1 不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律に基づく遺族給付金の支給を受けた場合に,上記の遺族給付金との間で損益相殺的な調整を行うべき損害
2 不法行為によって死亡した被害者の損害賠償請求権を取得した相続人が犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律に基づく遺族給付金の支給を受けたとして損益相殺的な調整をするに当たって,損害が填補されたと評価すべき時期
被控訴人Y1に勤務していたAが,配置転換後約2か月余りで自殺したのは,先輩従業員である被控訴人Y2及びY3により,厳しい口調で頻回にわたり叱責を受けていたのに,被控訴人Y2,Y3及びAらの上司が,これら不法行為と評価される叱責の制止ないし改善を求めず,かつ,配置転換後にAの業務が過重となったにもかかわらず,Aの上司が業務内容や業務分配の見直しを検討しなかったことにより,Aが全体として強い心理的負荷を受け,うつ状態に陥ったことが原因であるとして,被控訴人Y1の不法行為(使用者責任を含む)と自殺との相当因果関係が認められるとして,自殺との相当因果関係を否定した原判決が変更された事例
1 登記申請手続の委任状を認証した公証人について,本人確認義務を怠ったとはいえないとして,国に対する損害賠償の請求を棄却した事例
2 登記申請手続の委任を受けた司法書士について,本人確認義務を怠ったとして,同人に対する損害賠償の請求を認容した事例
離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることが権利の濫用に当たるとされた事例
財産分与の申立てを含む離婚等請求訴訟の係属中に夫婦共有の自宅不動産についてされた共有物分割請求が権利の濫用に当たるとされた事例
1 放送法64条1項の意義
2 放送法64条1項の合憲性
3 日本放送協会の放送の受信についての契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合に発生する受信料債権の範囲
4 日本放送協会の放送の受信についての契約に基づき発生する,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権の消滅時効の起算点
自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ,売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後,購入者の破産手続が開始した場合において,保証人が留保所有権を別除権として行使することの可否
1 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(平成25年法律第83号による改正前のもの)3条1項により指定された特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシー事業)に係る経営許可の申請について,収支計画上の営業収入が当該申請に係る営業区域で当該運輸開始後に新たに発生する輸送需要によるものであることが明らかであるものに限り許可することを内容とする「特定地域の指定及び特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化の推進のために監督上必要となる措置の実施について」(平成21年9月30日付け関東運輸局長ほか公示)の法適合性
2 一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシー事業)の経営許可申請却下処分の取消しの訴えに併合された同許可の義務付けの訴えに係る本案要件の有無の判断の前提となる法令及び事実関係
1 監査請求期間経過に正当な理由があるとされた事例
2 府知事が,府を代表して,防災拠点となるべき府庁舎として使用する目的で超高層ビルを購入する旨の契約を締結したことが,違法とはいえないとされた事例
3 地方自治法4条1項の「事務所」の意義
1 既に別件の裁判上の和解で給付条項のある請求権について,重ねて給付の訴えを提起する利益
2 学費に関する養育費の将来請求
不正競争防止法(平成27年法律第54号による改正前のもの)2条1項10号に規定する技術的制限手段により制限されている影像の視聴を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有するプログラムに当たるとされた事例
共犯者による欺罔行為後だまされたふり作戦開始を認識せずに共謀の上被害者から発送された荷物の受領行為に関与した者が詐欺未遂罪の共同正犯の責任を負うとされた事例
1 日本国外で合意されたテレビ用ブラウン管の販売価格に係るカルテルを行った事業者に対し,我が国の独占禁止法の課徴金納付命令に関する規定の適用があるとされた事例
2 日本国外で合意された販売価格に係るカルテルの対象であるテレビ用ブラウン管が外国法人に販売され日本国外で引渡しがされた場合において,当該ブラウン管の売上額が独占禁止法7条の2第1項所定の当該商品の売上額に当たるとされた事例
1 仲裁人が当事者に対して仲裁法18条4項にいう「自己の公正性又は独立性に疑いを生じさせるおそれのある」事実が生ずる可能性があることを抽象的に述べたことは,同項にいう「既に開示した」ことに当たるか
2 仲裁人が,当事者に対して仲裁法18条4項にいう「自己の公正性又は独立性に疑いを生じさせるおそれのある」事実を開示しなかったことについて,同項所定の開示義務に違反したというための要件
義務者が年収1億5000万円を超える高額所得者である婚姻費用分担の事案において,標準算定方式又はこれを応用する手法によって婚姻費用分担金の額を算定することが困難であるとして,同居時及び別居当初時の各生活水準,生活費支出状況等その他の諸般の事情を踏まえ,これを算定した事例
児童相談所所長である抗告人が,児童福祉法28条1項1号に基づき事件本人を乳児院又は児童養護施設に入所させることの承認を求めた事案において,事件本人が負った急性硬膜下血腫等の傷害について,事件本人親権者父及び同母による揺さぶり行為等が強く疑われ,父母は揺さぶり行為等の外力を否認し,あるいは存在自体を軽視し,自らの監護養育環境における問題点に真摯に向き合い危険の再発防止のための具体的な方策を講じることができていないなどと認定し,父母に事件本人を監護させることは著しく事件本人の福祉を害するといわざるを得ないとして,抗告人の申立てを却下した原審判を取り消し,抗告人が事件本人を乳児院又は児童養護施設に入所させることを承認した事例
私立大学医学部に通う原審申立人が,父である原審相手方に対し,現在の養育費では学費等に不足が生じているとして扶養料の支払を求めた事案において,原審相手方は養育費のほかに一定の扶養料を分担する義務を負うべきとした上で,扶養料の分担額について,分担対象,分担割合,分担額から控除すべき額等を認定し,分担すべき扶養料を算定して支払を命じた事例…
1 競馬の当たり馬券の払戻金が所得税法35条1項にいう雑所得に当たるとされた事例
2 競馬の外れ馬券の購入代金が雑所得である当たり馬券の払戻金を得るため直接に要した費用として所得税法37条1項にいう必要経費に当たるとされた事例