療養病床で入院治療を受けていた患者が,深部静脈血栓症を原因とする肺血栓塞栓症により死亡したことについて,静脈血栓塞栓症の予防措置や検査を実施していなかった医師の注意義務違反が否定された事例
一時保護中の少年が,児童相談所内で,職員に対し,椅子を投げつけるなどして全治約5日間の右前腕打撲等の傷害を負わせた傷害保護事件において,少年を第1種少年院送致とした原決定に対する処分の著しい不当を理由とする抗告につき,原決定は,少年の問題性及び要保護性に関する基礎事情を十分に明らかにしておらず,これらを一面的に評価しているところがあり,施設収容による矯正教育以外の処遇が困難であることの見極めをしないまま,少年を第1種少年院送致の決定をしたものであるとして,原決定を取り消し,差し戻した事例
1 破産会社からの事業譲渡が,無償行為否認(破産法160条3項)の対象になるとされた事例
2 本来の弁済期が支払不能よりも前に到来する債務に対する期限前弁済が,非義務行為として,偏頗行為否認(破産法162条1項2号本文)の対象になるとされた事例
被告人も後追い自殺をすると信じて行った被害者の殺人の嘱託が,真意に基づく有効なものかが争点となった殺人被告事件において,後追い自殺をする固い決意があったとする被告人の供述を排斥できないとして,被害者の嘱託を有効と判断した事例
個人情報の漏えいを理由とする損害賠償訴訟において,個人情報を取り扱う企業及びその個人情報を対象としたシステムの開発,運用等をする企業について注意義務違反の前提としての予見可能性を否定する一方,後者の企業についてはその業務委託先の従業員に対する使用者責任を肯定し,慰謝料の損害賠償を認めた事例
1 強姦等の罪で服役し,再審で無罪となった原告について,①警察官の捜査,②検察官の起訴及び確定審における各公判維持行為,並びに③確定審裁判官の各判決行為が,いずれも国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
2 再審請求審において,検察官が裁判所の証拠一覧表交付命令に従わず,証拠一覧表の交付を拒否した行為が国家賠償法上違法とはいえないとされた事例
能力検定試験の試験中にトイレに行く目的で途中退室をした場合の再入室を認めない受験ルール及び試験開始後一定時間が経過するまでは途中退室自体を認めない受験ルールの定めがいずれも試験実施者に委ねられた合理的な裁量の範囲内にあるとして,実際の試験中にトイレの利用を理由とする途中退室をした後の再入室及び所定の退室制限時間が経過する前の途中退室の機会を違法に制限されたと主張する受験者の試験実施者に対する債務不履行及び不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例
1 外科医師と勤務先病院との間で,職種限定合意の成立が認められた事例
2 外科医師を消化器外科部長等の職から解任し,がん治療サポートセンター長に任命する配置転換命令及び外科の一切の診療に関与することを禁止する命令について,いずれも無効であると判断された事例
道路交通法103条1項1号の2(認知症であることが判明したとき)を理由とする高齢者(82歳)の自動車の運転免許取消処分の取消訴訟において,軽度の認知症であることの証明があるとして運転免許取消処分が適法であると判断された事例
自動車損害賠償保障法16条の9第1項の事故及び損害賠償額の確認をするために必要な期間を判断資料一式が保険会社にアクセス可能となった日の4箇月後の日とし,同法16条1項の損害賠償支払債務の遅延損害金をその翌日以降の分から認容した事例
尊厳死の宣言書の登録と管理を行う事業が,公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律2条4号の「公益目的事業」と認められた事例
訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続と民訴法118条3号にいう公の秩序
1 意思能力を欠く常況にある区分所有者に対してされた通知をもって,区分所有法59条2項の準用する同法58条3項に基づく弁明の機会が付与されたということはできない
2 上記弁明の機会を付与することなく,同法59条1項に基づいて競売の請求の訴え提起を議決した集会決議には瑕疵があるが,当該訴え提起後に選任された特別代理人に対して弁明の機会が付与され,集会決議において当該訴えに係る訴訟手続を継続する旨の決議がされれば,その瑕疵は治癒される
1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否
2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを,その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持する場合に,当該写しにつき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否
1 弁護士法人が法令違反行為を理由に所属弁護士会から懲戒処分を受け,労働者である弁護士に対し自宅待機命令を発した場合において,自宅待機期間中の労務提供の履行不能につき,当該弁護士法人に平成29年法律第44号による改正前の民法536条2項にいう「責めに帰すべき事由」があるとされた事例
2 労働者が自宅待機命令を応諾したなどの事情の下において,自宅待機期間中の賃金請求が信義則に反しないとされた事例
1 振替口座簿に開設された被相続人名義の口座に記載又は記録がされている振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分に対する差押命令の適否
2 振替株式等の共同相続により債務者が承継した共有持分について譲渡命令を発することの許否