勾留中の刑事被告人が,公判期日における入退廷の際,手錠及び捕縄を施された状態であったことについて,①公判を担当した裁判官が,入退廷時に刑務官による手錠及び捕縄の使用を止めさせなかったこと,②護送を担当した刑務官が,入退廷時に法廷内で手錠及び捕縄を使用したこと等の措置は,いずれも国家賠償法上違法とはいえないとした事例
児童相談所長が児童養護施設に入所中である未成年者の親権者に対する親権喪失の審判を求めた事案で,未成年者については,①親権者による不適切な監護養育から切り離されて保護されており,親権者による不当な引取要求に対しても児童福祉法28条に基づく入所措置または入所措置更新により対応することができること,②児童虐待防止法において親権者による面会通信や接近を禁止できると規定されていることから,親権者の未成年者に対する親権を喪失・停止させる必要があるのは,児童福祉法28条に基づく各措置,あるいは面会通信や接近の禁止によっては未成年者の保護を図れない特段の事情がある場合に限定されるとして申立てを却下した原審判を取り消し,親権者には民法834条所定の親権喪失事由があるとして,抗告人(原審申立人)の申立てを認容した事例
1 平成8年法律第105号による改正前の優生保護法第2章,第4章及び第5章と憲法13条
2 平成8年法律第105号による改正前の優生保護法第2章,第4章及び第5章に基づき不妊手術をされた者が除斥期間の規定の適用によりリプロダクティブ権侵害に基づく損害賠償を求めることができなくなった場合に,その権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であるとされた事例
3 平成8年法律第105号による改正前の優生保護法第2章,第4章及び第5章に基づき不妊手術をされた者が,国家賠償法4条の規定により適用される民法724条後段の適用によりリプロダクティブ権侵害に基づく損害賠償を求めることができなくなった場合に,その権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であることが明白であったとはいえないとされた事例
4 民法724条後段の適用と憲法17条
農業委員会の委員に応募したがこれに任命されなかった者に,他者に対してされた同委員に任命する旨の処分の取消しを求める原告適格があるか否か
金融商品取引法166条1項5号の「職務に関し知った」及び同条3項の「伝達を受けた」の該当性について判断された事例
高速自動車国道の高架下に施設を整備することを内容とする道路占用許可処分の取消訴訟において,その周辺住民の原告適格について判断された事例
無期契約労働者である大学の専任教員と有期契約労働者である上記大学の非常勤講師との本俸の額並びに賞与,年度末手当,家族手当及び住宅手当の支給に関する労働条件の相違が,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例
宗教法人が運営する霊園内において独占的に墓所を分譲販売して建墓工事を行う権限があるとされる石材業者からその権限の一部を付与された指定石材店が,自ら販売した墓所につき独占的に建墓工事を請け負う権限を取得したが,他の業者による施工が宗教法人によって承認されたことについて,指定石材店から宗教法人に対する不法行為に基づく損害賠償請求を認めないとした事例
介護老人保健施設における転倒事故について,入所利用契約に信義則上付随する安全配慮義務違反(債務不履行責任)を肯定した事例
交通反則告知書の受領を拒否したことにつき道路交通法130条2号に当たると解するのは信義に反するなどとして同号該当性を否定した原判決には法令の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
父が石綿粉じんばく露作業により胸膜中皮腫を発症して死亡した後,その死亡に係る労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金等の支給を受けていた母が死亡した場合において,父の死亡に係る母の遺族給付等に関する調査結果復命書等の情報が,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律12条1項所定の「自己を本人とする保有個人情報」に当たるとされた事例
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に基づき戸籍の性別を男から女に変更する審判を求めた事案で,抗告人は,「現に婚姻をしていないこと」を性同一性障害者の性別変更の要件とする上記特例法3条1項2号が憲法13条及び14条1項に違反すると主張したが,本件規定の目的,制約の態様,現在の社会的状況等を総合的に比較衡量すると,本件規定は不合理なものとはいえず,憲法13条,14条1項に違反するものではないとして,抗告を棄却した事例
構造改革特別区域法に基づく学校設置認可を受けた学校設置会社が運営する学校において,不適切な単位認定が行われたことから,学校設置を認可した地方公共団体が,履修回復のための費用を支出したことに対し,事務管理に基づく費用償還請求を求めた事案において,請求を認容した事例
暴力団の構成員が関与した特殊詐欺について,当該構成員が所属する暴力団の代表者の暴力団対策法上の責任を肯定した事例
相手方が,抗告人に対して,未成年者の監護者を相手方と指定すること及び未成年者を相手方に引き渡すことを求めた事案において,相手方は未成年者を含む二人の子を連れて転居し,抗告人と別居を開始したものの,未成年者はその後,自らの意思に基づき抗告人宅に戻り,別居前から関係の良好であった抗告人との同居の継続を強く求めている一方で,相手方に対する不信感等から相手方との同居を拒んでいることなどを考慮して,原審判中未成年者に関する部分を取り消し,未成年者の監護者を抗告人と指定し,相手方の子の引渡しに係る申立てを却下した事例
1 住宅等の賃貸借契約(原契約)に基づく賃料等債務に係る保証委託契約において,一定の要件の下で賃借人が賃借物件の明渡しをしたものとみなす権限を受託保証人たる家賃債務保証業者に付与し,賃借物件内の動産類を賃貸人及び家賃債務保証業者が任意に搬出・保管することに賃借人が異議を述べない旨定める条項が,消費者契約法8条1項3号に該当するものとされた事例
2 上記保証委託契約において,受託保証人である家賃債務保証業者に原契約を無催告解除する権限を付与する条項及び同業者による原契約の無催告解除権の行使について,賃借人等に異議がないことを確認する旨定める条項などが,消費者契約法8条1項3号又は10条後段に該当しないものとされた事例
覚せい剤の使用の事案において,職務質問の開始から強制採尿令状の執行までに約8時間30分が経過しているところ,被告人が警察署,病院,コンビニエンスストア,駅等へ次々と場所を移動し,警察官らがこれに同行し,この間に被告人に対して有形力を行使したという一連の手続のうち,2回にわたり被告人がタクシーに乗り込もうとするのを制止した点,駅において被告人が電車に乗ろうとして改札を通過するのを制止した点は,被告人の移動の自由を不当に制限したものであって,違法であるといわざるを得ないが,有形力の行使の程度,時間,全体としての移動の自由の制限の程度,強制採尿令状執行確保に向けてのものであったことを考慮すると,本件の一連の手続における違法は,令状主義の精神を没却するような重大なものではなく,被告人の尿の鑑定書等を証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合には当たらないとされた事例
大崎事件再審請求事件
鑑定等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原々決定及び結論においてこれを是認した原決定にはいずれも刑訴法435条6号の解釈適用を誤った違法があるとされた事例