1 有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者であることと労働契約法20条にいう「その他の事情」
2 有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるか否かについての判断の方法
3 無期契約労働者に対して能率給及び職務給を支給する一方で定年退職後に再雇用された有期契約労働者に対して能率給及び職務給を支給せずに歩合給を支給するという
労働条件の相違が,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例
1 有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が労働契約法20条に違反する場合における当該有期契約労働者の労働条件の帰すう
2 労働契約法20条にいう「期間の定めがあることにより」の意義
3 労働契約法20条にいう「不合理と認められるもの」の意義
4 無期契約労働者に対して皆勤手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例
1 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に沿って継続雇用制度を定めた就業規則等の趣旨に基づき,定年後に締結された再雇用契約が65歳まで継続するとの期待に合理的理由があると認めた事例
2 定年後に締結された再雇用契約の不更新が客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上不相当であるとして,労働契約法19条2号に基づき,再雇用契約が従前と同一の労働条件で更新されたものと認めた事例
3 使用者による達成度評価が不当であることを理由とした賞与請求及び雇止め後の期間に係る賞与請求がいずれも認められなかった事例
児童相談所長である原審申立人が,児童らについての引き続いての一時保護の承認を求めた事案において,児童らの父母である抗告人らによる監護状況は,劣悪であり,児童らの福祉を著しく害するもので,児童らの安全を確保し適切な保護を図る必要性があり,また,児童らが多数である上,児童らの中には,学力遅滞の程度が著しく,あるいは,精神疾患や発達遅滞が窺われる者も含まれており,その抱える問題も深刻であるため,児童らの心身の状況,その置かれている環境その他の状況を把握する必要性もあることから,引き続き一時保護を行う必要性が認められるとして,引き続いての一時保護を承認した原審判を相当とし,抗告を棄却した事例
業務委託先の従業員が個人情報を漏えいしたことについて,委託元の個人情報取扱事業者が,業務委託先においてMTPスマートフォンを対象とする書き出し制御システムを採用していなかったこと等を理由とする不法行為責任を負わないとされた事例
電子メールや書簡による交渉の結果,契約の成立が主張されたが,電子メールや書簡の内容や,当事者のその後の態度から,契約の成立が否定された事例
1 宗教法人が秘仏として管理していた本尊等を撮影した写真の使用・公開・販売等が,宗教的人格権の侵害に当たるとして,損害賠償,撮影した写真の展示・公開及び当該写真を用いた商品等の販売等の差止め及び廃棄の各請求が認められた事例
2 御影に記載された「四国○番」「○○寺」という表示が,「商品等表示」(不正競争防止法2条1項1号,2号)には該当せず,氏名権侵害もないと判断された事例
入国管理局長が出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出は理由がない旨の裁決をするに当たり,日本人の配偶者である中国人に特別に在留を許可すべき事情があるとはいえないと判断したことにつき,裁量権の範囲を逸脱又はこれを濫用した違法があるとした事例
建築確認申請に係る建築物の敷地が従前の建築確認で敷地とされた土地と重複している場合において,当該申請に係る建築計画変更確認処分の取消請求が棄却された事例
妻である相手方が,別居中の夫である抗告人に婚姻費用分担金の支払を求めた事案において,その請求時に既に成年に達している長男を15歳以上の未成年の子と同等に扱うのが相当であるとした上で,婚姻費用分担金の額を算定した事例
被告人が強姦及び強制わいせつの犯行の様子を隠し撮りした各デジタルビデオカセットが刑法19条1項2号にいう「犯罪行為の用に供した物」に当たるとされた事例
1 団体交渉中の労働組合執行委員長の使用者に対する発言や民事保全事件への陳述書の提出などにより名誉や信用が棄損されたとしてされた損害賠償請求が棄却された事例(本訴)
2 上記本訴は労働組合執行委員長を狙い撃ちし労働組合の弱体化を図る目的でされた不当訴訟であるとしてされた損害賠償請求が棄却された事例(反訴)
警察官が,内偵捜査中に,捜査対象者から不審者として問い詰められて身体や衣類を執ようにつかまれるなどし,その拘束から逃れるため,衣類をつかまれたままの状態で勢いよく自己の身体を反転させて逃れる際に捜査対象者に傷害を負わせた行為につき,正当防衛の成立を認めた事例
交通事故により重度の後遺障害を負った被害者が,後遺障害逸失利益について定期金賠償の方法による支払を求めたのに対し,定期金賠償の方法による支払を命じた一審判決の判断が控訴審判決で是認された事例