原審申立人(妻)が,原審相手方(夫)に対し,財産分与を求めた事案について,原審相手方が当選した宝くじの当選金約2億円の購入資金は夫婦の協力によって得られた収入の一部から拠出されたものであるから,本件当選金を原資とする資産は,夫婦の共有財産と認めるのが相当であるとした上で,その分与割合については,原審相手方が小遣いの一部を充てて宝くじの購入を続けて本件当選金を取得したこと等に鑑み,原審申立人4,原審相手方6の割合とするのが相当であるなどとして,原審相手方に財産分与を命じた事例
間接事実を総合して被告人を有罪とした第1審判決及びその事実認定を是認した控訴審判決が,上告審で破棄差戻しとされた後,差戻審第1審で無罪とされた事件の控訴審において,殺人,現住建造物等放火の公訴事実について犯罪の証明がないとした原判決の判断に事実誤認の違法はないとされた事例
ヒト細胞として大学に納品された細胞が納品時点でヒト細胞ではなかったとして,契約の直接の相手方ではない細胞製造販売業者である被告に対し,不法行為に基づく損害賠償責任を認めた事例
1 特許法184条の4第4項所定の「正当な理由」があるときとは,特段の事情のない限り,国際特許出願を行う出願人(代理人を含む。)として,相当な注意を尽くしていたにもかかわらず,客観的にみて国内書面提出期間内に明細書等翻訳文を提出することができなかったときをいう
2 出願人が国内書面提出期間内に明細書等翻訳文を提出することができなかったことについて,特許法184条の4第4項所定の「正当な理由」があるということはできないとされた事例
心斎橋通り魔事件
覚せい剤精神病にり患し,「刺せ刺せ」などの幻聴があった被告人が白昼の繁華街において無差別に2名の通行人を包丁で突き刺すなどして殺害した殺人等被告事件につき,被告人に完全責任能力を認めて死刑を言い渡した一審判決に対し,弁護人が,_xDC85__xDC40_裁判員法の憲法違反等を理由とする訴訟手続の法令違反, _xDC85__xDC41_被告人に完全責任能力を認めた点に関する事実の誤認及び_xDC85__xDC42_量刑不当を主張した控訴審において,一審判決が量刑不当を理由に破棄され,被告人に対し無期懲役刑が言い渡された事例
1 商標権のみなし侵害の事案において,商標権者の登録商標に関し「指定商品又は指定役務」及び被告人の侵害行為に関し「被告人の付した登録商標に類似する標章」の各摘示を欠く罪となるべき事実を認定した原判決が理由不備であるとされた事例
2 インターネットのオークションサイトにおいて「PhotoshopCC2014用の説明とソフト本体」などの標章を付して広告をした被告人の行為が,ソフトウエアの説明であるマニュアルだけでなくソフトウエアそのものを商品とする広告を内容とする情報に標章を付して提供して商標を使用したと認められた事例
貸金の支払を求める旨の支払督促が,当該支払督促の当事者間で締結された保証契約に基づく保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではないとされた事例
1 区分所有建物の管理組合は,区分所有建物の共用部分について,民法717条の占有者に当たらない
2 管理組合がその責任と負担において共用部分の管理を行う旨の区分所有建物の管理組合規約は,管理組合の目的・権能を定めたものであって,区分所有者の管理組合に対する共用部分の修繕請求権を定めたものではない
車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は令状がなければ行うことができない強制の処分か
町有地が条例又は議会の議決によらずに適正な対価なくして売却されたとしてその当時の町長に対する損害賠償請求が認容された事例
「摩擦熱変色性筆記具及びそれを用いた摩擦熱変色セット」という名称の本件発明につき,当業者において,引用発明1に引用発明2を組み合わせる動機付けを欠き,仮に組み合わせることを容易に想到し得たとしても,それのみでは相違点5に係る本件発明の構成に至らず,さらに引用例3等記載の構成の適用を動機付けられたとしても,そのように,引用発明1に基づき,2つの段階を経て相違点5に係る本件発明1の構成に至ることは,格別な努力を要するものであるとして,容易想到性を否定した事例
地方公務員災害補償法32条1項ただし書及び附則7条の2第2項のうち死亡した職員の夫について一定の年齢に達していることを遺族補償年金の受給の要件としている部分と憲法14条1項
1 下顎智歯の抜歯に際し,歯科医師に,抜歯以外の治療方法の選択肢及び舌の知覚・味覚障害の後遺症が残るリスクがあることに関する説明義務違反が認められた事例
2 抜歯の際に生じた舌神経の損傷による知覚・味覚障害の後遺障害と上記説明義務違反との間の因果関係が肯定され,休業損害,逸失利益,慰謝料等の損害が認められた事例
建売住宅の不同沈下が発生したのは,適切な地盤改良又は基礎選定が行われず,周辺で発生した地盤沈下に対処することができなかったことが原因であるとして,建築販売業者に瑕疵担保責任が認められた事例
1 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかっただけで,同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存するといえるか
2 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかったときにおける,同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存する場合
参考人として警察官に対して犯人との間の口裏合わせに基づいた虚偽の供述をする行為が刑法(平成28年法律第54号による改正前のもの)103条にいう「隠避させた」に当たるとされた事例
1 地方公共団体の担当職員が,住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税の特例が適用されるべき土地について,これを適用せずに評価を行って固定資産税等を賦課したことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとした上で,過失相殺における納税義務者側の過失割合を4割とした事例
2 課税客体の把握方法として航空写真方式を採用することについての合理性を認めた上で,航空写真の判読により外観上の変化を把握することができ,これを課税客体の異動の可能性の端緒として実地調査を行うことで,用途の変更の事実を捕捉できたのにこれを怠ったとして,同担当職員の過失を肯定した事例