期転換した後の労働条件に関し,無期転換後の労働者に適用される就業規則が別途定められている場合において,当初から無期労働契約を締結している労働者に適用される就業規則が適用されないと判断された事例
1 都道府県知事が公有水面埋立法42条1項に基づいてした埋立承認処分の撤回処分が,行政不服審査法2条及び地方自治法255条の2第1項1号に基づく審査請求における国土交通大臣の裁決により取り消された場合に,当該都道府県がこれを不服として当該裁決の取消しを求めて提訴することは,公有水面埋立法42条1項所定の承認権限(及びそれに基づく撤回権限)の回復を求めるものであるから,自己の主観的な権利利益の保護救済を求める訴訟ではなく,公有水面埋立法という法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とした訴訟であり,法律上の争訟に当たらないとされた事例
2 行政事件訴訟法3条3項の裁決取消訴訟は,違法な裁決により権利利益を侵害された者の主観的な権利利益を保護するための訴訟であり,法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的としてこれを提起することは想定されていないから,法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的として裁決の取消しを求める者は,行政事件訴訟法9条にいう「法律上の利益を有する者」に当たらず,行政事件訴訟法3条3項の裁決取消訴訟に係る原告適格が認められないとされた事例
3 公有水面埋立の免許・承認事務が,本来,公有水面を所有する国において果たすべき役割に係るものであることなどからすれば,かかる事務が,憲法上,地方自治体に認められた固有の自治権に含まれるものとは解されないから,都道府県知事の処分等に対する裁決に対し,地方自治体の側から抗告訴訟を提起することができないことが,地方自治体に認められた自治権を侵害するものとして,違憲ないし違法とまではいえないとされた事例