1 破産債権者の一部に対してされた支払不能後の期限前弁済について破産法162条2項2号の悪意の推定が覆されないとされた事例
2 上記期限前弁済を受けたことが破産者又は破産管財人に対する不法行為を構成することにはならないとされた事例
3 上記期限前弁済を受けた破産債権者の代表取締役が悪意又は重大な過失によりその任務を懈怠したものとして破産管財人に対し会社法429条1項の責任を負うとされた事例
少年が女児3名に対してわいせつな行為をしたという強制わいせつ保護事件において,少年を第1種少年院送致とした原決定につき,少年の抱える問題が根深いことや家庭の監護能力の乏しさを指摘しつつ,処分に著しい不当があるとは認められないとして,抗告を棄却した事例
舗装修繕工事により片側車線が掘削され,片側交互通行規制がされていた道路を走行中の車両が掘削された側の車線に脱輪した事故について,県の道路管理に瑕疵があったとはいえないとされた事例
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,父である抗告人が,母である相手方に対して,子をその常居所地国であるアメリカ合衆国に返還するよう求めた事案において,同法28条1項4号(重大な危険)の返還拒否事由があると認めて,子の返還申立てを却下した原決定を取り消し,同返還拒否事由等は認めることはできないとして,子の返還を命じた事例
1 労働契約について,期間の定めのないものとして成立したと認めた上で,その後,1年間の期間の定めがある労働条件通知書に原告が署名押印した行為をもってしても,期間の定めのある契約への変更を否定した事例
2 国会議員の議員秘書の補助者として勤務していた者の解雇について,権利濫用として無効とした事例
果物ナイフで頸部を刺され,搬送先の病院において血気胸と診断された患者について,緊張性血気胸を生じたことにより死亡したとは認められず,止血のための緊急手術終了時までの間及び同手術終了後の各時点において,執刀医に胸腔ドレナージを実施すべき注意義務があったとはいえないとして,病院側の損害賠償責任を認めなかった事例
インターネット上の電子掲示板に匿名でされた各投稿による名誉等の毀損の不法行為について,当該各投稿に係る発信者情報の開示に要した費用の全額が相当因果関係のある損害として認められた事例
1 市が前市長から保育所建設用地を買い受ける旨の売買契約について,市長の裁量権の逸脱又は濫用が著しいものであり,前記売買契約を無効としなければ地方自治法2条14項,地方財政法4条1項の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められ,前記売買契約が私法上無効となるとはいえないとされた事例
2 市が前市長から保育所建設用地を買い受ける旨の売買契約に基づく支出命令及び支出行為を財務会計上の行為として市長個人に対して損害賠償金の支払を請求することを求める住民訴訟について,普通地方公共団体が締結した支出負担行為たる契約が違法であっても私法上無効ではない場合において当該契約に基づく債務の履行としてされた支出命令及び支出行為が違法となる場合に当たらないとして,請求が棄却された事例
1 最初の運送発注者が複数の運送業者を経由した後に運送受託者となる形態(循環取引)をとった架空の運送業務等取引において,途中に介在した運送業者(原告)に架空取引であるとの認識がなく,架空取引を主導した被告Y4(会社従業員)は不法行為責任を免れないとした事例
2 架空取引を主導した被告Y4について,その使用者の事業執行行為該当性が認められ,相手方(原告)の悪意又は重過失が否定された事例
3 循環取引に介在していた被告Y3について,架空取引の認識がないとして,被告Y4との共同不法行為が否定された事例
4 架空取引を主導した被告Y4に対する指導後についても,その行為が,外観上,職務の範囲に属するものとして,使用者責任が認められた事例
1 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)2条3項にいう「児童ポルノ」の意義
2 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)7条5項の児童ポルノ製造罪の成立と児童ポルノに描写されている人物がその製造時点において18歳未満であることの要否
被告法人が運営する保育所に入所中の児童が,園庭に設置されていた雲梯のV字型開口部に頚部を挟まれて心肺停止状態となり,その後死亡した事故について,被告法人の不法行為責任を認める一方で,園長及び担任保育士個人の不法行為責任を否定した事例
1 旧ソ連国籍を有していたが旧ソ連の崩壊に伴い無国籍となった者が難民に該当するとして,難民不認定処分が違法とされた事例
2 難民に該当する無国籍者に対する退去強制令書発布処分が,受入見込国が存在せず地球上で行き場を失うことは退去強制手続において一見明白であったことから,瑕疵が重大明白であるとして無効とされた事例
内国法人である株式会社がその代表取締役に対して支給した役員給与に法人税法(平成28年法律第15号による改正前のもの)34条2項にいう「不相当に高額な部分」があるとされた事例
1 交差点内における後続直進車(二輪車)と進路変更車(四輪車)の接触事故について,進路変更時の車間距離や進路前方の右折待ち車の存在,後続直進車の運転者の多数の同種事故歴等を踏まえ,後続直進車の運転者に運転操作の誤りがあったなどとして,双方の過失割合を後続直進車の運転者60%,進路変更車の運転者40%と認定した事例
2 過去の交通事故による後遺障害・傷害の内容や治療の経過等を考慮し,本件事故による後遺障害を認めなかった事例
一般財団法人日本ボクシングコミッションによるプロボクシングジムの会長のクラブオーナーライセンス及びプロモーターライセンス並びに同ジムのマネージャーのマネージャーライセンスの更新をいずれも不許可とする処分が違法とされた事例