ゴルフ会員権の売買契約が売主の錯誤により無効であり,売主には当該錯誤について重大な過失があるが,買主も当該錯誤について共通の錯誤に陥っていたことから,売主が当該錯誤を主張できるとされた事例
アイドルグループのコンサートにおいて,一部の観客が曲に合わせて大声を出したり,一定のパフォーマンスをしたことにつき,当該コンサートの主催者及び出演者の,コンサートチケットを購入して当該コンサートを鑑賞した者に対する債務不履行責任ないし不法行為責任が否定された事例
マンションの底地の賃貸人が,建築確認において敷地の一部とされた隣地部分を第三者に売却したことが,マンションの区分所有者が当該隣地を敷地として利用することに協力すべき信義則上の義務に違反するとして,不法行為に基づく慰謝料請求を認めた事例
相手方が,抗告人らに対し,相手方を未成年者(15歳)と面会交流させる義務を履行しなかったとして,間接強制の申立てをした事案について,間接強制をするためには債務者の意思のみによって債務を履行することができる場合であることが必要であるが,本件未成年者のような年齢の場合は子の協力が不可欠である上,本件未成年者は相手方との面会交流を拒否する意思を強固に形成しているところ,本件未成年者の精神的成熟度を考慮すれば,抗告人らにおいて本件未成年者に面会交流を強いることは未成年者の判断能力ひいてはその人格を否定することになり,却って未成年者の福祉に反することから,本件債務は抗告人らの意思のみによって履行することはできず履行不能であるなどとして,相手方の間接強制の申立てを却下した事例
公立学校を定年退職若しくは定年退職後1年間再任用されていた原告らが,公立学校職員への再任用あるいは再任用の任期更新の申込みをし,合格の通知・内示を受けていたにもかかわらず,合格が取り消されたことから,①再任用合格決定の取消処分の取消し等,②再任用あるいは再任用任期更新の義務付け,③教員の地位にあることの確認を求めるとともに,④戒告処分を受けた原告らについて同処分の取消し,⑤戒告処分や再任用任期更新合格決定の取消し等により損害を被ったとして,国家賠償法に基づく損害賠償を求めたのに対して,①及び②については不適法であるとして却下し,③については任用権者による任用行為が存在しないなどとして,また,④及び⑤については裁量権の逸脱濫用があると認めることができず,国家賠償法上違法とはいえないとして棄却した事例
銀行が,輸入業者の輸入する商品に関して信用状を発行し,当該商品につき譲渡担保権の設定を受けた場合において,上記輸入業者が当該商品を直接占有したことがなくても,上記輸入業者から占有改定の方法によりその引渡しを受けたものとされた事例
1 原告が労働基準監督官に対し労働基準法104条1項に基づいてした申告が,同時に告訴の意思を伝えるものであったとは認められないとし,さらに,仮に告訴に当たるとしてもこれに対する労働基準監督官の措置の不適正を理由として国家賠償請求をすることはできないとした事例
2 労働基準法104条1項に基づく申告について,労働基準監督官は当該申告をした労働者個人との関係において当該申告に対応して調査等の措置を執るべき作為義務までは負わないとした事例
共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権をいずれも遺産分割の対象とした上で,遺産のすべてを相続人の1人に取得させた事例(同預貯金債権の遺産分割対象性に関する最高裁大法廷決定の差戻審決定)
戸籍法104条1項所定の日本国籍を留保する旨の届出について同条3項にいう「責めに帰することができない事由」があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
1 遺留分減殺請求において,被代襲者が生前に受けた特別受益が,被代襲者の死亡後に代襲相続人となった者らの特別受益に当たるとされた事例
2 推定相続人でない者が被相続人から贈与を受けた後に,被代襲者の死亡によって代襲相続人としての地位を取得した場合には,特段の事情がない限り代襲相続人の特別受益には当たらないものの,上記贈与が実質的には被代襲者への遺産の前渡しとも評価しうる特段の事情があるとして,特別受益に当たるとされた事例
1 分娩後,胎盤剥離徴候が認められなかった産婦に対し,産科医師としては,癒着胎盤である可能性を念頭において必要な手順を経た上で胎盤用手剥離を行う注意義務があったにもかかわらずこれを怠り,必要な手順を経ないまま強引に胎盤用手剥離を行ったとして,担当医師の過失が認められた事例
2 原告に生じている後遺障害は胎盤用手剥離における注意義務違反から生じたシーハン症候群によるものであるとした上で,原告の労働能力喪失率は,後遺障害別等級第9級に相当する程度を超えている一方で,後遺障害別等級第7級に相当する程度にまで至っているものとはいえないとし,後遺障害別等級第8級に相当するものと認められた事例
裁判所により選任された職務代行者に対する報酬は,事業協同組合が負担すべきであるとして,予納金を納入した原告による不当利得返還請求が認められた事例
1 個別検診方式で胃がん検診を担当した医師に,受診者に対し速やかにエックス線検査の結果を通知して受診指導をすべき注意義務違反が認められた事例
2 死亡時点でなお生存していた相当程度の可能性の侵害が認められた事例
退職後の競業禁止特約の有効性を認めた上で,その遵守を条件に早期退職希望制度に基づき支給された早期退職加算金の受領が,不作為の詐欺(不法行為)に該当するとして,同額の損害賠償請求が認容された事例
食肉加工品の製造販売等を業とする会社の商号の使用を許諾して鮪の売買がされた場合に,会社法9条の責任があるとされた事例
1 組織的な詐欺に受領役として関与していた被告人に,包括的な事前共謀の成立を認めなかった事例
2 詐欺未遂罪における構成要件該当事実のうち財物交付の部分のみに関与した被告人につき,同罪の承継的共同正犯が成立しうるとした事例
3 犯行に加担した時点でいわゆる「騙されたふり作戦」が開始されていても,詐欺未遂罪の成否には影響しないとされた事例