他人所有の自動車を運転中に物損事故に遭った者が,弁護士を代理人として損害賠償請求訴訟を提起した後,所有者から損害賠償請求権の債権譲渡を受けた場合について,この債権譲渡は訴訟信託に当たり無効であると判断した事例
1 他人に代わりウェブサイトに掲載された記事を削除するための業務の依頼を受ける旨の契約は弁護士法72条に違反し無効であるとした事例
2 弁護士法72条違反の契約を締結した点でXが不法原因に関与しているとしても,その不法原因は専らYの側にあるから,不法原因給付に関する規定は適用されず,Xにおいてその契約が無効であり,代金支払債務が存在しないことを知っていたともいえないとした事例
個別信用購入あっせんにおいて,購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に,販売業者が上記購入者に対してした告知の内容が,割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとされた事例
取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めの効力(有効)
1 死後認知によって相続人となった者の遺留分を侵害する遺言がなされ,これに基づき共同相続人間で遺産分割がなされた場合に,死後認知の認容判決の確定から1年以内に,遺留分減殺の意思表示をした被認知者は,民法910条の価額支払請求によって,自らの遺留分の回復を図ることができる
2 1の場合において,被認知者は,遺留分減殺請求に関する判例法理に従い,遺言によって遺留分を超える遺産の相続を受けた共同相続人に対して,遺留分額を超える価額の割合に応じて,民法910条の価額の支払を請求することができる
父が,母に対し,国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,子をその常居所地国であるオーストラリア連邦に返還することを求めた事例において,常居所地国がオーストラリア連邦ではないと判断して,申立てを認めなかった事例
被告人が,専ら被害者の子の就学する学校の校長宛ての手紙を手渡す目的で,学校を訪れ,正門から敷地内に入り,エントランスロビー内で手紙を教頭に渡した後,教頭に見送られて,学校を後にするまで約8分間にわたり学校の敷地内に所在した行為について,配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律10条3項の「はいかい」には当たらないとされた事例
本訴で交通事故による損害賠償請求訴訟が提起されたのに対し,反訴で,被告が,原告から過大な治療費,施術費を請求され,支払を余儀なくされたとして,損害拡大防止義務違反を理由に損害賠償請求・不当利得返還請求をした事案において,原告が被告に過大な治療費,施術費を支払わせたと認定し,原告の損害拡大防止義務違反を認めた事例
1 商標法4条1項10号該当を理由とする無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後に,商標権侵害訴訟の相手方が,同号該当による無効理由の存在をもって,同法39条において準用する特許法104条の3第1項の規定に係る抗弁を主張することの許否
2 商標法4条1項10号該当を理由とする無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後に,商標権侵害訴訟の相手方が,その登録商標が自己の業務に係る商品等を表示するものとして周知である商標との関係で同号に該当することを理由として,権利濫用の抗弁を主張することの許否
歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であるとして未払賃金の請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例
原審申立人(妻)が,原審相手方(夫)に対し,財産分与を求めた事案について,原審相手方が当選した宝くじの当選金約2億円の購入資金は夫婦の協力によって得られた収入の一部から拠出されたものであるから,本件当選金を原資とする資産は,夫婦の共有財産と認めるのが相当であるとした上で,その分与割合については,原審相手方が小遣いの一部を充てて宝くじの購入を続けて本件当選金を取得したこと等に鑑み,原審申立人4,原審相手方6の割合とするのが相当であるなどとして,原審相手方に財産分与を命じた事例
間接事実を総合して被告人を有罪とした第1審判決及びその事実認定を是認した控訴審判決が,上告審で破棄差戻しとされた後,差戻審第1審で無罪とされた事件の控訴審において,殺人,現住建造物等放火の公訴事実について犯罪の証明がないとした原判決の判断に事実誤認の違法はないとされた事例
ヒト細胞として大学に納品された細胞が納品時点でヒト細胞ではなかったとして,契約の直接の相手方ではない細胞製造販売業者である被告に対し,不法行為に基づく損害賠償責任を認めた事例
1 特許法184条の4第4項所定の「正当な理由」があるときとは,特段の事情のない限り,国際特許出願を行う出願人(代理人を含む。)として,相当な注意を尽くしていたにもかかわらず,客観的にみて国内書面提出期間内に明細書等翻訳文を提出することができなかったときをいう
2 出願人が国内書面提出期間内に明細書等翻訳文を提出することができなかったことについて,特許法184条の4第4項所定の「正当な理由」があるということはできないとされた事例
心斎橋通り魔事件
覚せい剤精神病にり患し,「刺せ刺せ」などの幻聴があった被告人が白昼の繁華街において無差別に2名の通行人を包丁で突き刺すなどして殺害した殺人等被告事件につき,被告人に完全責任能力を認めて死刑を言い渡した一審判決に対し,弁護人が,_xDC85__xDC40_裁判員法の憲法違反等を理由とする訴訟手続の法令違反, _xDC85__xDC41_被告人に完全責任能力を認めた点に関する事実の誤認及び_xDC85__xDC42_量刑不当を主張した控訴審において,一審判決が量刑不当を理由に破棄され,被告人に対し無期懲役刑が言い渡された事例
1 商標権のみなし侵害の事案において,商標権者の登録商標に関し「指定商品又は指定役務」及び被告人の侵害行為に関し「被告人の付した登録商標に類似する標章」の各摘示を欠く罪となるべき事実を認定した原判決が理由不備であるとされた事例
2 インターネットのオークションサイトにおいて「PhotoshopCC2014用の説明とソフト本体」などの標章を付して広告をした被告人の行為が,ソフトウエアの説明であるマニュアルだけでなくソフトウエアそのものを商品とする広告を内容とする情報に標章を付して提供して商標を使用したと認められた事例
貸金の支払を求める旨の支払督促が,当該支払督促の当事者間で締結された保証契約に基づく保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではないとされた事例