事業協同組合の理事を選出する選挙の取消しを求める訴えに同選挙が取り消されるべきものであることを理由として後任理事又は監事を選出する後行の選挙の効力を争う訴えが併合されている場合における先行の選挙の取消しを求める訴えの利益
申立人夫(カナダ国籍)と申立人妻(日本国籍)が,未成年者(日本国籍)を申立人らの特別養子とすることを求めた事案において,準拠法について,申立人夫との関係では反致により日本法が適用されるとし,申立人妻との関係でも日本法が適用されるとした上で,特別養子縁組の要件をいずれも満たしているとして,申立てを認容した事例(令和元年法律第34号による改正前の事例)
特許権の通常実施権者が,特許権者を被告として,特許権者の第三者に対する特許権侵害を理由とする損害賠償請求権が存在しないことの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例
請負人である破産者の支払の停止の前に締結された請負契約に基づく注文者の破産者に対する違約金債権の取得が,破産法72条2項2号にいう「前に生じた原因」に基づく場合に当たり,上記違約金債権を自働債権とする相殺が許されるとされた事例
夫である申立人(日本国籍)が,妻(ルーマニア国籍)と自身との間の子として出生届を提出した民法772条の嫡出推定の及ばない子を相手方として,親子関係不存在の確認を求めた事案で,嫡出親子関係も非嫡出親子関係も存在しないとして,申立人と相手方の間には親子関係が存在しないとの合意に相当する審判をした事例
請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴の係属中における,上記本訴請求債権を自働債権とし上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否
所得税の不申告ほ脱犯の事案において,他人名義の銀行口座から仕入代金を送金したこと,他人名義を含む多数のアカウントを用いて販売取引をしたこと,内容虚偽の市・県民税申告書を提出したことについては,所得秘匿工作該当性が否定されたものの,居住実態のない住所に住民登録をしたことについては,所得秘匿工作該当性が肯定された事例
民法750条及び戸籍法74条1号の各規定は憲法14条1項,24条,女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約又は市民的及び政治的権利に関する国際規約に違反するものではなく,国会が同規定を改廃して選択的夫婦別氏制を導入しない立法不作為は国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
1 医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為の意義
2 医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為に当たるか否かの判断方法
3 医師でない彫り師によるタトゥー施術行為が,医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為に当たらないとされた事例
1 自身になりすました第三者により無断でインターネットウェブサイトに記事を投稿されたことについて,他人に氏名を冒用されない権利(人格権)を違法に侵害されたものとして,同サイトの投稿記事につき削除権限を有する者に対して,人格権に基づき当該記事の削除請求が認められた事例
2 インターネットウェブサイトの運営者が,発信者情報の開示を求められた別件仮処分命令申立事件で答弁書を提出した時点において,なりすましによる記事であることを認識できるだけの情報を提供されていなかったという事情の下で,当該記事を削除する条理上の義務違反を理由とする不法行為の成立が否定された事例
父である申立人が,離婚した母である相手方に対し,当事者間の子である未成年者らとの面会交流を求め,その時期,方法などについて審判を求めた事案において,申立人に対して恐怖心を抱いている未成年者らの心情を考慮して,直接の交流の実施を開始するのは相当でなく,まずは,従前からできていた電話や手紙による間接交流の実施を重ね,未成年者らの不安や葛藤を低減していくのが相当であるとした事例
不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより配当要求債権について差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるための要件
小学校の教員が脳幹部出血を発症して後遺障害が残ったことについて,当該発症と公務との間に相当因果関係が認められるとされた事例
じん肺管理区分3ロの判断を受けていた者が,10年以上療養を続けた後,慢性呼吸不全急性増悪(??型)で死亡したことについて業務起因性が肯定された事例
1 他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合と刑法207条
2 他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合において,後行者の加えた暴行が当該傷害を生じさせ得る危険性を有しないときに,刑法207条を適用することの可否
数罪が科刑上一罪の関係にある場合において,各罪の主刑のうち重い刑種の刑のみを取り出して軽重を比較対照した際の重い罪及び軽い罪のいずれにも選択刑として罰金刑の定めがあり,軽い罪の罰金刑の多額の方が重い罪の罰金刑の多額よりも多いときの罰金刑の多額
インターネット上の掲示板への記事の投稿につき名誉毀損の成立を認めたが,営業上の損害を認めず,慰謝料等の限度で請求を一部認容した事例
長期間にわたって1か月当たり250時間を超える時間外労働に従事していた調理師がウイルス性劇症型心筋炎を発症したことについて,長時間労働以外の事実も総合すると免疫力が低下していたとは認められず,また免疫力が低下していたとしても,免疫力の低下によりウイルス性劇症型心筋炎が発症するとの医学的知見がないことから長時間労働とウイルス性劇症型心筋炎発症との間の因果関係が認められないとして業務起因性を否定し,また,治療機会喪失によりウイルス性劇症型心筋炎を発症したとの主張についても,治療機会を喪失した事実が認められないし,さらに治療機会があったとしてもウイルス性劇症型心筋炎の発症を防ぎ得たとは認められないから治療機会喪失とウイルス性劇症型心筋炎発症との間の因果関係が認められないとして業務起因性を否定した事例
1 元号を改める政令の制定行為が抗告訴訟の対象となるか(消極)
2 元号法の施行に伴う戸籍事務の取扱いに関する通達の発出行為が抗告訴訟の対象となるか(消極)