元市議会議員が第三者のツイートにコメントを付してインターネット上に記事を投稿したことが名誉棄損に当たるとして慰謝料請求が一部認容された事例
殺すぞなどと怒号しながら包丁を示して脅迫したという暴力行為等処罰に関する法律違反保護事件において,家裁係属歴がない少年を第1種少年院に送致した原決定について,抗告審が,少年の非行性がさほど進んでいるとは言い難く,社会内処遇の可能性が検討されるべきであり,原決定の処分は著しく不当であるとして,これを取り消した事例
1 日常生活上喀痰吸引器具を必要とする公立学校の生徒ないしその保護者が,地方公共団体に対し,障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律7条2項に基づいて同器具の取得及び保管等を請求することの可否
2 教育委員会が公立小学校の児童の登校の条件として喀痰吸引器具の取得並びに保護者による同器具及び連絡票の持参を義務付けたことが国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
3 公立小学校の校長らにおいて児童の校外学習に保護者の付添いを求めたことが国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
4 公立小学校の校長らにおいて児童が保護者の付添いなく地域の通学団に参加することができるように働き掛けをしなかったことが国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
5 公立小学校の校長らにおいて児童を水泳の授業に参加させず,又は水泳の授業に高学年用プールを使用しなかったことが国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
生命維持のためにインスリンの投与が必要な1型糖尿病にり患した幼年の被害者の治療をその両親から依頼された者が,両親に指示してインスリンの投与をさせず,被害者が死亡した場合について,母親を道具として利用するとともに不保護の故意のある父親と共謀した殺人罪が成立するとされた事例
裁判官がインターネットを利用して投稿による情報発信等を行うことができる情報ネットワーク上で投稿をした行為が裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たるとされた事例
住民投票の実施請求に基づく住民投票の実施について,処分性を欠くとして,当該住民投票の実施の義務付けの訴えが却下された事例
1 大学の部活動において当該部活動の監督(大学職員)が部員(大学生)に対してセクシャルハラスメントを行ったとして,当該監督の不法行為責任及び当該監督を雇用する大学法人の使用者責任が肯定された事例
2 前記1のセクシャルハラスメント行為後の大学法人及び大学の理事長個人らの採った事後対応について,不法行為又は在学契約上の債務不履行に当たるものではないとされた事例
少年が普通自動二輪車の無免許運転及び共同危険行為をした道路交通法違反保護事件において,少年を第1種少年院送致とした原決定につき,交通法規軽視の態度が著しいことをもって,保護処分歴も家裁係属歴もない少年について,直ちに少年院送致の処分を選択するほどに重大な要保護性が現れているとは評価できず,社会資源に関する調査を更に進めた上,社会内処遇の選択を検討するのが相当であるとして,これを取り消した事例
担保不動産競売の手続において最高価買受申出人が受けた売却許可決定に対し他の買受申出人が民事執行法188条において準用する同法71条4号イに掲げる売却不許可事由を主張して執行抗告をすることの許否
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,母である抗告人が,父である相手方に対して,子らをその常居所地国であるアメリカ合衆国に返還するよう求めた事案において,子らの常居所地国は日本であって,アメリカ合衆国であると認めることはできないことから,子の返還申立てをいずれも却下した原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例
収益不動産販売事業を行う会社が将来の転売を目的としてした収益不動産(中古の賃貸用マンション)の購入である課税仕入れについて,消費税法(平成31年法律第6号による改正前のもの)30条2項1号にいう「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に区分すべきものとされた事例
事業協同組合の理事を選出する選挙の取消しを求める訴えに同選挙が取り消されるべきものであることを理由として後任理事又は監事を選出する後行の選挙の効力を争う訴えが併合されている場合における先行の選挙の取消しを求める訴えの利益
申立人夫(カナダ国籍)と申立人妻(日本国籍)が,未成年者(日本国籍)を申立人らの特別養子とすることを求めた事案において,準拠法について,申立人夫との関係では反致により日本法が適用されるとし,申立人妻との関係でも日本法が適用されるとした上で,特別養子縁組の要件をいずれも満たしているとして,申立てを認容した事例(令和元年法律第34号による改正前の事例)
特許権の通常実施権者が,特許権者を被告として,特許権者の第三者に対する特許権侵害を理由とする損害賠償請求権が存在しないことの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例
請負人である破産者の支払の停止の前に締結された請負契約に基づく注文者の破産者に対する違約金債権の取得が,破産法72条2項2号にいう「前に生じた原因」に基づく場合に当たり,上記違約金債権を自働債権とする相殺が許されるとされた事例
夫である申立人(日本国籍)が,妻(ルーマニア国籍)と自身との間の子として出生届を提出した民法772条の嫡出推定の及ばない子を相手方として,親子関係不存在の確認を求めた事案で,嫡出親子関係も非嫡出親子関係も存在しないとして,申立人と相手方の間には親子関係が存在しないとの合意に相当する審判をした事例
請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴の係属中における,上記本訴請求債権を自働債権とし上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否
所得税の不申告ほ脱犯の事案において,他人名義の銀行口座から仕入代金を送金したこと,他人名義を含む多数のアカウントを用いて販売取引をしたこと,内容虚偽の市・県民税申告書を提出したことについては,所得秘匿工作該当性が否定されたものの,居住実態のない住所に住民登録をしたことについては,所得秘匿工作該当性が肯定された事例
民法750条及び戸籍法74条1号の各規定は憲法14条1項,24条,女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約又は市民的及び政治的権利に関する国際規約に違反するものではなく,国会が同規定を改廃して選択的夫婦別氏制を導入しない立法不作為は国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
1 医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為の意義
2 医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為に当たるか否かの判断方法
3 医師でない彫り師によるタトゥー施術行為が,医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為に当たらないとされた事例