特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項の委任を受けた特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第四条第一項の発信者情報を定める省令〔平成14年総務省令第57号〕3号の「電子メールアドレス」にSMS(ショートメッセージサービス)用電子メールアドレスが含まれるか否か(積極)
2筆の土地にまたがって建てられた1棟のマンションについて,その専有部分の区分所有者がこれらの敷地のうちの1筆についてのみ借地権を有する場合に,借地権が設定されていない敷地の所有者が,当該区分所有者に対し,建物の区分所有等に関する法律10条に基づく区分所有権の売渡請求権を行使することができるとされた事例
1 トランスジェンダー(Male to Female)であり,国家公務員である原告が,その所属する経済産業省において受けている女性用トイレの使用についての制限が,国家賠償法上,違法であるとされた事例
2 経済産業省の職員による原告に対する発言が国家賠償法上,違法であるとされた事例
3 原告が経済産業省において女性用トイレの使用に関する制限を設けないこと等を要求事項として人事院に対してした勤務条件に関する行政措置の各要求がいずれも認められないとした人事院の判定の一部が,その裁量権の範囲を逸脱し,又はその濫用があったものとして違法であるとして,取り消された事例
抗告人の二女である原審申立人が,抗告人について後見開始の審判の申立て(後に保佐開始及び代理権付与の審判の申立てに変更)をした事案において,抗告人が原審判に先立ってその孫(長女の子)との間で締結した任意後見契約は有効であると認めた上で,任意後見契約が締結されている場合における保佐開始の審判の要件である「本人の利益のため特に必要があると認めるとき」(任意後見契約に関する法律10条1項)の要件が認められないとして,抗告人の保佐を開始した原審判を取り消し,原審申立人の保佐開始の審判の申立てを却下した事例
関係者と検察官との間でなされた協議合意制度に基づく合意の内容を刑訴法350条の3第2項に従って記載した書面(合意内容書面)が証拠請求された事案において,合意内容書面の証明力判断のために協議・合意に関して作成した一切の文書(協議・合意関係文書)の類型証拠開示が求められたが,合意内容書面は,その内容の信用性判断が当然に予定されていないとして,協議・合意関係文書についての刑訴法316条の15第1項による証拠開示を認めなかった事例
視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるとき,視覚障害者以外の者を教育し,又は養成するあん摩マッサージ指圧師に係る養成施設等の認定をしないことができることなどを定めるあん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律附則19条1項と憲法22条1項
沖縄県公安委員会からの警察法60条1項による援助の要求を受けて東京都公安委員会がした東京都警察の警察官の派遣決定が違法ではないとされた事例
夫である相手方(原審申立人)が,妻である抗告人(原審相手方)に対し,前件調停で合意された婚姻費用の分担額の減額を求めた事案において,相手方の収入の減少は具体的に予見されていたものとはいえず,改めて婚姻費用の額を算定するのが相当であるとした上で,その算定の基礎とすべき相手方の収入は,退職月の翌月から離婚又は別居解消に至るまでの期間については,相手方が65歳で年金受給を開始していたとすれば受給できた年金収入を給与収入に換算した額及び配当収入を給与収入に換算した額を合算した額とするのが相当であるとして,原審判を一部変更した事例
覚せい剤譲渡の約束に基づき支払われた代金全額が「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」に当たるとされた事例
1 ソフトウェア開発会社におけるプログラマーの会社に対するソースコード提出義務の有無につき判断した事例
2 前記義務の不履行による損害額の認定について民事訴訟法248条を適用した事例
3 前記義務の不履行等を理由とする懲戒解雇が無効とされる一方,雇止めが有効とされた事例
建物賃貸借契約において,当該建物の相続による所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があった場合,旧賃貸人と賃借人との間の敷金に関する法律関係が新賃貸人に当然に承継されるとした事例
引きこもりの状態にある者の自立支援を内容とする業務委託契約を締結した会社が行った業務が,債務の本旨に照らして十分なものとはいえず,債務不履行が認められると判断された事例
殺人未遂の事案において,被告人が,警察署に自首し,救急車を呼ぶよう要請したとする中止未遂の主張に対し,被告人が,現場を離れる前に救命活動を行なわずに,被害者を放置したことを根拠に,原判決が中止未遂の成立を否定したことは相当とはいえないが,被告人は,殺害行為の継続を止めた後,被害者の携帯電話機を持ち出し,被告人以外の者による被害者の救命活動を困難にし,結果発生防止行為を積極的に妨害した上で警察署に出頭しており,全体として規範的にみると,被告人が自ら結果発生を防止したとは評価できないとして,中止未遂の成立を否定した事例
国外での代理懐胎により出生した子について,代理懐胎を依頼した夫婦の特別養子とすることが子の利益のために特に必要であり,代理母の同意も認められるとして,当該夫婦との間の特別養子縁組の成立を認めた事例
1 いわゆるすり替え型キャッシュカード窃盗の事案において,被害者方のインターホンを押した時点で窃盗罪の実行の着手を認めた事例
2 高校生である18歳の少年について,本件非行の背景に少年の思慮の浅さがあること,被害弁償が行われたことなどを考慮して,保護不適とはせず,少年を第1種少年院に送致した事例
被告人の発した文言自体に性交等を強制する文言を含まない強制性交の事案で,被告人の言動,現場の状況,被告人と被害者との関係等から,被害者が抵抗することを心理的に著しく困難にするものであるなどとして,被告人に強制性交等罪が成立するとした原判決の判断を是認した事例
道路から路外の駐車場に向けて後退した控訴人の運転する車両と,同車両の後退開始前にその後方の道路上で停止していた被控訴人の運転する車両とが接触した交通事故について,双方の過失割合を控訴人8割,被控訴人側2割などとしたが,不利益変更禁止の原則に基づき,控訴を棄却した事例
未成年者の祖母である相手方が,抗告人ら(未成年者の母及び養父)に対し,未成年者の監護者を相手方と定めることを求めた事案において,民法766条1項の法意に照らし,相手方は,未成年者を事実上監護する祖母として,未成年者の監護者指定を求める本件申立てをすることができるとした上で,抗告人らの親権の行使が不適当であるため,未成年者を抗告人らに監護させた場合,未成年者の健全な成長を阻害するおそれが十分に認められる一方,相手方による未成年者の監護状況に特段の問題はうかがわれず,未成年者が現時点においては落ち着いた生活を送ることができていることからすれば,未成年者の監護者を相手方と定めるのが相当であるとして,抗告人らの各抗告をいずれも棄却した事例